2019年10月03日
常に進化・発展していく会社にするために「ゆとり」が必要な理由。
様々な会社に伺い、社内を見て回ると、
「今は使っていないけれど、いつか使えるかもしれないから」
というものが鎮座している、ということが結構あります。
それらは本当に必要なモノでしょうか?
もしかしたら、会社にとって「もっと大切なあるもの」を食いつぶしている怪物になってしまっているかもしれませんよ。
こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早 祥一郎です。
▼目次 |
「あたりまえ」をひっくり返せ!
香川県琴平町の(株)イシカワ。
介護用品の販売・レンタルと、介護用の住宅補修を請負う会社です。
“そうじ”の活動をはじめて約一年半。
事務所内や倉庫内は、ずいぶんとスッキリ整ってきました。
それでも、今よりもっと使い勝手を良くできないか、と、全員で知恵を絞っています。
「ここはなんとかしたい!」
という場所に手を入れる段階が終わると、燃え尽き症候群のような状態がやってきます。
そうなったら、次のステップへの進みどころ。
次のステップとは、
「『あたり前』になっているものをひっくり返す」
ことです。
みなさん、あまりイメージが沸かないようなので、問題提起をしてみました。
事務所兼用のショールームの端にある、ちょっとした空間。
置き物が飾ってあったりするのですが、どうも、有効活用されている感じがしません。
「このスペースって、必要ですか?」と聞いてみました。
すると、岡野尚美社長をはじめ、社員の皆さんも、「ん?」という表情。
「確かに、そう言われてみれば・・・」。
職場の風景は、毎日眺めていると慣れてしまって、なかなか疑問に思えません。
でも、その中にも沢山「存在意味が明確になっていないもの」が隠れています。
だからこそ、「一見無駄なものがないように見える場所」も、一度ひっくり返してみることが必要なのです。
モノの価値は「それを購入した価格」ではない
このことをキッカケに、
「手狭な社内を、どうにかもっと広く使えないか」
と、検討することになりました。
そして、検討課題として取り上げられたのが、このテーブル。
これ、実はテーブルではなく、足湯の機械。
商品として置いてあるのですが、残念ながら売れた実績はなく、そのままテーブルとして利用されることになってしまっったようです。
この大きな機械がショールームのど真ん中に鎮座しているために、社内が非常に手狭になっています。
「これって、要る?」
「要らないよね?」
「売る?」
「売れないよね?」
「これがなくなれば、ずいぶんと広くなるね」
ということで、皆さんの意見が一致したもよう。
この機械は高価なもののようですが、「もったいない」からといって置いておいても、価値を生み出しません。
商品として売る気がない限り、この無駄なスペースこそ「もったいない」のです。
ということで、この足湯機は処分し、スペースを作る方向で動くことになりました。
なぜ社内に「スペース」が必要なのか
様々な会社に伺い、社内を見て回ると、
「今は使っていないけれど、いつか使えるかもしれないから」
というものが鎮座している、ということが結構あります。
そういったものが、
・「これこれこういう状態になったら使用する」と決められ、周知できている
・「いつでも使用できる」ように定期的にメンテナンスされ、スタンバイ状態になっている
ならば問題はないのですが、そうではないことがほとんど。
そうしたものたちは、「景色」となり、会社の「スペース」つまり「ゆとり」を食いつぶしているのです。
「ゆとり」がないと、目の前のことに追われます。
目の前のことに追われていると、周囲の状況や先の見通しを立てることが難しくなります。
「これは正常なのか、異常なのか」を、立ち止まって考えることができません。
これはつまり、「従来が本来」になること。
これでは、進歩・発展はしません。
それは、この厳しい経済社会の中において、「退化」「後退」を意味します。
企業の目的は、
「顧客・市場からの満足を獲得し、永続的に成長し続ける過程で社会的責任を果たすこと」。
そのためには、常に進化・発展していかなければなりません。
その種を見つけるのに有効なのが、”そうじ”なのです。
社内や業務に「ゆとり」をつくり、「もっとどうにかできないか?」という創意工夫の芽を育てる。
会社が、進化・発展していくための、ひとつの有効な取り組みです。
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