2019年08月21日
決算書に現れない「我が社の現実」が隠れている場所とは?
私は研修の際必ず、「社長も参加すること」をお願いしています。
特に「整理」「整頓」「清掃」と進めていく過程において、「整理」の段階の社長の参加は必須です。
なぜならば、「整理」はただ物を捨てるだけではなく、社長にとってとても大切な「ある情報」を与えてくれるからです。
それは、「決算書に現れない、我が社の現実」です。
こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早 祥一郎です。
▼目次 |
整理のコツは、「いったん全部出す」こと
本日は、埼玉県羽生市の小暮ゴム(株)の「そうじの力」コンサルティング日。
毎月一回訪問し、社長およびリーダー社員とともに、5S(環境整備)についての研修を行っています。
同社の5Sの目的は、フィロソフィー(理念)の浸透。
「従業員の物心両面の幸せと会社の発展、お客様の繁栄を願い、仕事を通して人格を高め、地域・社会に貢献する」
これを体現する人になるべく、5Sに力を入れて取り組んでいるのです。
今は「不要なものを捨てること」、つまり「整理」に取り組んでいます。
研修では、毎回、ここ一か月間の活動報告をしてもらいます。
ある参加者社員さんが、こんなことを仰っていました。
「ここには要るものしかないので、捨てるものはほとんどないだろうと思っていました。
でも、いったん全部出して中身を一つ一つ確認してみると、結構必要ないものがあったんです。
驚きました」
他のメンバーからも、
「棚の中身をいったん全部出してみたら、ほとんどが捨てるものだった」
という報告がありました。
なぜ「一旦全部出す」のか
人は頭の中で、「これはあそこに置いてある」とモノの管理をしています。
でも、脳は精度100%のコンピューターではありませんので、全てを全て覚えていることはできません。
さらに、記憶にはキャパシティがあります。
重要度の高い案件を優先的に記憶していなければなりません。
「いつか使うから取っておこう」と、さして重要でないものを取っておく場合。
脳は早々に「これは必要のない記憶」と判断して、奥の方へ仕舞ってしまうのですね。
だから、「一旦全部出す」と、
「これはここにあったのか!」
「前は使ったけど、もう要らないね」
ということが起こるようになります。
「一旦全部出す」
ということは、厳しめに言うと、
「あなたの現時点のキャパシティはこれだけです」
という、現実に向き合う作業なのです。
現実に向き合わなければ、達成すべき目標は立てられません。
だから、整理を徹底して行う必要があるのです。
「我が社の現在地」を、社長は把握できているか?
「要るものと要らないものが混在し、それを放置しながら仕事をしている」
ということは、
「自社の今の実力を把握できていない」
ということ。
もしそうであれば、
・かなり無理をして仕事に忙殺されている社員がいる
・社員の犠牲の上に初めて会社が成り立っている
と捉えても良いでしょう。
整理は、そういった「働き方の現実」を露わにするものでもあります。
「我が社の現在地」を、社長は把握できているでしょうか?
決算書に見えないものが、社内環境に隠れています。
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