2019年02月12日

そうじは「率先垂範」ではなく「バンド」【そうじの力で組織風土改革】

こんにちは、組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

「そうじは、やはり率先垂範ですよね」と、社長がおっしゃることが良くあります。

確かに、社長ご自身が実践し、背中を見せることは大切です。

でもそれだけでは、そうじは力を発揮してはくれません。

では、一体何が必要なのでしょうか?

 

そうじは「率先垂範」?

以前にセミナーを受講してくれた社長さんの会社で、そうじの活動に興味がある、というのでお邪魔しました。

行くと、ちょうど社員を集めたミーティングの最中。

 

社長が

「そうじをするといろんなことに気づく」

「間違いなく品質が上がる」

ということを説いておられました。

 

そのあと、ざっと社内を見学させていただきました。

現在、全社をあげて少しずつ社内をそうじしているとのこと。

 

食品工場だけあって、さすがに工場内はきれいにしています。

しかし、工場の裏手、社員駐車場の周辺は、草がボウボウ。

不要物とおぼしき物も多数放置されています。

 

私は社長に「これはマズイですよ」とお伝えしました。

「そうじは大事だ」と説いておきながら、裏は汚い状態を放置しておくと、社員に「見える部分だけそうじすればいいや」という「裏・表」の意識を植え付けてしまうからです。

事務所も書類や物が多くてゴチャゴチャ。

私は「まず社長ご自身が実践しないと…」と進言しました。

社長は苦笑い。「やはり率先垂範ですね」とおっしゃいました。

 

 

そうじは「社長を含めた全員が、”自分自身の活動”として、仲間と一緒に取り組むもの」

「社長、率先垂範というのとは、ちょっと違うんです。

そうじは、あくまでも”社長ご自身の課題”としてやるべきことです」

と、私は伝えました。

 

「率先垂範」を辞書で調べるとこうあります。

自分で手本を示すこと。 人より先に立って物事を行い、模範となること。
「率先」は、人の先頭に立つこと。「垂範」は、指導する人が模範を示すこと。

出典:goo辞書

 

つまり、

「”部下にやらせる”ことを前提として、まず自分が背中を見せる」

というニュアンスが含まれているわけです。

 

実際、「率先垂範で社内の掃除をやっている」としながら、環境整備(そうじ)を進めていくためのミーティングには一切同席しないという社長さんもおられました。

 

そうじの活動とは、そのようなものではありません。

社長を含めた全員が、あくまでも「自分自身の活動」として、仲間と一緒に取り組むものです。

 

なぜなら、企業が抱える問題点を明らかにし、あるべき姿を探し変えていく取り組みなのですから。

 

 

そうじは「バンド

私は、そうじは「バンド」に似ていると思っています。

バンドはそれぞれがそれぞれの役割をもって、同じ音楽性で、素敵な音楽を作りあげていきます。

そしてパートに上下はありません。

 

バンドは、

「そろそろ次のギターが育ったから、引退して会長にでもなるか」

なんてならないですよね(笑)。

 

どんな企業規模でも、社長から新入社員まで同じ土俵で組織の変革に取り組めるのがそうじ。

ぜひ社長自身「バンドメンバー」の一員として、取り組んでいっていただけたらと思います。

 

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