第123号「そうじの力だより」

事例紹介目的が明確になれば、浸透していく!~西村ジョイ「そうじの力」~香川県高松市を本拠とするホームセンター、西村ジョイ。県の内外に十一店舗を展開し、地元では知らぬ人はいない人気のホームセンターです。パート社員も含めると、全従業員数は約六百七十人。一店舗あたりの面積も広く、品揃えも豊富です。一年半ほど前から「そうじの力」を支援しています。規模が大きく、働いている人の数も多いので、浸透させていくのは容易ではありません。まず、セオリー通り、整理つまり「捨てる」ことから活動をはじめました。当初は店の内外に、たくさんの不要物が溜まっていました。たとえば商品を陳列する木製の什器。DIYの専門家だけあって、イベントごとにオリジナルの什器を木材で作成します。そうして使い終わった什器が、倉庫にわんさと積まれているのです。それらを仕分けして、使う見込みのないものは処分をしました。整理が完了したところから、順次、整頓(定位置化)と清掃(掃く、拭く、磨く)に取り組んでいます。毎回の研修では、全店の店長およびリーダーたちが、一つの店舗に集合し、その店舗を題材にして研修を行います。売り場からバックヤードまでを巡回し、課題を見つけて改善策を考えていきます。研修においては、毎回必ず実習を行っています。特に力を入れているのが、「見えない所」をキレイにすること。たとえば、木材売り場の什器の奥。ここに大量のオガクズが溜まっています。毎回のようにオガクズの清掃実習を行っているので、今ではどの店舗に行っても、ここはキレイになっています。研修では毎回、宿題を出します。参加者はその宿題を自分の店舗に持ち帰って実践し、次回の研修時に実践状況の発表を行います。各店舗においては、営業会議の場などを使って、研修で学んだことを他の社員に伝えて実践につなげています。シフト制で勤務するパート社員にも、昼礼を活用して周知しています。同社の旗艦店のひとつ、成合店。ここで、社員駐車場を整える試みが始まっています。壁側に向けて駐車した車のお尻が一直線に揃うようにしているのです。これを「やろう!」と呼びかけた翌月には、このように揃うようになっていました。また、同社では以前から「倉庫在庫ゼロ化」にチャレンジしています。接客時間を確保するため、そして在庫を見える化するため、バックヤードの商品在庫をなくし、すべて売り場に陳列しようという取り組みです。言うは易し、行うは難しで、これが現実にはなかなかできませんでした。しかし、せっかくこうして「そうじの力」に取り組む中で、この「倉庫在庫ゼロ化」を本気で実現しようということになりました。店舗だけではできません。商品仕入れの方法も変えなければいけません。本社のバイヤーも入り込んで取り組んだ結果、成合店において、ほぼ「倉庫在庫ゼロ化」が実現できました。同社の「そうじの力」の目的は、「気づき」を高めるため。西村久社長をはじめ各店長たちは、ことあるごとにこの目的を説いています。ある日、西村社長がA店を巡回しているとき、パートの女性に、「そうじの力の目的は何ですか?」と尋ねると、その女性は即座に「気づきを高めるためですね」と答えたそうです。さらに「そうじの力を教育に生かすこの会社は素晴らしいです」とコメントしたそうです。同社の素晴らしいところは、正社員もパート社員も、みんな西村ジョイが好きだということ。好きな会社を少しでも良くしたい、という思いがひしひしと伝わってきます。その根源にあるのは、西村社長の姿勢でしょう。社長自身、店が大好き。そして、全身ホコリまみれになりながらそうじに取り組んでいます。(小早)おそうじデモンストレーター飯塚輝明の出張おそうじデモンストレーション!出張おそうじデモンストレーションでは、現在、トイレそうじコース・事務所(デスク)コース・車のそうじコースという3つのコースをご案内しています。 車のそうじコースでは、仕事で使用する車両の具体的なそうじ方法を体験して頂きます。 群馬県前橋市の株式会社アドバンティク・レヒュース様では、トラックの車内の整理をテーマに実施いたしました。手順は①「積んであるモノは全て外に出す」②「使うモノ使わないモノに分けて使わないモノは捨てる」③「隅・裏・奥見えない所から徹底的に磨く」です。併せて楽しく洗車を継続して行くためのコツがあります。一「時間を決める」(時間が来たら途中でも止める)二「狭いエリアを設定してその範囲だけを徹底的にキレイにする」(まんべんなくやらない)三「一台を複数人で洗車する」(ひとりでやらない)です。 一人だと面倒くさかったり、なかなかモノを捨てられなかったりする作業も、みんなでワイワイやるとはかどりますし、思い切って捨てられます。 