2020年09月03日
いったん全部出すことは、仕事の見直しにつながる【そうじの力で組織風土改革】
本日は、東京都中野区の(株)小河原建設の「そうじの力」コンサルティング日。
同社は、「東京一キレイな現場」を目指して環境整備に取り組んでおり、実際、現場は「素足で歩ける」状態になっています。
私が同社のお手伝いを始めたのは、今から約10年前。
当初は、事務所も現場も課題だらけでしたが、この10年の間に、文字通り東京一の環境整備優良企業になりました。
最近は、新しい人が増えたこともあり、再び、毎月訪問して、研修を行っています。
新たに社員になった人たちに対して、まず、なぜ環境整備が必要なのか、事例を用いて説明します。
簡単に言えば、「キレイな会社は業績が良い」「汚い会社は業績が悪い」という話です。
でも、そうしたことは、いくら「頭」で分かっていても、「肚落ち」しなければ、何の意味もありません。
そこで、私の研修では、毎回必ず「実習」を行い、環境整備を体験してもらい、その意義を「実感」してもらうことにしています。
今回の実習テーマは、「車両のそうじ」。
車両のそうじというと、すぐに思い浮かぶのは、ボディの洗車です。
しかし、洗車の前に、もっと大事なことをやらなければなりません。
それが、「車内の整理・整頓」です。
特に、現場監督の乗る車は、道具や資材が載っているため、しっちゃかめっちゃかになりがちです。
それゆえ、やってもらったのは、中身を「いったん全部出」して、不要なものを捨て、必要なものは分かりやすく収める、ということ。
中には、大量の道具や資材が載っており、それらの整理・整頓だけで時間いっぱいとなり、洗車まで進めなかった車もあります。
でも、それでいいのです。
中身をいったん全部出すと、ありのままの現状が見えます。
不要なものが大量にあることに気づきます。
探していたものが、思わぬところから出てくることもあります。
ゴミがたくさん溜まっていることにも気づきます。
それを通じて、「この道具はよく使うから、もっと取り出しやすい位置に収めよう」とか、「この資材は重複して注文したりしているので、今後、そのようなことがないようにしよう」「もう少し道具を丁寧に使おう」などという反省をすることになります。
この「反省」がとても大事です。
普段の仕事の中では、具体的なミスやクレームといったことがない限り、あまり「反省」することはありません。
でもこうして、中身をいったん全部出して整理・整頓することで、いろいろな「反省ネタ」に遭遇でき、自分の仕事のやり方を見直すことができるのです。
研修に最後には、皆さんで気づいたことシェアしてもらいました。
皆さん、それぞれの「反省の弁」を語ってくれました。
具体的なミスやクレームを伴わない「反省」は、実はとても気持ちの良いものなのです。
「車のそうじ」について、Youtubeチャンネルで技術的な解説をしていますので、こちらも併せてご覧ください。