2020年03月04日
先約優先【そうじの力で組織風土改革】
『先約優先』という言葉があります。
私が誰からこの言葉を教えてもらったのか、そして、オリジナルは誰なのか、今となってはよく分かりません。
でも、とても好きな言葉で、独立以来、座右の銘の一つとして大切にしています。
先約優先とは、「先に交わした約束を優先すること」です。
言葉の意味は、ごく簡単なことです。
そして、当たり前のことではあります。
ところが、世の中一般を見ていると、この当たり前のことがそうでない事例が多いのに驚かされます。
たとえば、○月×日に、Aさんという顧客との商談予定が入っているとします。
今、Bさんという顧客と商談のアポを取ろうとしているのですが、あいにくBさんは○月×日しか空いていないというのです。
Aさんとの取引額は100万円で、一方のBさんとの取引額は1億円です。
この場合、あなたならどうしますか?
この問いを、私はいろいろな経営者の方に投げかけてみるのですが、多くの方が、Aさんとの予定をキャンセルして、Bさんのアポを入れる、と答えます。
でも、それで本当に良いのでしょうか?
キャンセルを食らったAさんはどのような気持ちになるでしょうか。
Aさんのような立場に立った人が増えてくれば、世間のあなたの評判はどうなるでしょうか?
それに、今のAさんの取引額は100万円かもしれませんが、将来、Aさんが1億円の取引をしてくれる可能性だってあるのです。
もう少し、現実的にありそうな例を挙げてみましょう。
大口顧客のCさんから連絡があり、□月△日に来てほしいとのこと。
ところが、当日は社内会議が予定されていて、出席を予定していました。
この場合、ほとんど100パーセントの人が、社内会議をキャンセルして顧客訪問を選ぶでしょう。
社内のことは内輪だと。
顧客こそが大切なのだと。
でも、社内会議を仕切っていた人の気持ちはどうでしょう。
その会議で、あなたと話をしたいと思っていた人の気持ちはどうでしょうか?
そのようなことを続けていると、社内に「恨み」が残ります。
仕事と家庭の問題も、同様です。
週末に、家族でディズニーランドに行く約束をしていました。
ところが、直前になって、顧客からゴルフに誘われてしまいます。
あなたなら、どうしますか?
家族との約束を破り続けていると、そのうち家族から信頼されなくなってしまいます。
この世でもっとも愛する家族から信頼されなくなるのは辛いですよね。
このように、「どちらが大事か」という判断は、目先の利益のことでしかなく、長い目で見ると、どちらが大事かなんて、誰にも分からないことなのです。
だから、無条件に、先に交わした約束を優先するのです。
『先縁尊重』と言い換えてもいいでしょう。
私も、完全に実践はできていません。肝に銘じて守っていきたいです。