第129号「そうじの力だより」

支援事例紹介若手社員の成長の場〈時を守り、場を清め、礼を正す〉~(株)内原製作所「そうじの力」~ 埼玉県八潮市の金属プレス業、(株)内原製作所。創業七〇年という、この競争の激しい時代にあってしっかりと生き残っている堅実な企業です。ビニールハウスの部品などが主な商品で、鉄やステンレス、アルミのコイル材などをプレスして製品を作ります。若い社員が多く、現場は若手のリーダークラスが仕切っています。 ある経営者の勉強会において私の講演をお聴きになった内原勲社長が、「そうじを通じた人材育成」というコンセプトに共感され、その場で支援のオファーを頂きました。 支援をはじめて一年四か月ほどが過ぎました。活動は二〇代から三〇代前半の若手リーダークラスを中心に進めています。 私は折に触れて、この活動の目的を話しています。決してキレイにすることが目的ではありません。そうじを通じて、社員一人ひとりが「時を守り、場を清め、礼を正す。(森信三)」ができるようになることが目的なのです。 たとえば、ある時、喫煙のマナーが守られていないということがありました。喫煙室で喫煙した後に、各人のタバコは所定の棚にしまうルールになっているのですが、タバコがテーブルに置きっぱなしになっていました。 しかし、口でいくら「ルールを守りなさい」と説いても、なかなか実際の行動には反映されにくいものです。そこで、喫煙者に喫煙室のそうじをしてもらいました。壁や天井についているヤニを拭き取ります。換気扇の中身を分解して、羽根も丁寧に磨きました。こうした「実践」を通して、少しずつマナーというものは身についていくものだと思います。 この活動のもうひとつの目的は、「気づき」の感性を養うこと。そうじは「気づき」の感性を養うとても良い訓練になります。 そこで、プレスをする機械の清掃に取り組んでいます。見える所の清掃はもちろんですが、機械の足下や裏側、内部といった「見えない所」のそうじにも力を入れています。見えない所の汚れに気づくことが、「気づき」の感度を高めるのです。 この清掃が定着するように、私の訪問日には毎回「実習」を行っています。まず私が、どんな点に注意して清掃するかを説明し、お手本を示した上で、社員さんたちにやってもらいます。こうした実習を積み重ねることで、そのコツや勘所を「体感」できるのです。 また、整理と整頓を進めることで、どこに何があるか分かりやすくなり、作業効率が上がり、風通しの良い職場環境を作ることができます。 当初は、使っていない工具や治具がたくさんありました。整理して、本当に使うものだけにしました。置場も整えて、分かりやすく、使いやすくなりました。金型も、長らく使っていないものは、取引先の同意を得て、廃棄しました。何年も出荷されないまま放置されていた在庫品も、処分しました。 おかげさまで、中小企業にはなかなか人材が集まらないこの時代にあって、同社には毎年、高校生の新卒者が入ってくるそうです。 企業を選ぶ際に、職安や学校の先生、そして生徒自身から、「こういうキレイな職場で働きたい」というコメントが出てくるそうです。 若い人たちの伸び代は、まだまだ無限大です。そうじを継続していくことで、もっともっと良い人材、良い職場、良い人間関係が作られていくことでしょう。              (小早)おそうじデモンストレーター大槻飛鳥の おそうじ匠の技机のそうじパート6~整頓② 書類は“横”ではなく“縦”に~  文房具の整頓の次は、書類の整頓をしてみましょう。ボリュームがあるので、2回にわたってお伝えします。 書類の整頓の一番のコツは『立てて保管する(横積みにしない)』ことです。一旦横積みにしてしまうと、あれあれよという間に上に書類が積み重なり、下の方にあるものに目が行き届かなくなってしまいます。 立てて保管する利点は、2つ。①どの書類も1アクションで取り出せる立てて保管すると、「書類を探すために紙をめくる」手間が必要なくなります。また、横積みされた下の方の紙を引っ張り出すときに、書類の雪崩が起きてしまうという事もなくなります。②管理しやすい立てた書類に見出しをつけておけば、どこに何があるかすぐに見つけることができます。「保管期限が過ぎたら捨てる」といったメンテナンスもしやすくなります。 「よーし、それならば早速立てて保管しよう!」とすると、収納ができるスペースが思ったより少ない!ということに気が付くと思います。 机上ゼロだから机の上には置かない。横積みしないから、デスクの引き出しの上段・中段は使えない…。おや、一番下の引き出し一つしか、収納できるスペースがない…!? そこでやはり、「整理」が徹底的にされているかが重要なことになってきます。