【第143号】新社屋への移転に向けた社内整備の基盤づくり!|後藤設備工業(株)
支援事例紹介新社屋への移転に向けた社内整備の基盤づくり!~後藤設備工業(株)「そうじの力」~香川県高松市に本社を置き、愛媛県松山市にも支店を持つ、後藤設備工業(株)。創業七六年の歴史を持つ、老舗の設備業者です。約二年半前から、弊社がお手伝いしての「そうじの力」の取り組みが行われています。伊藤雅也社長以下、全員参加で整理・整頓・清掃に取り組んでいます。二年間の活動によって、当初はモノで溢れかえり、ゴチャゴチャだった社内は、見違えるほどにキレイに整いました。社員の意識も、当初から比べると、ずいぶん積極的・前向きに変わったように感じます。そして、老朽化した本社の社屋を解体して新築するために、この二月にいったん仮事務所に引っ越しをしました。今年十一月の新社屋完成まで、この仮事務所での執務が続きます。四月十五日、私は仮事務所に初めて足を運びました。びっくりしました。とてもキレイに整っているのです。この引っ越しを機に、デスクはフリーアドレス化されました。フリーアドレスとは、各自の座る場所を決めずに、誰がどこに座っても良いレイアウト形式です。このフリーアドレス化の前提になるのが、徹底した整理・整頓です。解体前の本社において、整理・整頓に取り組んでいたからこそ、仮事務所でのフリーアドレスが可能になったのでしょう。ほほえましいのは、社長専用のデスクもなく、伊藤社長ご自身も空いている席に座っていること。こうした環境は、社内の風通しを良くするはずです。フリーアドレスの良いところは、みんなが共通して使う形式のため、環境が乱れにくいということです。自分専用のデスクがあると、どうしてもそこが「聖域」になってしまい、場が乱れがちです。こうしてフリーアドレスが定着すれば、新社屋に移ってからも、整った状態が維持できるでしょう。もちろんそれ以外にも、仮事務所内にいろいろな工夫が施されています。事務所内のいたるところに、定位置化の工夫がなされています。文房具などは、小分けに収納できるボックスを使って、整然と収められています。「くり抜き」で整えられているところもあります。美しいですね。さて、私が訪問した日は、ちょうど定期的に行っている周辺地域清掃の日でした。事務所の周辺を、「草むしり班」と「どぶさらい班」に分け、さらに、「解体工事が終わった元の事務所周辺の清掃班」を加えた三班での活動です。みんな汗だくになりながら、一生懸命に作業を行っています。仕事をさせてもらっている地域社会への恩返し、という気持ちが現れています。もちろん、この周辺清掃には、伊藤社長も参加します。みんながワイのワイの言いながら行う周辺地域清掃は、社内のコミュニケーションの活性化に寄与するでしょう。同社では、「そうじの力プロジェクト」リーダーの佐野努さんが、しっかりと旗を振ってくれています。そしてリーダーの意を受けて、各グループが自主的に活動を進めています。同社における活動がこのようにうまくいっているのは、みなさんの目的意識のおかげでしょう。新社屋に移転した後に、整った環境を作るための、いわば〈予行演習〉をこの仮事務所で行っているわけです。キレイにすることが目的ではありません。キレイにすることが目的ならば、「どうせ仮事務所だから」と手を抜くかも知れません。どんな場においても、整った環境を作り、それを通じて良い会社を作っていく。その基盤づくりなのです。新社屋完成後の展開が楽しみです。 (小早)良い社風具現化プロデューサー大槻飛鳥のモノを活かす整頓のコツ~「目的」に沿った方法で名刺管理しよう!~日々溜まっていく名刺の管理、どうしていますか?今回は、私が実践している”ちょっと面倒くさい“整頓方法と、なぜその方法をとるようになったのかをレポートします。名刺管理のヒントになれば幸いです。【保管の目的は何か?】名刺を保管する目的は、人それぞれだと思います。私の保管の目的は、「2回目に会った時に、こちらから誠意をもって『先日はお世話になりました』を言うため」です。とにかく忘れっぽい私は、名刺を1枚パッと見ただけでは、相手のことをほとんど思い出すことができません。 ところが、日付や一緒にいた人たちなど、他の情報を一緒に閲覧できると、芋づる式に「顔」や「どんな話をしたか」などを思い出すことができます。そのため、・「できごと」別にカテゴライズできる・ いつでもどこでも名刺を閲覧できる以上2つを満たすことができる方法で整頓をしようと決めました。【Evernoteで「できごと」別に管理】Evernoteは、クラウドでメモを管理する、検索性に優れたアプリです。このアプリに、データを保存していくことにしました。①名刺をJPEG形式でスキャンするスキャナを使い、名刺を1枚ずつスキャンします。