「そうじの力」で表彰された!後藤設備工業株式会社(香川県 設備工事業)
香川県高松市に本社を置く後藤設備工業(株)は、創業70年を超える老舗の設備屋さんです。
ここで約半年前から、「そうじの力」プロジェクトがスタートしました。
歴史のある会社だけあって、当初はありとあらゆるモノがそこここに溢れていました。
デスクの上は書類が山と積まれ、書庫は図面が乱雑に積み上げられ、倉庫には商品や備品、工具、機材などが溢れていました。
まずはセオリー通りに、「整理=捨てる」から始めました。
倉庫に置いてある設備機器の中には、まだ段ボールの封を開けていないもの、つまり新品も含まれていました。
しかし、中身をよく検証してみると、型落ちのためいまや商品価値のないものや、特注品のため他の現場では使えないものなどがたくさんありました。
「もったいないから」といって取っておくと、いつまでたっても前に進みません。
使う見込みのないものは、思い切って処分してもらいました。
金額にして、300万円~500万円ほども処分したと言います。
一時的には損失が出たわけですが、おかげでモノが少なくなり、スペースが広がり、グッとそうじがしやすくなりました。
取り組み前の倉庫 現在の倉庫
設備屋でやっかいなのは、図面です。
「図面は設備屋の命」だということで、これだけは永久保存とし、他の書類は捨てました。
全員で図面を仕分けする
ところが、その図面も、背表紙がついていなかったり、外から見ただけでは中身が分からなかったりするものが多いのです。
そこで、すべての図面に背表紙をつけ、中身が分かるように明記しました。
また、これらの情報をパソコンに入力し、データベースとして使えるようにしました。
この作業が、実は大変に面倒な作業で、社長や専務をはじめ、全社員で分担して三か月ほどもかかりました。
あまりに時間がかかるので、私から「後回しにして、他の作業をやりますか?」と投げかけてみたのですが、「いや、今やらなければ、きっと永遠にやらないだろう」ということで意見が一致し、ついにやり遂げたのです。
今後の検索は、格段に効率が良くなるはずです。
取り組み前の図面室 現在の図面室
その他、事務所内のデスクの中身の整理・整頓、車両の中身の整理・整頓の実習なども行っていきます。
同社の活動の特徴のひとつは、若手を中心にプロジェクトメンバーを選任したことです。
若手の成長の機会ととらえて、あえてそうしました。
総リーダーの佐野さんは、まだ入社5年目であり、荷が重いと思います。
しょっちゅう、「○○がうまくいかない。どうしたらいいだろう」と悩んでいますが、こうして悩むこと自体が、大変に良い経験なのです。
周りのベテラン陣も、暖かく応援してくれています。
委員会ミーティング
同社には、お隣の愛媛県に松山支店があります。
松山支店のリーダーは、何と入社一年目(当時)の山本さん。
周りは全員が先輩という環境の中で、実によく頑張ってくれています。
プロジェクトミーティングでの決定事項や私からのアドバイスを忠実に支店に持ち帰って先輩たちに伝えてくれています。
たとえば、デスクの上にはパソコンと電話以外、何も置かない「机上ゼロ」。
社内で決まったことだとはいえ、先輩に対して、「何も置かないでください」と言うのは気が引けるものです。
ところが山本さんは臆しません。おかげで、松山支店は予想以上に取り組みが進んでいるようです。
同社のもうひとつの特長は、社長や専務が、社員と一緒になって、そうじに取り組んでいることです。
社長や専務のデスクや車をみんなでキレイにすることを通じて、お互いの距離がグッと縮まります。冗談が飛び交います。
社長(右)と社員が一緒にそうじをする
現場優先の設備屋ゆえに、なかなか全員が揃わないといった難しさはありますが、着実に進んでいます。
整頓されたホワイトボードマーカー
社長や専務も、「『そうじの力』が始まって、間違いなく社内の雰囲気が変わった」と言っています。
そうそう、この「そうじの力」で嬉しい知らせが入りました。
現場に常駐している同社の社員さんが、元請さんから、「そうじをしてくれて感謝してます」という旨の感謝状を受け取ったというのです。
表彰状
そもそも設備屋である以上、現場の環境整備は究極的に目指すことでした。それが今、実りつつあります。
同社の内外からの信頼は、どんどん高まっていくでしょう。
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