【第149号】変化を楽しむ!|石見交通(株)
支援事例紹介変化を楽しむ!~石見交通(株)「そうじの力」発表会&見学会~十月三日、島根県西部で路線バスを運行する石見交通(株)の本社において、「そうじの力」発表会&見学会が開催されました。二〇一三年二月に私のお手伝いによりスタートした「そうじの力」活動も五年目に入り、着実に浸透しつつあります。今回は、その内容と成果を、地元の有力企業の経営者ら一五人を招いてお披露目するイベントです。最初に、私が一時間ほど講演をさせていただき、その後、同社の小河英樹社長のご挨拶、澄川委員長のプレゼンテーション、そして、事務所とバス整備工場の見学、というメニューでした。小河社長が、「そうじの力のおかげで会社がずいぶん変わった」とおっしゃるとおり、同社においてはこの「そうじの力」と「BCP(事業継続計画)」そして「健康経営」を経営の三本柱と位置付けて、強力に推し進めています。同社の一番の特長は、部門横断の取り組みです。同社だけで三拠点、他にグループ会社が六社あり、それぞれの部署から「そうじの力」委員会メンバーが選出されて、毎月一回の研修会を開催しています。研修会は持ち回りで行い、開催拠点において現場を見ながら、違う目で互いに意見を出し合い、改善し、活動の質を高めていっています。そのことが、普段はあまり接することのない者同士の部署間コミュニケーションを促進しているといいます。澄川委員長のプレゼンにおいては、活動当初は、多くの社員が、「ただ捨てるだけ」「言われて作業するだけ」「見て見ぬふり」だったのが、現在では「安全に効率的に」「考えて目的を持った活動」「積極的に参加」するように意識が変わってきたとのこと。大きく変わったことの一つは、バスの運転士の参加です。バスの運転士はシフトで勤務しているため、なかなか皆が集まる機会を持てません。また、それぞれが一匹狼的な気質を持っているため、まとまりにくい、という問題もありました。ところが最近は、バス運転士の有志が「そうじの力協力隊」を結成し、自主的にそうじをするようになってきました。毎月一回、バスのそうじを企画して告知します。それに賛同する他の運転士や事務部門の社員が集まり、皆で一台のバスをそうじするのです。強制ではありません。運転士たちはシフト制勤務ですから、おそらく待機時間などに協力してくれているのでしょう。もとより他部門の社員たちにとっては「担当外」のことのはずですが、手が空いていれば、多くが参加してくれるとのこと。そうじといっても、洗車だけではありません。車内のエアコンのファンを取り外してのそうじ、座席を取り外してのそうじ、そして、ボディのワックスがけもします。大人数だからこそ、ここまで徹底したそうじができます。そして、色々な部署の人間が同じ作業で汗を流すからこそ、絆が深まるのです。同社においては、「そうじの力」の壁新聞が発行されています。壁新聞に、こうしたバスのそうじの記事を載せることで、活動の意義や成果を共有しているのです。同社の「そうじの力」の目的は「安全・安心なサービスの提供」。こうしたそうじを通じて、気づきや気配りで、単純なミスがなくなり、導入前に比べて有責事故が二五%減少したそうです。もうひとつ、大きく変わったのが、バスの整備工場です。以前はモノが溢れかえり、まさにオバケ屋敷のようでした。広い工場に一カ所ずつ手を入れていきました。部品庫は、いまやホームセンターの売り場のように明るく分かりやすいショームールになっています。また、これまでなかなか手が付けられなかった電気部品の修理室にも手が入り、作業のしやすい清潔な空間に生まれ変わりました。整備工場の社員さんたちの表情を見ていても、彼らの前向きな空気を感じることができます。同社の皆さんの様子を見ていると、「変化を楽しむ」という言葉が浮かびます。変化とは、時に苦痛を伴うものです。しかし、それを楽しむことができれば、それは「成長」につながるのではないでしょうか。(小早)良い社風具現化プロデューサー森川剛存のぬまづを紹介するずらよ~沼津は魅力がいっぱいだでー~知名度は全国的に高い方だと勝手に思い込んでいます。しかしまだ万が一に訪れた事が無いという方の為に、私が生まれ育った街『沼津』の本当に基本的な情報をご紹介します。静岡県の東部、伊豆半島の付け根に位置するわが街。気候は温暖で滅多に雪など降りませんし、夏は海から吹く風のおかげで他所よりも暑さは大分控えめですよ。北に富士山、愛鷹山が鎮座し、南には雄大な駿河湾が広がり、市街地の中を狩野川がゆったりと流れています。海・山・川と三拍子揃っていて、大自然が満載なんです。静浦や三津の海岸通りをドライブなんてもう最高!。湘南なんて目じゃないですよ。但し道幅が狭いですけど…。当然「食」も旨い物や名物が沢山あるんです。寿太郎ミカンや高足ガニ!。お茶の栽培も盛んです。渋いところでは「プチヴェール」。青汁でおなじみのケールと芽キャベツを掛け合わせた野菜です。カロテンやビタミンを沢山含んでいて栄養満点。