2018年08月08日
5Sに取り組んでいるのにあなたの会社が変わらない10の理由 その8「経営計画書に明記していない」
世の中、「5S」「環境整備」などに活動に取り組んでいる会社は、決して少なくありません。
しかしながら、そのすべてが「期待するような効果」を上げているわけではないようです。
「やってみたけれど、うまくいかなかった」
「一過性で終わってしまった」
「続けてはいるけれど、マンネリ化してしまっている」
…
「期待するような効果」を上げられない理由は、一体何なのでしょうか?
その理由を解き明かすのが、本シリーズコラム。
全10回にわたってお伝えしていきます。
目次
経営計画書は、水戸黄門の印籠
社長命令って、どうしたら実行に移されるのでしょうか?
社長がひと言、「”そうじ”をやりなさい」と言葉を発すれば、あとは粛々と実行されていくものでしょうか?
そんなこと、ありませんよね。
まして、ことは“そうじ”です。
「時間がもったいない」
「そうじをするくらいなら仕事をしたい」
とほとんどの社員は思うことでしょう。
そうじは優先順位が低いのです。
なぜでしょうか?
ほとんどの社員にとって、一番大切なのは、今目の前で動いている仕事だからです。
それによって売上が立ち利益が生まれ、自分の給料も確保されるわけですから、当然ですね。
でも会社には、今すぐ必要ではないけれど、将来のためにやらなければならないことがあります。
そのひとつが、“そうじ”です。
こうした喫緊の課題でない「緊急ではないけれど重要なこと」を社員に取り組んでもらうためには、“お墨付き”が必要です。
社員にしてみれば、社長命令で一生懸命にそうじをしているのに、気まぐれな部長に
「そうじばっかりして仕事をサボるな」
なんて言われたら、たまりませんからね(笑)。
経営計画書は、いざという時の印籠みたいなものなのです。
書き方・書き順が大事!
じゃあ、
「経営計画書に何でもいいから書けばいいのか」
というと、それもちょっと違います。
ありがちなのは、経営計画書の最初に、
「目標の売上高」
「利益」
がデカデカと記載され、その後のページにも、
「いろいろな必達のノルマ」
が何ページにもわたって延々と続き、最後のほうになって、小さく
「そうじをしましょう」。
これでは、社員はまずやらないでしょう(笑)。
なぜなら、その書き方、書く順序こそが、社長の考える優先順位だからです。
大きく前の方に書いてあることの優先順位が高く、小さく後ろの方に書いてあることは優先順位が低いというのは、誰でも分かります。
優先順位の低い仕事は、
「手が空けば」
「気が向けば」
やるということになるでしょう。
社長がそうじの優先度を高く考えているのであれば、前の方のページに、デカデカと、
「わが社の最優先課題のひとつとして、そうじに取り組む」
と明記すべきです。
経営計画書がない?じゃあ、作りましょう!
そうはいっても、ウチには経営計画書なんてないよ、という会社もあるでしょう。
ならばこの際、作りましょう!
要するに、会社を経営する上で、
・守りたいこと
・実現したいこと
・大切にしたいこと
・避けたいこと
などを書いていけばいいのです。
形式にこだわる必要はありません。
私自身も、弊社の経営計画書は、まずA4用紙1ページからはじめました。
上述したように、優先順位の高い事柄から書いていきます。
もし御社にとって“そうじ”が
「欠くべからざる大切な取り組み」
であるならば、自然と経営計画書の前の方に記載されることでしょう。
経営計画書は、いってみれば、羅針盤あるいは航海図です。
これがなければ、いったい我々の船はどこにどのように行くのか分かりません。
経営計画書は、社員にとってだけでなく、社長自身にとっても、頼れるナビゲーションになるはずです。
今日のまとめ
私たちの定義する”そうじ”とは、【本質を明らかにし、究めること】。
モノにアプローチしながら、実はそこにまつわるコトの問題をあぶり出し、改善していくアプローチなのです。
経営とは、どうあるべきか。
わが社はどこに向かっていこうとしているのか。
社員には、どんなことを大切にしてほしいと願うのか。
そんな本質的な問いかけに対する回答が、経営計画書には盛り込まれることでしょう。
つまり、経営計画書を作ることそのものが、ひとつの“そうじ”なのです。
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