参加をして頂いた方の感想です。 『一つ一つの片付けからそうじまで理由を説明しながらして頂いたのでよかったです。普段なかなか一人では出来ないので複数の人間ですることの重要性なども勉強できてよかったです。』  群馬県東吾妻町のホンダカーズ東吾妻様では、納車前の中古車の洗車を実施いたしました。 テーマは、「外せるモノは外す」「隙間、溝、境目、キワを磨く」です。どうしたらお客様が感動してくれるのかをみんなで考えました。隙間、溝、境目、キワがキレイになるとまるで新車のように見えます。参加をして頂いた方の感想です。 『今までの洗車との違いは、細かい所まで配慮する所でした。「ここまでするの?」と思いましたが、始めたら汚れが気になりとことんキレイに掃除してお客様に満足して頂きたいと思えるようになりました。』  お問い合わせは、弊社ホームページの「出張おそうじデモンストレーション」のページをご参照ください。     (飯塚)おそうじコラム日本も捨てたもんじゃない!水害復旧のボランティアに思う九月七日から十一日にかけて、台風18号の影響を受けた南北に縦長の前線の活動による大雨で、鬼怒川や渋井川が氾濫し、茨城県、栃木県、宮城県などに大きな水害が発生しました。私は九月二二日に、ボランティアとして片付け作業を手伝うために、茨城県に行きました。 まず、駐車場として指定された守谷市内の(株)前川製作所に集合したのですが、受付に並ぶ人、人、人の波にビックリ仰天です。 いわゆるシルバーウィークということも伴って、全国からボランティアが集まってきているようです。 行列の最後尾に並び、受付を目指しますが、牛歩状態でいっこうに進みません。ようやく受付を済ませ、大型バスで中継点に移動します。そこからマイクロバスに乗り換え、常総市の現場に入ります。結局、前川製作所に着いてから現場に入るまで、実に二時間半もかかりました。 まったく、想像以上の人の数でした。 さて、ボランティアとしての作業は、民家の床をはがすこと。ちょうど頭の高さくらいまで浸水してしまった民家。侵入した泥は、すでに前日までのボランティアにより掻き出されていましたが、水分をたっぷり吸収してしまった床板では、そのまま使うことはできません。一枚ずつはがして高圧洗浄機で水洗いし、庭先に立て掛けて干していきます。 全員が初対面のボランティア。名前も出身地も分かりません。それでも、それぞれ、バールでこじる人、床板を持つ人、はがした床板を移動する人、残った釘を抜く人、周囲を清掃する人など、なんとなく阿吽の呼吸で役割を分担して作業をこなしていきます。 短い時間でしたが、どうにか当日割り当てられた作業は終えることができました。 ところで、前川製作所で受付をしてくれた人、中継点でバスの手配をしてくれた人、マイクロバスの運転手、そして現場で各民家への作業の段取りをしてくれた現地リーダーなど、現場を取り仕切る人たちはほとんどがボランティア、つまり有志の素人です。 集合してから現場に入るまでは予想以上に時間がかかりましたが、大きな混乱もなく、きちんと移動ができて、作業も実施することができるというのは、すごいことだと思います。 連休だからと行楽地に行くのではなく、こんなに大勢が遠い所をわざわざ他人のために駆けつける。わが日本人も、どっこい、まだまだ捨てたものではありません。                 (小早)スタッフ森川剛存の おそうじ実践レポートとんかつこがねの環境整備日記③父から受け継いだ家業の飲食店「とんかつこがね」。長年の営業で汚くなった店を、少しずつキレイにしています。今回は2つの実践作業を紹介致します。1つめは客席の床の清掃です。 店の床はタイル張りなのですが、溝に長年の汚れが蓄積して黒い線となり、足元の印象を暗くしていました。 普段はモップでそうじをしていましたが、それでは溝の中まではきれいにならず、逆に汚れを溝に溜めていました。 埃と油が混ざった汚れに洗剤を少量かけて、金ダワシでこするという作業を繰り返します。そうすると黒かった溝が白とまではいきませんが、コンクリート地が見えて明らかに違いが出ました。 ただ金ダワシは使用していくうちにポロポロと金属片となり後処理が大変でした。現在は食物への混入防止も考えてワイヤーブラシを使用しています。 段々とキレイになっていくと、もっとという気持ちが出てきますがそこはグッとこらえて、決められた面積をコツコツと毎日磨いていきます。 2つめは厨房内の清掃です。飲食店で一番汚れやすい場所は厨房ですが、特に排水溝は汚れが溜まりやすい場所です。 