2020年03月12日

整頓のコツ

別の記事で、そうじの進め方の基本として、「整理」→「整頓」→「清掃」の順序が大切であること、そして、その最初である「整理」のコツをお伝えしました。

整理ができたら、次は整頓です。

今回は、この「整頓」のコツについて詳しく解説していきます。

 

目次

①なぜ整理の次は整頓か

②整頓の具体的アクション

③定位置、定量、定方向、表示、標識

④直線、直角、水平、垂直、等間隔

⑤物の上に物を置かない、物の前に物を置かない

⑥書類は横積みにせず立てる

⑦よく使うものほど手前に

⑧床に直置きしない

⑨定量化で在庫管理を

⑩キャビネの扉を取り外す

⑪まとめ

 

 

①なぜ整理の次は整頓か

整頓とは、「置き場を決め、明記する」ことです。

なぜ整理の次は清掃ではなく、整頓なのでしょうか?

その理由は、整頓をしないと、リバウンドが起きてしまうからです。

よく、「数か月前に整理をしたんだけど、また乱れてきてしまった」とか、「半年前にずいぶんと物を捨てたはずなのに、また物が増えてしまった」というような話を聞きます。

それは、整理した後に整頓をしないからです。

整頓、つまり「置場を決め、明記する」ということを、こと細かくやっていくと、場が乱れにくくなります。

どこに何をどれくらい置くか、ということが明確になるので、それ以外のところに物を置きにくくなります。

何がどれくらい必要か、ということが分かるので、いたずらに物を増やすことをしなくなります。

だから、せっかく整理をきちんとしたならば、その後の乱れを防ぐために、整頓を行うのが得策なのです。

清掃は、いつでもできるので、整理と整頓がしっかりできてからで、遅くはありません。

 

②整頓の具体的アクション

もう少し、具体的アクションとして整頓のコツを表現するならば、以下のようになります。

・定位置、定量、定方向、表示、標識

・直線、直角、水平、垂直、等間隔

・物の上に物を置かない、物の前に物を置かない。

・書類は横積みにせず立てる。

・よく使うものほど手前に。

・床に直置きしない。

 

③定位置、定量、定方向、表示、標識

まず「定位置」とは、「ここにこれを置く」と決めることです。

「定量」とは、数量をいくつ置くのか、決めることです。

よく、ペン立てに何本ものボールペンが立てられていたりしますが、使うのが1本ならば、「1本」と決めるのです。

ホワイトボードマーカーなども、無造作に黒マーカーが3本くらい置いていたりしますが、3本置いてあると、3本とも同時にインクがかすれてきたりします。

だから、1本ずつ置いたほうがいいです。

常に、一定のストックがないと困るようなものは、「最低○○本、最高△△本」というような基準を明記するといいです。

「定方向」とは、向きを揃えましょう、ということです。

これらを決めたら、それが分かるように明記する必要があります。

それが「表示」と「標識」です。

「表示」は、物にします。

「標識」は、置場にほどこします。

たとえば、ホワイトボードマーカーに「会議室マーカー黒」と書くのが表示です。

ホワイトボードの受け皿に、それを置く場所として、「マーカー黒」と書くのが標識です。

「表示」と「標識」はワンセットです。

表示と標識の事例

もし黒のマーカーが2本あるような場合は、表示も標識もそれぞれ「マーカー黒①」「マーカー黒②」とします。

こうすると、それぞれを混同することなく使えます。

この「定位置、定量、定方向、表示、標識」が整頓の基本です。

そして、よりよくするためのコツが、以下のものになります。

 

④直線、直角、水平、垂直、等間隔

「直線、直角、水平、垂直、等間隔」とは、ようするに、せっかくやるならば、美しくやりましょう、ということです。

よく会議室の机が、波打って並べられていることがありますが、一直線に揃えると、それだけで場がビシッと締まります。

壁の掲示物が、右肩上がりだったり右肩下がりだったりして傾いていることがあります。

私はよく、「掲示物が傾いていると、会社も傾きますよ」と冗談を言うのですが(笑)、せっかく掲示するならば、ビシッと水平に掲示したいものです。

 

⑤物の上に物を置かない、物の前に物を置かない

「物の上に物を置かない、物の前に物を置かない」というのは当たり前のようなことです。

物の上に物を置いたら、下に置いた物が取り出せず、死んでしまいます。

物の前に物を置いたら、奥に何があるか分かりません。

でも、多くの会社の事務所で、本棚を見てみると、本が2列に並べられています。

本の前に、違う本が置かれているわけです。

この状態では、奥の本を活用することは、まずないでしょう。

 

