2021年01月07日
昨日よりも今日、今日よりも明日と進歩していく【そうじの力で組織風土改革】
本日は、福井県鯖江市の有限会社ファインの「そうじの力」コンサルティング日。
メガネフレームやライターなどにおしゃれなデザインを印刷する、特殊印刷の会社です。
印刷会社だけに、当初は、床と言い壁と言い機械と言い、インクまみれで、それが当たり前の状態でした。
「そうじの力」を導入して9年が経った今、工場内にインク汚れは皆無です。
床面は、舐められるくらいにピカピカです。
設備や道具は、細かく定位置化され、誰が見ても、どこに何がどのくらいあるか一目見てわかるようになっています。
ここまでのレベルになると、もうやることがなくなり、マンネリ化して、活動が停滞してしまうのではないか、と危惧されるところですが、同社にその心配はなさそうです。
このコロナ禍で、私の環境整備研修も久しぶりの開催となりました。
約1年ぶりに訪れた同社は、相変わらずキレイで整っているだけでなく、さまざまな面で、以前よりも進歩しているのが目に見えて、とても嬉しく思いました。
たとえば、工場の玄関口。
雪国のため、冬季は消雪パイプからの温水が路面に散布されます。
すると、水の中の鉄分なのでしょう、路面が赤茶けてしまうのです。
以前から、この赤茶けた鉄分を、どうにか取れないか、と話していました。
今回見てみると、路面の一部が明らかに他の部分と違い、キレイになっているではありませんか。
聞いてみると、鉄分専用の洗剤を使って落としたり、アスファルトを黒く塗るスプレーを使うなど、試行錯誤しながら、徐々にキレイにしていっているのだとか。
きっと、大変な労力を要したことでしょう。頭が下がります。
そして、研修室の床面。
ここは、これまでに、壁紙を貼り替えたり、床面を塗り替えたり、いろいろと手を入れてきたところです。
今回は、グレーだった床面を、ライトグリーンに塗り替えている最中でした。
社員さんたちの、「もっと明るい空間にしたい」という提案を取り入れて、この色に塗り替えることにしたそうです。
「やるからには楽しく」をモットーとする、同社らしい取り組みです。
また、インクを調色する際に使う溶剤から床面を保護するために、以前は調色室にビニールマットを敷いていたのですが、より耐久性があり、見栄えも良いPP製の硬質ボードに変えられていました。
これによって、耐久性と見栄えが良くなっただけでなく、作業性や安全性も良くなったことが伺えます。
ではなぜ、同社が、高いレベルにある現状に満足せず、昨日よりも今日、今日よりも明日と、進歩しつづけているのでしょうか?
それはひとえに、日々の活動を愚直に続けている結果だ、としか言いようがありません。
同社では、毎日30分間のそうじをしてから朝礼を行っています。
朝礼においては、その日のそうじで気づいたことを発表し合って、気づきを共有しています。
週に1回は、工場の床面全体を全員で雑巾がけしています。
また、毎週1回1時間、大掛かりな改善活動を行っています。
道具の定位置化や、壁や床面の塗り直し、レイアウト変更などです。
さらに、月に1回「班長チェック」が行われます。
これは輪番で任命された班長2人が、会社内を歩いて見て回り、改善が必要な点を指摘し、より良くするためのアイデアを提案する場です。
こうした取り組みを、この9年間、ずっと続けてきました。
そしてもちろん、このコロナ禍の中でも、休むことなく続けてきました。
そのおかげで、同社の団結力は半端ではありません。
工夫や改善の能力も優れているので、利益率も高いということです。
「小さくても誇れる会社」のお手本が、ここ鯖江にあります。