「そうじの力」ですべてを秩序づけていく!株式会社小池勝次郎商店(埼玉県 小売業)

埼玉県深谷市に本拠を置き、農業用資材小売店と農産物直売所を経営する(株)小池勝次郎商店。

1年余り前から「そうじの力」の取り組みが始まっています。

業界の体質なのかも知れませんが、当初は店舗内外、倉庫、事務所ともに、かなり乱れている状態でした。

象徴的だったのが、倉庫代わりに使っていた、裏のビニールハウス2棟です。

昨年2月の豪雪により、雪の重みで天井部分がひしゃげてしまいました。

中に入っているものを確認してみると、消費期限の切れた除草剤、劣化して割れてしまったプラスチック製品、仕入れすぎて大量に積み上げられた製品在庫、などなど・・・。

これらを整理していきました。

売り物にならないものは廃棄し、売れるものは店頭に出しました。

その結果、倉庫内にはモノがなくなり、ビニールハウス2棟は取り壊すことに。

こうしてできたスペースに、新たなビニールハウスを建てて、そこに野菜の苗の育成場を設けました。

これまでは、店舗の脇に苗の育成場があったのですが、手狭で困っていたところです。

 

効果は、スペースを有効活用できたことだけではありません。

社員全員が、「適正な在庫」というものを強く意識するようになりました

店舗の奥にも倉庫があるのですが、当初はやはり、ほとんど売れる見込みのない製品在庫や、メーカーから送られてきてそのまま有効活用されていない景品などが積みあがっていました。

これらを整理する中で、「使えるものは有効活用し、使わないものは最初から手に入れない」という意識が徐々に根付いてきたように思います。

小池博社長によれば、以前に比べて在庫の棚卸金額が700万円ほども削減できたそうです。

 

もうひとつの象徴的な出来事は、外回りの営業部隊の拠点である「中事務所」の改革です。

当初は、書類がうず高く積み上げられていました。壁にはペタペタと無数の貼紙・・・。

ただでさえ狭い事務所が、余計に狭く感じられます。

「まずは机上ゼロにしましょう」と呼びかけてから、実際に机上ゼロになるまでに数か月。

難産でしたが、机の上と壁がクリアになりました。

ここまで出来たのだから、思い切ってフリーアドレスにしてみてはいかが?と提案してみました。

個々人のデスクを固定化せず、共用のテーブルで仕事をするシステムのことです。

ここでも小さな抵抗はありましたが、やってみると、「お互いの顔が見えて、話がしやすくなりました」という感想が。

整理は、スペースの有効活用だけでなく、コミュニケーションの活性化にも寄与しているようです。

 

 

同社の特長は、トップである小池博社長の明るさと勉強熱心さです。

毎回、私たちが訪問して指導する場面にも、笑いが溢れています。

朝礼にも熱心に取り組んでいます。

外部の自己啓発研修にも、社長を先頭に、社員たちが参加しています。

しかし、私が気になったのは、「先約優先」が守られていないこと。

たとえば、私たちの訪問があらかじめ予定されているにも関わらず、その日にお客様とのアポイントを入れてしまう営業マンがけっこういたのです。

事の大小に関わらず、先に交わした約束を優先するのが「先約優先」です。

こうしたことの乱れは、職場環境の乱れにつながっていきます。

逆に考えれば、職場環境を整えることを通して、「先約優先」「けじめ」「秩序」を大切にする風土を培っていけるということです。

 

店舗の入口に、当初はたくさんの幟(のぼり)が下がっていました。賑やかしとしては悪いことではありません。

しかし、よく見ると、ほとんどの幟が千切れたり色褪せたりしていて、みっともないのです。

(現在は撤去済)

そうじを通じて、こうしたことに「気づく」感性を養い、身の回りを秩序づけていく。

秩序というベースを基に、明るさや勉強熱心さが花開けば、もっともっと素晴らしい会社になっていくことでしょう。

 

小池博社長のインタビュー記事はこちら

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