⑥書類は横積みにせず立てる

その延長線上で、「書類は横積みにせず立てる」があります。

よく、プラスチックトレイに書類を入れたりしますが、下に入った書類は見ることも取り出すこともできないので、死んでしまいます。

私はトレイを使うことはお勧めしません。

その代り、書類は立てておくことをお勧めしています。

立てれば、右からでも左からでもアクセス可能なので、書類が死なずにすみます。

 

⑦よく使うものほど手前に

「よく使うものほど手前に」というのも、当たり前のことです。

しょっちゅう使うものが高い位置や低い位置、奥などにあったら、取り出すのに面倒で仕方がありません。

 

⑧床に直置きしない

最後の、「床に直置きしない」というのは、特に製品や商品などに言えることです。

在庫が多くなって棚などに置き切れない場合、どうしても床に直置きしてしまいます。

でも、床に直置きすると、汚れますし、扱いが乱暴になります。

だから、せめてパレットなどをかませましょう。

一番のお勧めは、キャスター付の台車に載せることです。

こうすると、移動ができるので、出し入れが楽ですし、掃きそうじも楽にできます。

 

⑨定量化で在庫管理を

整頓で威力を発揮するのは、事務用品や備品の在庫管理です。

特に、定量化することで、重複や機会損失を防ぐことができます。

たとえば、これはある会社の事例ですが、封筒やクリアファイルなどを定量化しています。

事務用品の在庫の定量化事例

残り10枚になったら、このように発注を呼びかけるシートが出てきます。

ここで発注しておけば、いざというときに、まったく在庫がない、という事態を防ぐことができます。

常に一定量がストックしてあるのです。

さらにこの会社では、品番や発注先も明記してあるので、事務担当でなくとも、誰でも発注ができるようになっています。

加えて、それぞれの単価も「1枚○○円」と明記されています。

値段を意識することで、一つひとつの物を大切に使うマインドを育てるのが目的です。

このように、整頓を徹底することで、「誰かが分かる」ではなく「誰でも分かる」仕組みを作ることができます。

また、「自分には責任はない」「誰かがやってくれるだろう」ではなく、誰もが主体的に動けるように仕向ける仕組みを作ることもできるのです。

 

⑩キャビネの扉を取り外す

「整頓のコツ」には含めなかったのですが、「オープンにする」というのも、大事な視点です。

たとえば、キャビネ(整頓棚)の扉についてです。

ある会社では、当初、写真のようにキャビネに扉がついていました。

扉がついたキャビネ

扉がついていると、一見、キレイに見えます。

しかし、扉を開けてみると、中身はグチャグチャということがよくあります。

外から見えないために、油断してしまうのですね。

また、何でもかんでも詰め込んで、扉を閉めてしまえば外から見えないため、安心してしまう、という面もあります。

そこで、そうしたことを改善するために、思い切って扉を取り外してしまいました。

扉を取り払ったキャビネ

取り外した当初は、中身はグチャグチャでした。

しかし、外から丸見えです。

見られると、とても恥ずかしいわけです。

ですから、見られてもいいように、整理と整頓を何回か繰り返していきました。

結果、今では、素晴らしく整った状態になっています。

こうして整うと、逆に、人に見せたくなります。

よく、ボディビルダーの人が、意味もなく上着を脱いで裸になったりしますよね(笑)。

それと同じです。中身に自信があると、それを自慢したくなるのです。

ただし、扉を取り外すというのは、けっこうな荒療治です。

だから、抵抗もあります。

この会社では、一番抵抗していたのが、社長さんでした。

面白かったのは、扉を取り外して数か月たったころ、私が同社を訪問したところ、取り外したはずの扉がなぜかついているのです。

私「あれ?扉、取り外しましたよね?」

社長「すみません。ちょっと恥ずかしくなって・・・」(笑)

こんなリバウンドもありましたが、その後また扉を取り外し、完全に処分しましたので、今ではすっかり定着しています。

それ以外にも、扉がついていることのデメリットがあります。

まず、扉が閉めてあると、どこに何があるのかが分かりません。

また、取り出すときに、「扉を開けて」、物を取り出し、「扉を閉める」という余計なアクションが入ります。

扉があると、いってみれば「わかる人にしかわからない」という世界になりがちです。

でも、扉を取り外してオープンにすると、「誰でもわかる」世界になります。

 

⑪まとめ

整頓の目的および最終目標は、「誰でもわかる環境をつくる」ということです。

だから、整頓をどんどん推し進めていけば、「今日入った新人でも、どこに何があるかわかる状態」になっていくはずです。

そうなれば、職場の風通しが良くなり、働きやすくなることは間違いありません。

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