②Evernoteで「新規ノート」を開き、スキャンした名刺をコピー&ペースト同じ場で名刺交換した人は、すべて同じノートにて保管します。 名刺1枚1枚に対して、社名・名前の他に、「どんな話をした」など、記憶の引き出しになるキーワードをなるべく沢山記載します。③ノートのタイトルをつけるデータを入れたノートにタイトルをつけます。私は「名刺交換した会合名(日付)/名刺」というようにタイトルをつけています。【名刺を活かすために】この整頓方法は”ちょっと面倒くさい”のですが、おかげで挨拶を忘れずにしっかりできるようになりました。名刺を「とりあえずとっておく」「見栄え良くとっておく」のではなく、「何をしたいのか」という目的と、「何が大切なのか」という優先順位を定めてから、ツールを決めることで、名刺が活きると実感しています。目的に適った方法で、雑務だった名刺管理をぜひ“楽しいもの”に変化させていっていただければと思います。(大槻)「そうじの力」コラム2:6:2の法則~そうじの力で全体の底上げを~よく「2:6:2の法則」という言葉を聞きます。組織の中には、物事に前向きに積極的に取り組む人、優秀な人は2割いて、逆に消極的、否定的で劣等な人が2割、残りの6割はその中間もしくは日和見的である、という法則です。これはどんな組織にも当てはまる法則らしく、いろいろな経営者の方々のエピソードを聴いていても、必ずと言っていいほどに、耳にします。先日、先代から引き継いだ会社の経営改革を乗り越えた社長さんから、興味深いお話を伺いました。改革前の同社においては、一部の社員が工場の床に唾を吐くことが日常茶飯事だったそうです。改革をはじめた当時は、就業規則に「床に唾を吐いてはいけない」と明記したといいます。この、床に唾を吐くような問題社員が、まさに2割いたとのこと。さまざまな改革を経た今では、もちろん唾を吐く社員は一人もいません。話を伺っていても、同社が素晴らしい会社であることが伺えるお話でした。ところが、そういう素晴らしい会社においても、やはり2:6:2の法則は当てはまるのだそうです。床に唾を吐く社員はいないけれども、会社の取り組みに対して消極的、否定的な社員は、2割ほど存在すると。なるほど、そういうものなのか、と感心しましたが、考えてみれば、それは素晴らしいことではないか、と思えるのです。同社の事例で言えば、さまざまな改革の努力によって、全体のレベルの底上げが行われた、ということでしょう。現在でも2:6:2の法則が成り立つとはいえ、少なくとも床に唾を吐くような社員はいなくなったわけです。同社における下位の2割の社員の実力は、一般的な中小企業における普通レベルと同等かも知れませんし、ひょっとすると、劣悪な会社における優秀レベルに相当するかも知れません。私は朝、近所を散歩しながらゴミ拾いをしているのですが、時々、田んぼの中に大量のタバコの吸殻が打ち捨てられている場面に遭遇します。明らかに邪悪な人間が、意図して捨てているものです。もし、そういう人間と一緒にゴミ拾いをすることができれば、さすがにその人も事の意味を理解して、そのような行為はしなくなるでしょう。まあ、心底に邪悪な人間ならば、そもそもゴミ拾いには絶対に参加しないでしょうが…。少なくとも組織であれば、そのような人間は去っていくでしょう。いずれにしても、その組織において、大量のタバコの吸殻を意図して田んぼに打ち捨てる人がいなくなるわけです。こうした意味で、「そうじの力」には、組織の全体の底上げをする力があると考えます。足下に落ちているゴミを拾う、脱いだ靴を揃える、モノを散らかしたら片づける。そんな小さな行動の積み重ねが、強い組織を作っていくのでしょう。 (小早)良い社風具現化プロデューサー飯塚輝明の支援先ミニレポート「楽しさ」の裏には段取りが必要! (株)ラムシステム群馬県高崎市の(株)ラムシステム(電装設計・製作・施行)では、昨年の十一月から「そうじの力」の活動が始まりました。それからというもの「まずは不要なモノを捨てましょう!」ということで、ひたすら「捨てる」作業を積み重ねてきました。四ヶ月ほど経過して、ようやく主だったものを捨てきったということで、次にどんな事をしていきたいか、全員で会社内や工場内を巡りながら、現場で話し合いをしました。結果「レイアウトを変えたい!」ということになり、今まで手狭だと感じていた作業場を拡張することになりました。さっそくレイアウト図を作りはじめ、あれやこれや検討を重ねる中、Mさんから 「棚を背中合わせに配置するだけで、今までの半分のスペースで棚が配置できますよ。」との提案がでたそうです。そのアイデアによって、今までよりも倍近い作業スペースを確保できます。