同誌125号、126号を参照いただき、整頓に入る前に再度「整理ができているか」確認をしましょう。 さて、書類の整頓のコツその2は、『紙をむきだしのまま保管しない』ということです。様々なファイルを使うことによって、書類の分類ができます。また、立てて保管することができるようになります。  一番使われるファイルは、クリアファイルでしょう。 手持ちのクリアファイル、柄物や、企業名が入ったいただきものを使っていませんか? 中身が見えないファイルを使うと、「中に何が入っているか」わからない状態になります。その結果、乱れやすくなったり、いつのまにかいらない書類を抱え込んでいたということになりがちです。 書類の整頓のコツその3は、『透明の中身が見えるもの使う』ことです。「いただいたので勿体ないから」と、中身が見えないクリアファイルを使うのをやめましょう。 分類してファイリングする「整頓」は、とても楽しい作業です。ですが、「必要なものだけになっているか」が一番大切。 しつこいですが(笑)、「捨てる・減らす(=整理)」を徹底しましょう。  (大槻)おそうじコラムマナーは自分のため~結局、自分に返ってくる~ 出張で全国を飛び回っていますが、各地で泊まる宿はだいたい決まっています。 私のお気に入りは、大浴場がついているところ(笑)。どうもホテルの部屋についている狭いユニットバスは好きになれません。最近は、お手頃なビジネスホテルでも大浴場がついているところが増えてきて、嬉しい限りです。 さて、そんな定宿の一つに泊まっていたある日の出来事です。朝食はいわゆるビュッフェ形式。色々と並べられているおかずから、自分の好きなものを取り分けます。 私の前に並んでいる男性の行動に、目が釘付けになってしまいました。その人は、バットに盛られているベーコンを、なんと四分の三ほども自分の皿に取り分けるではありませんか! さらに、隣にあるソーセージも、やはり半分以上を自分の皿に。皿がベーコンとソーセージでいっぱいになると、別の皿を用意して、さらに盛ります。 驚いたのは、しばらく席でベーコンとソーセージを食べた後、もう一度席を立って、ベーコンとソーセージをおかわりしたことです!「目が点になる」とは、まさにこのことです。 なんという下品な行為でしょう。 いくらビュッフェは「食べ放題」といっても、一般常識、マナーというものがあるはずです。第一に、そんなことをしたら、後の人たちの食べる分がなくなってしまいます。自分の好みのものは、多少は多めに取り分けるにしても、限度というものがあります。 私自身はベーコンもソーセージも食べないので問題はありませんが、彼のマナーの悪さに無性に腹が立ち、殴ってやりたい心境になりました(笑)。 しかし、よくよく考えてみると、おそらく彼は不幸な人生を歩んでいるのだろうと想像がつくのです。 というのも、彼の同僚や近しい人たちは、きっと彼を疎んじていることでしょう。少なくとも、私が彼の同僚ならば、彼と一緒に働きたくはありません。彼と親しくなりたくはありません。 周りがそう思えば、困るのは彼自身です。つまらないのは彼自身です。誰からも愛されず、不幸な人生を送るのは、「身から出た錆」というべきでしょう。 もっとも、それ以前に、塩分の取り過ぎや動物性脂肪の取り過ぎで早死にするかも知れませんが・・・・・(笑)。 結局、マナーというのは他人や周囲に対する思いやりであると同時に、自分自身のためのものでもあると思うのです。 巡り巡って自分に返ってきます。(小早)おそうじデモンストレーター飯塚輝明の輝ちゃんはミタ!支援先での小早をミタ!意外や意外、実習中の現場は大爆笑! 弊社の支援先である(株)小池勝次郎商店は、埼玉県深谷市で農業用資材の小売店と、農産物の直売所を経営されています。そうじの力の活動を始めてから十ヶ月が経っています。 色々な所がキレイになってどんどん良くなっている小池勝次郎商店ですが、まだまだの所もあります。 この日は、外販部の事務所が舞台です。営業部隊という仕事の特性上、事務所内がお客様への提案資料他であふれ返っています。活動開始当初からの課題であった書類の山に、いよいよ小早が切り込む時がまいりました。 やることは、その場でみなさんに書類の整理を実践していただく「実習」です。 掲示してあったり、引出しの中にあったり、ファイルにとじられたりしている書類を一つ一つ「要るモノ」「要らないモノ」に分け、要らないモノは捨てていきます。 小早曰く「一人で行うのではなく、皆で一緒にやりましょう。」ということで、社長と社員のみなさんが一緒になって作業しました。 社長の見ている目の前で引出しを開けて書類の整理をするのですから、シビアな場面になりそうですが、現実は全く逆でした。