2017年05月09日

「人を幸せにする」という言葉の違和感の解消

少し前まで「社員を幸せにしたい」という社長さん方の言葉に、違和感を抱いていました。

「業界の中でも高い給与水準を目指す」

「休日を増やす、休みを取りやすくする」

「公正な人事評価制度をつくる」…

どれも確かにとても有り難いことではあるのですが、それが自分自身が「幸せ」と感じることにイコールで結びつかなかったからです。

 

しかし最近、その言葉の意味として、

「幸せと感じている社員を増やしたい」ということを表現しているのではないか?

と考えるとしっくり来るようになりました。

 

「幸せ」の因子

慶應義塾大学大学院の前野隆司教授によると、人が「幸福だ」と感じるには4つの因子があるそうです。

第一因子 自己実現と成長(やってみよう因子):目標を達成したり、目指すべき目標を持ち、学習・成長していること

第二因子 つながりと感謝(ありがとう因子):多様な他者とのつながりを持ち、他人に感謝する傾向、他人に親切にする傾向が強いこと

第三因子 前向きと楽観(なんとかなる因子):ポジティブ・前向きに物事を捉え、細かいことを気にしない傾向が強いこと

第四因子 独立とマイペース(あなたらしく因子):自分の考えが明確で、人の目を気にしない傾向が強いこと

4因子をまとめると、幸せな人とは、「多様な者が助け合い尊敬し合い(第2因子)、前向きかつ楽観的に(第3因子)、自分らしく(第4因子)、それぞれの夢や目的を目指し、解決していく(第1因子)」ような生き方をしている人だということができます。

幸福学と教育

また、前野教授は

「地位財(金、モノ、地位のように周囲との比較により満足を得るモノやコト)による幸福は長続きしない幸福であるのに対し、非地位財(自主性、自由、愛情など、他人との比較とは関係なく幸せが得られるモノやコト)は長続きする幸福である

と述べています。

 

「幸せにしたい」のか、「幸せだと感じるようになってほしい」のか

「社員を幸せにしたい」という言葉から、私がメッセージとして受け取っていたのは、「地位財による幸福を与えます」でした。

この言葉の先には、あまり良い言葉が続く気がしません。

うまくいかなくなってしまったとき、「あんなに良くしてあげたのに」「あなたのためを思ってやったのに」という言葉が続くように思います。

 

「幸せと感じている社員を増やしたい」という言葉から受け取るものは、「非地位財を受け取ってもらえるよう努力します」というメッセージです。

失敗したり、怪我したりしながら成長していく子供を見守る、親のようなイメージが浮かびます。

 

「幸せ」は与えてもらうものではなく、既に有るものや自分が選び取ってきたことに気づくことだと思います。

私には「人を幸せにする」ことは難しいですが、「関わってくださった人が”幸せだ”と感じる要因のひとかけら」になれたら嬉しいです。

 

会社のそうじも、この4つの因子が働く活動になったら素敵だなぁと思います(^u^)。

 

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