コックさん曰く、「排水溝のそうじは二、三か月に一度位している」との事でしたが、いざグレーチング(蓋)を開けると汚泥が溜まっていて水捌けが非常に悪い状態でした。蓋の裏側も油汚れがビッシリとこびり付いていて、あまりの状況に絶句するしかありませんでした。 まずは汚泥を取り除く事に集中します。ワントラップ(釣鐘型の蓋)を外してみると 排水口の中まで汚れが溜まっていました。これでは水捌けも悪くなるはずです。手で汚泥をかき集めて結局ビニール袋一杯分を除去しました。この作業の後、排水口にはメッシュ蓋を被せ、営業終了後に排水溝のゴミを必ず取り除く事を決めました。 まだ着手し始めですが、排水溝のそうじを通じて「開かずの間」を作ってはいけないと痛感しました。 きれいにするには とにかく「不要な物は捨てる」と「毎日行う」が大切だと実感しています。 (森川)今月の読書から『日本海軍400時間の証言』NHKスペシャル取材班 著~現場の勤勉さと上層部の無責任さ~旧日本海軍の作戦を立案してきた「軍令部」つまり参謀たちが、戦後、密かに定期的に「反省会」を開いていて、その肉声テープが残されています。そのテープを中心にして、関係者への取材などで肉付けし、所感などを加えたのが、この本です。 この本で見えてくる旧日本海軍の一番の問題点は、「組織優先で個人を軽視する」「失敗した時の責任の曖昧さ」「流れに身を任せた結果生まれる“やましき沈黙”」です。 まず、日米開戦の経緯です。軍令部の士官の多くは、「太平洋戦争には反対だった」「戦争をやれば必ず負けると考えていた」と述べています。 しかし、「海軍が“アメリカと戦えない”というようなことを言ったがですね、陸軍の耳に入ると、それを利用されてしまうと。(中略)戦えないというならば“予算を削っちまえ”と」(元大佐)とあるように、陸軍との予算獲得競争に負けまいとして開戦に賛成したのだというのです。 続いて、特攻について。軍令部の作戦部長をしていた元中将は、特攻について「私作戦部長承知しておりません。そうして、これは恐らく作戦としてせずに、実施部隊が自らのあれでやったんじゃないかと思います。」と語っています。 しかし、上意下達の規律が厳しい海軍で、現場が上層部の承認を得ずに作戦を敢行するはずがありません。 実際、人間魚雷「回天」も人間爆弾「桜花」も、予算を司る海軍省で決めて建造しているのです。トップの意思決定による命令があったことは明らかです。 上記の元中将のように、軍令部の中枢にいた人たちは、戦後も、非公開の場においても、自らの責任には一切言及しなかったそうです。 一方、前線で部下たちに特攻を直接命じた現場の指揮官たちは、「非常に苦しみながら、戦後も死ぬまで担いだ」と言います。 では、軍令部の中に、良心はなかったのでしょうか?無謀な作戦を止められる人はいなかったのでしょうか? 元参謀の長男は、NHKの取材に対して、父親について「これは今の日本人にも言えるけど、時の空気には勝てないんでしょうね、全体がそういう流れになっている時に。(中略)現状が間違っていると思ったとしても、組織の大きな流れを止めたり、動かしたりする力はなかったと思いますね。」と語っています。 こうした旧海軍の問題点は、決して過去のものではありません。まさに私たちが住む現代社会にも、そのままあてはまる問題点だと言えます。 現場の実感と上層部の意識の乖離。上層部ほど責任が問われない体質。 自ら雑巾を持ち、社員と一緒にそうじで汗を流すトップリーダーには、こうしたことは起こらないでしょう。       (小早)お知らせ◆「そうじの力」企業見学会  ・10月15日(木)13:00~16:00     (株)マルシャン 新潟県長岡市   ※パン工場の事務所と工場見学    および小早の講演です◆「そうじの力」セミナー日程  ・10月14日(水)18:30~20:00 群馬県  富岡市社会教育館 講師:飯塚輝明 ・10月21日(水)18:00~19:30 静岡県  沼津商工会議所 講師:小早祥一郎◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルキャップ  ご希望の方に差し  上げます。※数に  限りがあります。     株式会社そうじの力そうじ(環境整備=5S=整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を通じた経営改革の支援弊社はそうじを通じた「人づくりと組織づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。