終始楽しい雰囲気の中で思った以上に作業がはかどります。 しかし、あるファイルボックスの書類群に手を付ける時になって書類の持ち主のAさんが言いました。 Aさん「そこは、聖域です。今している仕事の書類しかないので捨てるモノなどありません。」 社長「まあ、それでもいいからやってみようよ!」 いざ一つ一つ書類を見ていくと、 Aさん「あれ?これは要らないや。」「これも要らない」「うん、これも要らない・・・・・」 終わってみると、聖域と言っていた書類が八割がた整理できました。これにはそこにいた一同大爆笑でした。 書類の整理を行うと、実際の仕事環境が格段に良くなる事はもちろんです。でももっと大切なことは、ともに明るく作業をすることで、社長と社員、そして社員同士のコミュニケーションの質が高まることなのだなと、大爆笑をしている皆さんの姿から教えて頂きました。  普通の会社内では、整理するというやりとりは角が立ちやすいものだと思います。しかし、小早がいるとレクリエーションのようになるから不思議です。(飯塚)     今月の読書から『明治維新という過ち』原田伊織著~薩長史観の虚実~ 明治維新については、以前から、どうも辻褄が合わない、矛盾が多いと感じていたのですが、この本を読んでなるほどと合点がいきました。 一般的には、徳川時代は封建的で遅れていて、明治維新があったからこそ日本は近代化できた、明治維新があったからこそ日本は西洋列強の植民地化を免れたと信じられていますが、著者は真向から反論します。 黒船来航よりも11年前の天保13(1842)年に、『薪水給与令』によって実質的に鎖国は解かれており、小栗上野介ら幕府の有能な高官たちによって、諸外国との外交交渉も進み、様々な近代化が模索されていたといいます。 ですから、明治維新がなくても、この日本がまた別の形の近代化を遂げ、西洋列強による植民地化を防げた可能性は大いにあるというのです。 要するに、幕末の混乱に乗じて、長州と薩摩が起こしたクーデターが明治維新であり、新政府とは「薩長政府」である、ということです。これは著者の論を待たずとも厳然たる事実です。 「明治維新=正義、徳川幕藩体制=悪」と捉えられていますが、それは明治新政府のプロパガンダだと言えます。 事実は、戊辰戦争という内戦において軍事的勝利を収めた薩長同盟が新たな政権を樹立したというだけのことで、どちらが「正義」でどちらが「悪」ということではありません。 まったく同じ構図が、太平洋戦争後の日本においても当てはまります。「連合国=正義、日本=悪」とGHQに洗脳されてしまったのです。 これまた事実は、戦争において、アメリカをはじめとする連合国が軍事的に日本に勝利したというだけのことです。戦争において、「正義」も「悪」もありません。 「勝てば官軍」とは良く言ったもので、勝った方が正義だと「主張」できる、ということなのです。 そして、明治以降、なぜ日本が朝鮮や満州、中国大陸に無謀な侵攻をするようになったのか、私にはさっぱり理解できなかったのですが、どうやらその芽は、この明治維新にあったようなのです。 薩長の新政府を作った人たちがもともと信奉していた思想が、対外膨張主義であり、それが現実の政策となって太平洋戦争の敗戦まで続くのです。 こう見てくると、「太平洋戦争とは何だったのか?」を考える際には、「明治維新とは何だったのか?」を考えなければ、答えは見えてこない、ということになります。 私たちは、今も、昔も、「大本営発表」を信じ込まされているのかも知れません。物事の真実を知るには、必ず多方面から観ることが必要だ、と言われます。 表面だけでなく、裏面もしっかりと見る。「そうじ」に通じるところがありますね。おっと、お得意のこじつけか(笑)?  (小早)お知らせ◆「社内活性化」セミナー日程  ・4月21日(木)15:00~16:30 群馬県  IJU高崎セミナールーム 講師:飯塚輝明 ・5月23日(月)18:00~19:30 東京都  台東区民会館 講師:小早祥一郎◆小冊子無料頒布『働くってどういうこと?』小早祥一郎が中学校で講演した講演録です。ご希望の方に無料で差し上げます。ご請求は巻末の連絡先まで。◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルジャンパー ご希望の方に差し上げます。株式会社そうじの力社内コミュニケーション活性化の支援弊社はそうじ(環境整備=5S=整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を通じた「社内コミュニケーション活性化」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。