2021年02月04日
扉をなくせば、会社は良くなる!【そうじの力で組織風土改革】
書類や事務用品、工具などを棚に収納するとき、うまく整頓するコツのひとつが、「扉をなくす」ということです。
扉をなくすことで、生産性や快適性が上がるだけでなく、組織風土も良くなります。
今回は、なぜ扉をなくすと、会社が良くなるのかについて、解説します。
目次
扉があると中身が乱れ、扉がないと中身が整う。
扉があると、一見、スマートに見えます。
しかし、扉で中身が隠されているために、つい油断してしまって、中身が乱れてしまう、ということが往々にして起こります。
それを防ぐために、思い切って、扉を取り払ってしまおう、ということなのです。
たとえば、このキャビネ。
当初はこのように、扉がついていました。
木目調なので、一見、スマートに見えます。
しかし、扉を開けてみると、中身がぐちゃぐちゃという問題がありました。
そこで、ある時、思い切って、すべての扉を取り払ってしまいました。
こんな感じです。
この会社は、建築系の会社で、ここは業者さんも通るところ。
だから、外部の人にも見えてしまうのです。
中身がぐちゃぐちゃでは恥ずかしいので、見られても恥ずかしくないように、整理・整頓していきました。
その結果、今ではこんな風に整っています。
常に露わになっているので、気が抜けません。
常に整えようという意識が湧きます。
だから、放っておいても、乱れることがないのです。
扉があると、どこに何があるか分からないが、扉がないとどこに何があるか一目でわかる。
実は、扉があることのデメリットは、他にもあります。
扉で隠されているために、中身が見えず、「どこに何があるか」が、パッと見て分からないのです。
もちろん、扉に表示をするとか、地図を貼りつけるとか、方法はあります。
それでも、パッと見て「どこに何があるか」がわかる、というわけにはいきません。
扉があるとロスが多いが、扉がないとロスがない。
さらに、何かを取り出すときに、いちいち扉を開け閉めする、というロスが生じます。
しまうときにも同様のロスが生じるわけですから、積もり積もれば、相当なロスになります。
たとえば、このキャビネ。
一見するとスマートに見えますが、この状態では、どこに何があるか、さっぱり分かりませんね。
もっとも、ベテランの人はわかるのかもしれませんが、慣れていない人にはわかりません。
「わかる人にだけわかる」というのは、とても不親切なシステムです。
「そうじの力」が目指すのは、「人にやさしい」システム。
すなわち、「今日入った新人でも、どこに何があるか、一目でわかる」状態にすることです。
このキャビネは、今ではこんなふうになっています。
これならば、まさに新人でもわかりそうですね。
しかも、扉を開け閉めするロスもありません。
この会社では、より分かりやすく、より見栄えよくするために、こうしてカラーリングを施して、整えています。
何より、このような状態にしておくと、ここで働く人たちが快適ですね。
まとめ
以上をまとめると、
扉があることのデメリット
①中身が隠れているため、乱れやすい。
②どこに何があるか分からない。
③扉を開け閉めするロスが発生する。
扉がないことのメリット
①中身が露わなので、整える意識が湧く。
②どこに何があるか、一目でわかる。
③ロスなく、出し入れできる。
ということになります。
やはり、「オープンにする」ということが、重要な原則なのです。
こういう取り組みをしようとすると、必ず、抵抗が起きます。
何かを隠したい、という気持ちが、抵抗させるのでしょう。
でも、何もやましいことがなければ、露わにして問題ないはずです。
取り組みを進めていくうちに、徐々に抵抗は薄れてきます。
もし、あまりに理不尽に抵抗する人がいる場合には、ひょっとすると、何かその人にはやましいところがあるのかもしれません(笑)。
物理的な壁(扉)を取り払うことは、心理的な壁を取り払うことにつながります。
オープンな環境を作るということは、言ってみれば、オープンな組織風土を作る、ということなのです。