2019年11月03日
実習が「知識」と「行動」を結びつける。環境整備は実践が命!
研修において、私たちは「実習」をとても大切にしています。
なぜならば、知識としてインプットしたものは、アウトプットしない限りその人の「力」にならないからです。
仕入れた沢山の知識は、自分の言葉にするから、人に伝えることができるようになるもの。
そして、自分の言葉にする方法は、身体を使って体感することが一番です。
こんにちは。
そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力
代表取締役・組織変革プロデューサーの小早 祥一郎です。
▼目次 |
“そうじ”における「清掃」のコツは、「見えない所」
本日は、埼玉県八潮市の金属プレス業、(株)内原製作所の「そうじの力」コンサルティング日。
毎月1回訪問し、リーダークラス社員に向け、環境整備の研修を行っています。
今回は、工場のラインを1時間停めて、全員参加で「清掃実習」をすることにしました。
理由は2つ。
・環境整備活動を続けているものの、工場内の機械の清掃レベルが上がらないこと
・社員の間で、環境整備についての目的意識に差があることが表面化してきたこと
そのため、全員参加の実習を通じて、
・清掃のツボを習得してもらう
・何のために時間と労力をかけて環境整備に取り組んでいるのかを体感してもらう
ことが、目的です。
清掃実習で重点を置くのは、「見えない所」。
「何か部品を外さないと見えない」といった箇所には、汚れや不要物が溜まっています。
“そうじ”においての「清掃」は、「異常や不具合を発見する」ことが目的です。
機械に不具合が起こるとしたら、「外側が汚れているから」ではなく「内側で何かトラブルが起こっているから」でしょう。
その原因にできる範囲で近づいていくことが、清掃のレベルを上げることです。
たとえば、プレス機の操作盤の下部。
油汚れがこびりついています。
ここは、機械のオペレーターからは見えにくい場所。
そのため、普段は汚れになかなか気づくことができません。
だから、清掃の時間を使って、「普段見えないところ」に手を入れるのです。
この油は、いったいどこから出てきたものなのか?
単に何年も清掃を怠ったことで蓄積されたものなのか?
機械の不具合による油漏れなのか?
あるいは、潤滑油の差し過ぎなのか?
このように油がこびりついた状態では、判断することはできません。
だから、気が付いた時点で汚れを落としておく必要があります。
一旦汚れをリセットすることで、次の清掃のタイミングでチェックができます。
油を誤って垂らしてしまったものなのか、機械からにじみ出ているものなのかが、初めて判別できるのです。
「実習」は知識を行動に結びつける場
「普段見えないところ」を清掃することが習慣化していくと、清掃のレベルを上げていくことができます。
レベルが上がると、例えば、「自分たちで管理できる範囲」「メーカーに依頼しなければならない範囲」が明確になります。
メーカーに修理を依頼する際も、原因の追究がしやすくなることでしょう。
清掃のレベルが上がると、感性のアンテナも鋭くなります。
「一度リセットした箇所から油が頻繁に漏れている」ということに気が付ければ、点検や整備といった対策を打つことができます。
そこから「近いうちに大きな修繕が必要」ということがわかるかもしれません。
しかし、そこで「修繕が必要だ」とわかれば、大規模運休のような「大きな問題」にあらかじめ対処できます。
清掃は、組織としてのパフォーマンスを上げる手段なのです。
このようなことは、座学で伝えるには限界があります。
だからこそ、身体を動かして、知識を行動に結びつけてもらう「実習」を、私たちは大切にしています。
「頭でっかち」になっていないか
座学で知識を吸収・蓄積することは、もちろん大切なことです。
しかしながら、座学だけでは「知識を入れたことで満足」という状態になってしまいがち。
知識は日常に生かされて初めて力を発揮するもの。
「知っている」と「できる」は、全く別のものなのです。
インプットしたものを、自分なりにアウトプットすることで、初めて知識は「力」となります。
社員教育の研修を活かすためには、業務の中において、社員が必ず学んだことを実践できる「場」を設定しましょう。
そして、ぜひそのフィードバックをお忘れなく!
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