2020年06月15日
トップの強いリーダーシップが会社を変える!【そうじの力で組織風土改革】
本日は、岐阜県の鋳造メーカー、(株)マツバラの「そうじの力」コンサルティング日。
武漢コロナウィルスによる外出自粛で、2か月ぶりの訪問となりました。
同社も、コロナの影響を受けて、受注が減っています。
しかし、このピンチをチャンスに変えるべく、動き出しました。
ここ数年は、非常に受注が順調で忙しく、工場を停められない状態が続いていました。
それがために、そうじが行き届いていない面があったのも事実です。
このコロナ禍で、受注が減ったことで、かえって、月に1回は調整日として工場を停められる日を確保することができるようになりました。
そこで、これまで忙しくて手が回らなかった部分について、力を入れてそうじをしていこう、ということになりました。
合わせて、今期は、毎回の工場巡回に、社長が帯同してくれることになりました。
これまでは、副社長が帯同してくれていました。
別に、副社長ではダメだ、ということではありません。
副社長も、毎回、的確な対応を取っていただいております。
でも、やはりトップの重みというのは、別格なのです。
本日も、そうしたことが、随所に見えました。
今回、工場を回る中で、工場内に「掲示板」が多すぎやしないだろうか?という問題が浮き上がりました。
いろいろなことを「見える化」しようという動機ではじまったこの掲示板ですが、実際に現場で働く人たちが、ここに掲げられた情報を、どのくらい見ているか、となると、疑問符がつくわけです。
そこで松原史尚社長は、「掲示板は最小限にすること」「見ていないものがあれば、捨てること」という指示を出されました。
私が素晴らしいと感じたのは、松原社長の姿勢です。
もともとこれらの掲示板は、以前に、社長の指示により工場内に積極的に据え付けられたものです。
社長は、「以前は掲示板が好きだったが、今は気が変わった。スマン。掲示板がない方が見通しも良くなるので、できるだけなくそう」と呼びかけたのです。
自分の誤りを認め、謝罪し、新しい方針を明示する。
これって、まさに社長の重要な仕事です。
こんなふうにして工場内を歩いていくので、改革の方針が、どんどん下されていきます。
現場の社員たちにとって、社長からの明確な指示は、とてもありがたいこと。
なぜって、指示が明確ならば、仕事もしやすいからです。
また、こんなシーンもありました。
製品を出荷する前に、錆を防ぐために防錆油を噴霧します。
その噴霧器の周辺は、どうしても油で汚れてしまいます。
床面にこびりついた油分を、現場の社員たちがケレンでこそぎ落としていました。
それを見ていた松原社長は、たまらず自らケレンを持ち、油をこそぎ落しはじめたのです。
社長自らが作業するのですから、現場の社員たちも、手を抜くことはできません。
全員、汗びっしょりになりがら、作業にいそしみます。
しばらく作業していた社長は、「一度こうしてキレイにした後は、こまめに掃除をして維持するように」との指示を出されました。
こびりついた油分をこそげ落とすのは、大変な重労働です。
やってみれば、わかります。
だから、毎回こんなことをしていてはダメ。
こびりつかないように、普段からこまめに掃除をしなさい、ということです。
こうした指示も、社長が現場で直接出すと、やっぱり重みが違うのです。
そんなこんなで、今期の(株)マツバラは、そうじの活動が、グッと加速しそうな予感がします。