沼津を中心に栽培されているんですよ。しかし何と言っても有名なのは《アジの干物》ですかね。長年に亘り日本一の生産量を誇り、沼津を代表する産業の一つです。学校の給食にも二十年以上前からアジの干物が出されていて、唐揚げにすると頭や骨まで食べられるんですよ。 でも私の一番のおすすめは生シラス!。今でこそ各地で名物として紹介されていますが、沼津では昔から盛んに食されています。朝採れの新鮮なシラスでちょっと一杯なんて最高の幸せですよ。「沼津に生まれて良かったー」って思うこと間違いなし!。まだまだお伝えしたい事がいーっぱいあるんですが、百聞は一見に如かず。是非沼津にいらして下さいね。◆◆ぬまづ言葉◆◆(ほんの一例です)①のつのつする=パサついて喉に詰まる感じがする。【例】あっこのパンはすんごいのつのつするさー。②ちんぶりかえる=ふて腐れる【例】あいつはちーっと怒られたぐりゃーで、すぐちんぶりかえってよ。③ちっとらっつ=少しづつ【例】うんまい菓子だからちっとらっつ持ってけ、まー。ぬまづ言葉分かりましたか?(森川)「そうじの力」コラムどうにもならないことでクヨクヨしない~諦める=執着を断ち切る~十月二二日から二三日にかけて、超大型で強い台風二一号が本州を縦断し、各地で被害をもたらしました。二三日(月)、私は福井県で仕事があったため、高崎から北陸新幹線に乗りました。朝の時点で、高崎の天気は晴れ。依然として風は強かったものの、台風の中心は既に東北地方に移っており、どうにか予定がこなせそうな様子に思えました。北陸新幹線に乗ってみると、途中で「倒木が線路をふさいだため」というアナウンスが入り、列車が止まってしまいます。それでも、意外に早く障害が取り除かれ、どうにか一時間強の遅れで金沢に到着することができました。既に新幹線内でのアナウンスにより、福井方面に行く特急「サンダーバード」も「しらざぎ」も動いていないことが分かっています。時間はかかっても、在来線を乗り継いで行くしかありません。と、金沢駅の案内表示を見てみると、なんと、在来線も軒並みストップしてしまっています。オーマイガッ!どうやら、風向きの関係なのか、北陸地域が大混乱の様子。これでは、福井方面に行くことができません。ならば、ということでバスを探ってみましたが、バスも無いとのこと。この時点で、ここから福井に行く道は閉ざされてしまいました。約束していた福井のお客様に電話したところ、先方も台風の被害でバタバタしており、今回はキャンセルにしましょう、ということになりました。不可抗力とはいえ、気象条件で仕事に穴を開けたことがほとんどない私にとって、とても心痛む出来事でした。でも、お天道様には勝てません。こういう時には「諦めが肝心」なのでしょう。でも、諦めきれない自分がいます。よく、モノを捨てるのは執着を断ち切ることだ、と言われます。私も、仕事上で整理のアドバイスをするときに、「執着を断ち切るんですよ」などと言ったりします。でも、よくよく考えてみると、そういう私自身、断ち切れない執着だらけです。先日ある人が、「こだわりの強い人は、執着心の強い人だ」と言っていました。私、とってもこだわりが強いです(笑)。やると決めたら、とことんやります。あくまでもやり続けます。そんな自分が好きです(笑)。「でも、それも執着ですよ」と、その人に言われてしまったのです。なるほど、確かに「こだわり=執着」かも知れません。こだわりは、時に物事を成し遂げる原動力になりますが、時には、自分や他人を縛る足枷になるのかも知れません。時と場合によって、そういったこだわりを捨てること。諦めること。それが、前に進むための道になることもあるのでしょう。今回はちょっと哲学的なとりとめもない話になってしまいました。特に結論はありません。ご容赦を(笑)!(小早)良い社風具現化プロデューサー飯塚輝明の輝ちゃんの白熱教室!輝ちゃん高校生と語り合う「未来の磨き方!」先日、縁あって群馬県立桐生西高校の創立記念講演で講師をさせて頂きました。私にとっては刺激的で楽しい体験だったので報告します。講演タイトルは「そうじで未来を磨く」です。ただの人の私に講演を依頼するからには、依頼主の願いは、「大人が楽しそうに仕事をしていることを高校生に見せたい」ということなんだろうなと思います。私は、やりたいことを職業にできて楽しく仕事をする希少種の大人の責任として、目の前の高校生たちの未来が三十年後も楽しく光り輝いているのだということを自身の姿を通して高校生に伝えようとこの場に臨みました。講演の一部をご紹介します。文字にすると誤解される内容もありますが、講演中の雰囲気を考慮してください。ちなみに私は、終始スーパー笑顔です。◆「自分で決めると楽しい」・・・楽しくワクワクする上機嫌な人生も、不満ばかりの不機嫌な人生も、現状に関係なく自分がどうするか決めればいいだけ。やりたいことがある人はそれをやってみればいい。やりたいことが見つかってない人はそれを見つければいい。