2019年07月24日
組織風土を変えるには。まずは「社員のマインド」より「社内の状態」に着目せよ!
組織風土の良い会社に行き、「自社もこうなりたい!」と胸を躍らせたことはあるでしょう。
そして、「組織風土を変えるために、まずは社員のマインド(考え方)を変えよう!」と、モチベーション研修を課していることもあるでしょう。
でもそれが「組織風土の変化」に結びつくかといったら、そうは簡単にはいかないもの。
では、「社員のマインド」と「組織風土」、ともに変化させるには、どうしたらよいのでしょうか。
こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。
▼目次 「5S」は、会社の真の課題を日の元に出す活動 |
「5S」は、会社の真の課題を日の元に出す活動
本日は、埼玉県羽生市の小暮ゴム(株)の「そうじの力」コンサルティング日。
毎月1回訪問し、社長および班長クラスの社員と、5S(環境整備)の研修を行っています。
同社小暮社長が”そうじ”に期待しているのが、
「服装や現場の整理整頓を通じて、社員のマインドを変えていきたい」
ということ。
取り組み開始から5か月。
以前自社だけで5Sに取り組んでいた時よりも、社員さんの表情も変わってきているようです。
工場内も徐々に整理・整頓が進んできました。
しかし、まだまだ工場内には、「何これ?」というものがあります。
現場を皆で一緒に見て回ると、工場の建屋の外側の軒下に、砂埃を被ったゴムの材料の在庫が積んでありました。
「ここにあるものは、しょっちゅう使うものですか?」
私が聞くと、現場の班長さん曰く、
「めったに使わないものもありますね」。
小暮社長はそれを聞いて、
「あまり出ない製品の材料は、お客様に返すから、調べて報告しなさい」
と指示を出しました。
このやりとり、表面上は、
「そこにあるモノを減らせないか」
という「モノ」に対するアプローチに思えます。
でも、実際にやっていることは、
「在庫の適正量を把握し、お客様との取引内容を確認する」
という、「コト(経営課題)」に対してのアプローチになっているのです。
「目に見える問題」は、単なる”現象”。その奥の「見えない課題」に目を向けよ!
経営課題には、
・売上や利益の数字などの「データに直接現れるもの(見えるもの)」
・コミュニケーションの課題などの「データに直接現れない(見えないもの)」
と2種類あります。
そして、この2種類は複雑に絡んでいることがとても多いのです。
「見える」経営課題が見つかったとき、
「何らかの見えない問題が、”現象”として目に見える形で表れている」
と捉える方が良さそうです。
とはいえ、この「データに直接現れない(見えない)問題」を探っていくのは至難の業。
そこに辿り着くための手段が”そうじ”なのです。
「モノ」を出したり、分けたり、減らしたり。
そうした行動に伴って、自然と「コト」の課題が明確になってきます。
そうして出てきた「見えない問題」に、きちんと向き合うからこそ、組織風土は変わるのです。
組織風土を変えたいならば、「日常の変化の積み重ね」を大切に
組織風土を変えようとして、
「まずは社員のマインド(考え方)を変えよう!」
と、モチベーション研修を課している社長さんも多いことでしょう。
講師の力、日常と違う場の力、ともに受講する人々からの影響…。
モチベーション研修で、「その場での変化」が起きるのは確かなことです。
でも人のマインドを作り上げてきたのは、まぎれもなく「今までの日常の積み重ね」です。
短期間で、価値観などを無理に変えようとするのは無理があるでしょう。
だからこそ、社員の意識を前向きに変えたいならば、それらの研修に加え、「日常で小さな変化を起こす継続」をしましょう。
それが”そうじ”です。
「自分の働きかけで、社内環境が良い方向に変化した」。
そう実感できた時、
「もっと良くするにはどうしたらいいだろう」
という気持ちが生まれます。
物理環境の変化が、制度や仕組みを変える元になるのです。
「制度や仕組みをより良くしたい」と思える気持ちは、マインドの変化そのものでしょう。
日常における社内の小さな変化を、子育てのように、社員とともに取り組み、共有しましょう。
大きな課題にぶつかったときは、社長が逃げずに向き合いましょう。
気が付いた時には、組織風土は確実にかわっているはずです。
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