2017年07月12日
目的に鑑みて課題をとらえる!|石見交通
本日は、島根県益田市に本拠を置き、島根県西部の路線バスと東京や大阪、広島などへの長距離バスを運行する石見交通(株)の「そうじの力」支援日。
現在、私は、3か月に1度同社を訪問して、各部署から集まったリーダーさんたちを対象にして研修を行っています。
一方、私が行かない2か月の間も、彼らは持ち回りで集合し、活動報告と現場巡回を行っています。
そうした活動を進める中で、同社のレベルはどんどん上がってきています。
研修会においては、まず私が簡単なレクチャーを行います。
今回、あらためてこの「そうじの力」の目的は何だろうか?と問いかけてみました。
すると、研修参加者からは「信頼感の向上」「同じ目標に向かって活動するため」「仕事の効率アップ」「新人でも分かりやすいように」「お客様にとって気持ちの良い空間を作る」「気づき、積極性、チームワーク、コミュニケーションの向上」「安全性の向上」「利益アップ」「社員が気持ちよく働けるように」などといった意見が出てきました。
どれも的を射た、的確な「目的」です。
私が強調したかったのは、「そうじの力」の目的は、決して「キレイにする」ことではない、ということです。
そうじをする結果としてキレイになるのですが、それは目的ではありません。
キレイにすることを最優先すると、独りよがりの活動になったり、他人を批判したりと、目的と食い違う行動を取ってしまいかねません。
その観点で、今回あらためて目的を確認したわけですが、さすがですね。みなさん、きちんと目的を理解されていました。
レクチャーの後は、各部署からここ数か月の活動状況の報告をしてもらいます。
以前からの課題に引き続き取り組んでいる部署、新たな課題に切り込んだ部署、いろいろな報告があって、いずれもとても興味深いです。
こうした他部署の取り組みを聴くことも、みなさんにとって参考になったり刺激になったりするはずです。
今回の報告の中で、私が特に印象に残ったのは、益田営業所の取り組みです。
現在、各バス停の待合所や時刻表の清掃を行っているとのことですが、その活動に、バスの運転手さんたちも自主的に参加してくれているのだそうです。
運転手はシフト勤務ということもあり、なかなか「そうじの力」に参加できないのですが、こちらが何も言っていないのに、自主的に参加してくれているというのは、すごいことです。
これが、見えないところで安全運転などにつながっていくと信じます。
活動報告が終わると、残りの時間は現場巡回に充てます。
実際の現場を見ることで、現状と課題、進捗を確認するのです。
まずは事務所。
現在でも十分整っていますが、さらに使い勝手を良くするために、皆さんで意見交換しました。
ここでも大切なのは、「目的」です。
たとえば、「見栄え」を最優先すると、ひょっとすると使い勝手が犠牲になるかも知れません。
しかし、目的を鑑みれば、最優先すべきは使い勝手ということになります。
そして、バスの整備工場。
広い工場内ですが、少しずつ、整えられていっています。現状と課題を確認していきます。
広い工場の中で、唯一、今までに手が入っていなかったのが、この「機械室」。
電装部品などを修理する部屋ですが、以前は本当にオバケ屋敷のような状態でした。
ビフォア
懸案だったこの部屋に、ついにメスが入りました。
まだ部屋の半分程度ですが、必要なものと不要なものを仕分けて、不要なものを処分しました。
アフター
これだけで、ずいぶんとモノが減り、部屋が広くなりました。作業性も大幅にアップしたはずです。
他部署の参加者からも、さらなる改善のための質問や意見が出ていました。
今回の研修会の最後に、同社の小河英樹社長は、「自分も会社も良くすることを『楽しい』と思える人間になってほしい」「他の部署を見るというのは本当に勉強になること」「良いことはぜひ他所にも波及していってほしい」「そうじの力で頭の中が整理できると、物事の優先順位が分かってくる」といったコメントをしていただきました。
今後も同社の進化が楽しみです。
石見交通(株)小河社長のインタビュー記事は、こちらをクリックしてご覧ください。