作業性の向上と、狭いエリアで起こりがちだった作業ミスの削減が、効果として大いに期待できるとのことでした。そして次の全体活動日。土曜日に参加できるメンバー(一〇名)で棚や作業台を移動して、工場内のレイアウトを変える作業をしました。この日までに現場の長の星野氏は、作業スケジュールを整え、事前の周知を行うなど準備をしっかりと整えました。当日の作業も一時間ごとに一〇分の休憩時間を確保し、それも作業前に伝達する念の入れようです。その上で、現場の意見を聞きながら作業が進行していきます。作業が始まってみると、さすがにモノ作りのプロの皆さんです。様々なアイデアが飛び出ては、すぐに色々な工具を使って現場合わせをしていきます。なんだか楽しそうだし、格好良かったです。作業後の皆様の感想は「やりたいと思っていた事が出来て大満足」「工場内が広くなったし明るくなった」「普段と違い、みんなで一緒に作業が出来たのが良かった」などでした。みんなで協力し合いながら雰囲気も良く、この日に予定していた作業目標はほぼ達成できました。イベントとしては大成功と言って良いでしょう。大成功の一番の要因は、準備がしっかりできた事だと思います。やり方次第では、「やらされ感」が充満する可能性もある活動です。「楽しさ」の裏には仕掛ける側の段取りが必要だと改めて感じられた一日でした。 (飯塚)今月の読書から『あなたの常識を論破する経済学』三橋貴明著~自国通貨建て国債はデフォルトしない~物事というのは、多面的に見なければ、本質は掴めないものなのだなあ、と感じます。本書は、一般的に流布されている認識の誤りを分かりやすく解説し、日本経済の取るべき方向性を提言しています。まず現在のわが国の状況について、「長期のデフレに苦しんでいる」として、これは国民経済における「本来の供給能力(潜在GDP)」と「現実の需要(名目GDP)」との間に、マイナスの乖離が発生していることに起因している。(中略)デフレギャップは誰かが需要を創出しない限り、永遠に解消されない。と簡潔にまとめてくれています。そして、デフレ脱却の方法は、「通貨を発行し、借りて、使え」であると、これまたシンプルに解説します。つまり、日銀が国債を買い取って通貨を発行し、政府はそのお金で世の中に所得が生み出される形で消費もしくは投資に使うということです。日銀の国債買い取りについては、ハイパーインフレを懸念する声がありますが、「安倍政権下で日本銀行は量的緩和(国債買取)を続け、既にして日本銀行は日本国債の3割強を保有しているが、インフレ率は『ハイパー』どころかマイナスである。」として、見当違いだとします。また、国債発行の増額については、政府の借金が増え、ギリシャのようなデフォルトを招くのではないかという懸念がありますが、この世に「債務」の種類は数多とあるが、たったひとつ、「デフォルトを起こせない債務」がある。中央政府が発行した自国通貨建て国債(内国債)だ。何しろ、中央政府は「自国通貨を発行できる」存在なのである。歴史上、中央政府がデフォルトを起こしたのは外貨建て(もしくは共通通貨建て)国債のみで、自国通貨建て国債のケースはない。として、ユーロ建て国債でデフォルトしたギリシャとは違うと強調します。そして、と論破します。「増税は民間の支出意欲を抑制し、名目GDPにおける個人消費や民間投資といった需要項目を縮小させる」として消費増税に断固反対します。さて、国債発行によって得たお金を、政府は財政出動すなわち公共事業に回さなければいけないわけですが、この公共事業は昨今、悪者扱いされています。政府の目的は、「経世済民」、つまり国民を豊かにすることであり、イメージやイデオロギーに歪められてはいけない、という筆者の論旨は、私の仕事においても肝に銘じておきたい姿勢です。 (小早)◆「社風改革」セミナー日程・6月9日(金)15:00~16:30 群馬県ビエント高崎 講師:小早祥一郎・7月12日(水)18:00~19:30 静岡県沼津商工会議所 講師:小早祥一郎◆ホームページ リニューアル弊社ホームページをリニューアルオープンいたしました!どうぞご覧ください。◆読者プレゼント!「そうじの力」オリジナルTシャツ。抽選で5名様に差し上げます。株式会社そうじの力社風改革の支援弊社は環境整備を通じた「良い社風づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。そうじの力だより第143号 2017年6月1日発行発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町373-6 TEL:027-315-2333 FAX:027-315-2334 メール:info@soujinochikara.com