2017年02月09日

社員のモチベーションを左右する!委員会名の大切さ【そうじの力で組織風土改革】

環境整備に取り組むとき、委員会やプロジェクトチームを結成することは多いでしょう。

弊社支援先でも、社員数が10名を超える時などは、委員会が結成されることが多いです。

委員会名は、会社によってさまざま。

でも、実はこの「委員会名」、活動を進めるにあたり非常に大切な役割を持っているのです。

 

こんにちは。

そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社 株式会社そうじの力

代表取締役・組織変革プロデューサーの小早祥一郎です。

 

委員会の名称を変える

 

本日は、埼玉県深谷市で、農業用資材の小売店と農産物直売所を運営する(株)小池勝次郎商店の環境整備「そうじの力」支援日。

環境美化委員会が主導して、全員で事務所、倉庫、店舗、敷地内外の整理・整頓・清掃を少しずつ進めています。

今回は、私からある投げかけをしました。

それは、この委員会の「名前」について。

 

委員会メンバーで、あらためてこの”そうじ”の活動の、目的や目標を確認しました。

 

・決して表面の見た目をキレイにする「美化活動」ではない、ということ。

・整理、整頓、清掃という活動を通じて、「気づき」を高め、「行動力」を培い、「コミュニケーション」を養い、「チームワーク」を育て、「社風」を良くすることが目的だということ。

 

ミーティングの結果、委員会の名称を、今までの「環境美化委員会」から「環境整備委員会」に変更しました。

 

 

名前の重要性

 

名前、名称、ネーミングというのは、思っている以上に大切なものです。

・環境美化

・環境整備

この2つを比べてみると、イメージできるものが随分違ってきます。

 

「美化」とは、「美しく変化させる」こと。

周辺のゴミ拾いや、除草など、主に「清掃」をイメージさせる言葉です。

「整備」とは、「すぐ役立てられるように準備を整える」こと。

不要なものをなくし、必要なものを管理し、スタンバイ状態にしておくなど、主に「整理・整頓」をイメージさせる言葉です。

 

もし「環境美化委員会」という名前のままであったとしたら。

いくら活動の目的を委員会で毎回確認しても、社員の日々の活動内容は「清掃」がメインのものになりがちになるでしょう。

(整理整頓より、清掃の方が「ラク」ですからね。これについては後述します

 

また、委員会メンバー以外の人が耳にしたときに、どのような印象を抱くでしょうか。

 

「環境美化委員会」は、「会社のイメージアップを図る活動をしているんだな」と思われるかもしれません。

「環境整備委員会」は、どういうことをしているかの細微までは伝わらなくても、「何かしらのしくみの見直しを行っているのかな」とイメージしてもらえるのではないでしょうか。

 

商品開発では、ネーミングがその後の売れ行きを決めるといいます。

委員会やプロジェクトなどの名称は、チームメンバーのモチベーションに関わってきます。

 

 

整理・整頓より、清掃の方がラク?

 

先ほど、「整理・整頓より、清掃の方がラク」と書きました。

これの意味するところは2つあります。

 

①清掃は「痛み」「待つ苦痛」を伴わない

例えばゴミ拾い(=清掃)で拾う「ゴミ」。

これは、飴の包み紙やタバコの吸い殻など、明らかに「ゴミ」であるものです。

これを拾ってゴミ箱に捨てるのに、誰かに許可を取る必要はありません。

一方、社内にある「自分は絶対に必要ないと思っているけれども、処分するのに誰に聞いたらいいのかわからないもの」を処分しようとする場合。(=整理)

その権限を持つ人を社内中調査して特定し、当人から、場合によってはその上司から許可を取る必要があります。

手間も時間もかかります。

許可をとって処分した後になって「そういえばアレはどこにやったんだ」と言われた日には、たまったものではありません。

整理には苦痛が伴います。清掃には伴いません。

 

②清掃はすぐに感謝してもらえる。整理はそうとは限らない。

清掃をしていると、「ありがとうございます」「ご苦労様です」と労いの言葉をかけてもらえることが多いでしょう。

これはやりがいに繋がり、とても嬉しいことです。

でも整理は、上の例のように「責任を取らされるリスク」をとらなければ進まないものです。

ゆくゆくは、「あの時、整理整頓しておいてよかったね」と言ってもらえるかもしれません。

でも、今すぐに「処分してくれてありがとう」とはなりにくいでしょう。

そもそも、放置されていたものなのですから。

 

 

委員会活動をしてまでやりたいのは、「改善」か?「変革」か?

 

あなたの会社で委員会を作り、「5S」や「そうじ」に取り組むのは何のためでしょう。

 

既存のやり方や会社の現状をベースに、工夫を加えていく、「痛みのない改善」か。

会社の現状をしっかりと見、既存のやり方を見直して、新たな価値を作り出す「変革」か。

 

前者であれば、社長の参加は不要でしょう。

後者であれば、これは経営改革。社長の力は必須です。

 

名前は、「社長のやりたいこと」を社員に伝える大切な役目を持っています。

活動名、プロジェクト名、この機会に見直してみてはいかがでしょうか?

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