2018年07月26日

5Sに取り組んでいるのにあなたの会社が変わらない10の理由 その6「リアクションがない」

世の中、「5S」「環境整備」などに活動に取り組んでいる会社は、決して少なくありません。

しかしながら、そのすべてが「期待するような効果」を上げているわけではないようです。

「やってみたけれど、うまくいかなかった」

「一過性で終わってしまった」

「続けてはいるけれど、マンネリ化してしまっている」

「期待するような効果」を上げられない理由は、一体何なのでしょうか?

その理由を解き明かすのが、本シリーズコラム。

全10回にわたってお伝えしていきます。

★他の回はこちらよりどうぞ

 

 

10の理由6:リアクションがない

 

社員は「社長の反応」を見ている

 

会社に勤める社員にとって、日々の関心は、正直なところ「上司の機嫌」です。

もちろん、使命感もあるでしょう。

世の中やお客様への貢献に喜びを見出す面もあるでしょう。

それでも、上司が良い機嫌なのかご機嫌斜めなのかは、社員にとって最優先関心事であることは間違いありません。

 

つまり、社員はいつも「社長の反応」を見ているのです。

 

あなたは普段から、社員に「整理整頓を心がけるように」と伝えていることでしょう。

でも、社員がその言葉を受けて社内の整理をしたのに、あなたがそれに気づかずに通り過ぎてしまったとしたら。

社員はどう感じるでしょうか?

モチベーションは一気に下がってしまうことでしょう。

 

実際の実務であれば、社員は必ず何らかの形で評価をされます。

評価制度が整っており、根拠となる数字があって、それが昇給・昇格や賞与に反映されるのですから。

 

しかし、“そうじ”の取り組みには、そういった定型の評価方法はありません。

 

そのような定型の評価方法のないものを、社員に取り組んでもらうならば、

「社長が関心を持ち、リアクションをすること」

が大切なのです。

 

「愛の反対は『無関心』」

とは、よく言われていることですね。

 

自分の起こしたアクションに対して、社長がどういうリアクションをするのかを、社員はよく見ています

 

 

「社長が気づく」ことが大切

 

だから社長は、モノの状態の変化に「気づく」ことが大切です。

気付くことが大切

以前は山積みになって溢れていたモノが、少し減っている。

以前は乱雑に積み上げられていたモノが、わかりやすく棚に収められている。

以前は黒ずんでいた床面が、一部だけ光っている。

以前は悪臭を放っていたトイレが、最近は臭わない・・・・・。

 

そんなちょっとした変化を見逃さず、

「あれ?ここ、前より広くなったよね」

「これ、以前と違わない?」

「ここ、ちょっとキレイになっている?」

というコメントをぜひ発してほしいのです。

 

社員の心の中は、

「やった、気づいてくれた!」

となるでしょう。

 

「気づいてもらえる」ことは、「自分の判断で起こした行動を認めてもらえた」と感じることができることです。

 

小さな子どもを思い浮かべてください。

彼らは自発的に起こした行動が、どのような結果をもたらしたか、養育者に常に見て欲しいと思っています。

養育者がそれにリアクションをすることによって、「認めてもらえた」という気持ちが、さらに自発的な行動を促すのです。

 

大人は子どものように「社長見てー!」とは言いませんが(笑)、一般的に、よほど社長が嫌われていない限りは、社員は社長が喜ぶことをしようと思うもの。

 

変化に気づいた社長がリアクションしてくれれば、社員は嬉しくなり、

「もっとやってやろう!」

となるものです。

 

あなたが、

「整理整頓をしなさい」

「5Sに取り組みなさい」

と言えば言った分だけ、好ましい変化を見逃さずに気づき、嬉しがることが大切です。

 

 

とにかく、関心を持つこと

 

さて、

「嬉しがることが大切だ」

と書きましたが、だからといって、

「誉めてばかりいればいい」

というわけではありません。

 

大切なのは、

・とにかく関心を持つこと

・必ずリアクションをすること

この2つ。

 

だから、好ましくない状況を見つけた場合は、きちんと

「これは嫌だ」

と表明することが大切です。

 

例えばこんなケース。

工場内で、せっかく「姿置き」の置場が用意されているにも関わらず、姿置きとは違うように工具が置かれている場合があります。

これなどは、すぐに関係する社員を集めて、その場で注意しましょう。

 

こうした状態を放置することは、社員に対して、

「このままでいいよ」

「社長はこのことに関心はないよ」

というメッセージを発していることと同じです。

 

その場で注意するということは、

「社長は関心を持っているよ」

というメッセージなのです。

 

A社の社長は、外出しているときを除き、常に工場内を歩き回っています。

好ましい変化を見つけたら、

「ありがとう」

「ご苦労さん」

と声をかけます。

好ましくない状況を発見すると、すぐに関係者を集めて叱り飛ばします。

 

こうすることで、社長の「言っていること」と「やっていること」に一貫性が生まれます

そして社員にしてみれば、実務に直接影響しない仕事をしやすくなるのです。

 

 

まとめ

 

社員は、あなたが思っている以上に、あなたのことを見ています。

それに応えるために、ぜひ、社員が

「実務以外のことで仲間のために努力している姿」

を見つけてあげましょう。

そして言葉や文字で、本人に伝えてあげましょう。

 

私たちの定義するそうじとは、【本質を明らかにし、究めること】。

これは、モノにアプローチしながら、実はそこにまつわるコトの問題をあぶり出し、改善していくアプローチのこと。

「社員その人」を見続けることは、忙しい日常の中ではなかなかできません。

でも、「モノの状態の変化」だったら、見つけることができます。

逆に言えば、モノの変化に関心を持てなければ、社員の心の機微に気付くことはできないでしょう

 

それでは、たとえ社内が見た目だけ「キレイ」になろうとも、会社が抱える本質的な問題に辿り着くことはできないはずです。

 

10の理由まとめ6:関心があることをきちんと伝えよう

 

 

★5Sに取り組んでいるのにあなたの会社が変わらない10の理由 目次

その1 「社長がやらない」

その2 「組織を作らない」

その3 「時間を確保しない」

その4 「現場の取り組みだと思っている」

その5 「『モノ』へのアプローチにとどまっている」

その6 「リアクションがない」(←本記事)

その7 「目的を取り違えている」

その8 「経営計画書に明記していない」

その9 「楽しくやっていない」

その10 「社長が約束を守らない」

 

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