【失敗事例その2】 社長はやる気だが、会長と奥様が乗り気でなかったケース

地方の建設業のY社。

40歳代の社長と、創業者である会長(社長の父親)、そして社長の奥様。

社員も含めると、総勢10名ほどの会社です。

 

Y社長は、自他ともに認める、片づけが苦手なタイプ。

デスクの上は、書類が山積み、書棚にも書籍や書類が溢れかえっています。

どうにかこの苦手な片づけを克服したいと、弊社にオファーをいただきました。

まずは、社長自身の苦手意識をどうにかしなければいけないので、他の社員を巻き込むのは後回しにして、当面は、社長の個人レッスンを行うことになりました。

 

行うことは、不要なものをひたすらに「捨てる」ことです。

社長のデスクには、いったいいつの案件か分からないような図面や、とっくの昔にボツになった見積書などが山積みになっていました。

また書棚には、定期購読している新聞や業界誌が、ずらりと並んで、収まりきらずにあちこちに散乱しています。

それも、おそらくあまり見ていないだろう、というものです。

私は、「過去12か月間に見ていない書類は無条件で捨てましょう」とアドバイスし、どんどん捨てていってもらいました。

時には、私の目から見ると明らかに捨てるべき書類を、社長が取っておこうとするので、「ちょっと待ってください。この書類、本当に使いますか?」と詰め寄って、捨ててもらったこともあります。

そんなやり取りを横目で見ている奥様が、ときどき、「あんたねえ、人の言うことをホイホイ聞いてりゃいいってもんじゃないでしょ」「あんたにはプライドってものがないのかね」と、独り言のようにつぶやくのが気になっていました。

それでも社長は熱心に取り組んでくれました。

モノを捨てるのが苦手な人が、私のキツイ言葉に従ってモノを捨てるのは、断腸の思いだったことと思います。

おかげで、社長のデスクの上はスッキリとモノが少なくなりました。

ずっと取ってあった新聞や雑誌のバックナンバーも、直近1年間のものだけ残して、あとはすべて捨てていただきました。

書棚も、スカスカになってきました。

こうして、社長の周囲がどうにか片づき、いよいよこれから、他の社員さんたちも巻き込んで、本格的に活動をはじめよう、というタイミングで、社長から、契約解除のお申し出があったのです。

 

聞けば、会長と奥様が、継続することに難色を示している、とのこと。

やはり奥様は、相当に嫌がっていたようで、家庭内でも、チクチクと文句を言われるのだそうです。

また、会長は、我われの目の前では何も言いませんでしたが、モノを捨てることに対して、嫌悪感を抱いていたらしく、社長に罵声を浴びせたりして、大ゲンカになったそうです。

社長としては、できればこのまま続けたいという気持ちのようですが、父親と奥様が頑強に反対する状況では、続けるのは難しい、という判断でした。

 

社長の身近な人が反対し、それを押し切る気力と信念が社長になければ、そうじの取り組みは成功しません。