自分の心と向き合う以外に答えはない。必要なのは経験値。経験値が溜まれば答えは自然に見つかる。見つかると体が反応するからすぐわかる。◆我慢なんてしない・・・我慢をしなさいは嘘。我慢するしかなった五十年以上前のわずかな期間の話。今は好きなことに夢中になっている相手同士の勝負、嫌な事を我慢してやるのでは勝負にならないし続かない。◆ドリームキラー・・・「これが正しい、それは間違いだ」という大人がいたら、それは嘘。「その正しさはあなたにとってのもの。私は違う」と言い返せばいい。失敗・成功も嘘、失敗・成功含めて全部必要な経験値。自分がどう受け止めるかが全て。他人がとやかくいうならそいつはドリームキラー。みなさんが「これをやりたい」と言った瞬間から、必ずドリームキラーが現れる。数字や比較や粗探しや正誤や心配という姿でみなさんの未来を汚しに来る。一〇〇%の確率で出現するドリームキラーへの対応は、ガン無視!。「ドリームキラーが現れたということは〈自分で決める〉ができたから」なので、決めた自分を誇りに思いましょう。◆その職業の人に会いに行く・・・やりたいことを職業にする最強のコツ。もしこれを実行すれば思いは一〇〇%実現する!会いに行くとき最高の手土産は、相手の話をよく聞き、自分自身の「こうしたい、なぜなら・・・」を話すこと。講演後、校長先生とのお話の中で「今の生徒たちは自己肯定感が低いんです。」と聞きました。子供だけでなく大人も同じだと思いました。「やりたいことをやる」経験値の蓄積が自己肯定感を高めます。やってみよう。高校生の未来に幸多かれ!(飯塚)今月の読書から『無私の日本人』磯田道史著~日本人の心にあった“公”の概念~実在の人物の記録をもとにした歴史小説です。この本に取り上げられているのは、いずれも我々一般人では聞いたこともないような無名の人たち。そんな人たちが、実はすごいことをしていた、という話です。昔、東北の「吉岡」という町は貧しく、藩の助けもなく、民家が潰れはじめた。このままでは滅ぶと絶望した住民有志が自ら動き、金を藩に貸し付けて千両の福祉基金をつくり、基金の利子を、全住民に配る仕組みを考えついた。9人の篤志家が身売り覚悟で千両をこしらえ、藩と交渉。藩はあれこれいって金を多めに吸い取ろうとしたが、なんとか基金はできた。この9人の篤志家は見上げた人たちで、基金ができた後、藩から褒美の金をもらっても、それさえ住民にすべて配ってしまった。おかげで町は江戸時代を通じて人口も減らず、今に至っている。—-以上が、この物語のあらすじです。すごいのは、篤志家たちの金策です。そもそも貧しい町なのですから、彼らとて、金に余裕があるわけではありません。千両という大金ですから、9人で割ったとしても、一人当たり、相当な負担になります。この案を発案した浅野屋甚内という人などは、商売で儲けた金を、無駄遣いを一切せず溜めこみ、それをことごとくこの基金に寄付してしまいます。基金の提案に対して悪知恵を働かせた藩側が、基金の増額を要求した折には、既に全財産を拠出しているにも関わらず、甚内は、さらに衣類を売り払い、家財道具まで売り払ってまで、その増額分を自分が負担する、と申し出るのです。これだけでも十分すぎるほどすごいのですが、もっとすごいのは、こうした貢献に対する見返りを、一切要求しないどころか、それを固辞したことです。浅野屋甚内はじめ、金を拠出した9人は、「もしこれが満願成就しても、なんの栄誉も受けぬ」「子々孫々の代にいたるまで、上座に座らぬ」ということを誓い、血判状までしたためるのです。実際、著者が、9人のうちの一人の子孫の方に面会した折、先祖の自慢話をいっさいしないのを疑問に思って尋ねると、その方は、「いえ、昔、先祖が偉いことをしたなどというてはならぬと言われてきたものですから」と語ったといいます。すごい!すご過ぎます!誰だって、善行をした折に、直接的な利益は求めずとも、名声や羨望、間接的な利益を求めるものでしょう。でも、かつての日本人には、無私の心があった、と著者は言います。「地球上のどこよりも、落とした財布がきちんと戻ってくるこの国。ほんの小さなことのように思えるが、こういうことはGDPの競争よりも、なによりも大切なことではないかと思う。」私も、せめて「そうじ」をすることで、彼らの足下にも及びませんが、日本人の心を受け継いでいきたいです。(小早)お知らせ◆セミナー日程・12月12日(火)18:00~19:30 静岡県 沼津商工会議所 講師: 森川 剛存 そうじによるリーダーシップとチーム ワークの構築についてお話しします。◆公式Youtubeチャンネル 公開中です! 。「株式会社そうじの力」で検索!◆読者プレゼント!「そうじの力」オリジナルTシャツ。抽選で5名様に差し上げます。株式会社そうじの力そうじで、組織と人を磨く 日本で唯一の研修会社弊社は環境整備を通じた「良い社風づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。