【第150号】「こうしたい!」思いが物事を動かす!|(株)共生印刷
そうじの力だより第150号支援事例紹介「こうしたい!」思いが物事を動かす!~共生印刷(株)エンジョイ3S委員会~兵庫県尼崎市の共生印刷(株)。ここは、全国のクリーニング店で使用するタグを印刷する会社です。クリーニングのタグというのは、水や溶剤に濡れても傷んだり破れたりしない、特殊な加工が施された紙でできています。同社で、私がお手伝いしての「エンジョイ3S委員会」(3S=整理・整頓・清掃)の活動がスタートして、一年四か月ほどが経ちました。印刷会社なので、インクや薬剤、油などが飛び散って汚れているのは当然ですが、それ以外にも、商品の種類が多く、材料や在庫が多いために工場内が手狭である、社員が職人気質でまとまりがない、などの問題点がありました。こうした問題点を解決して、良い社風を作るために、このエンジョイ3S委員会が立ち上がったのです。どのケースにも当てはまることですが、そうじのセオリーとして、まずは整理、つまり不要なものを処分することから始めます。同社においても、デスクや椅子、棚、工具など、たくさんの不要物を処分しました。また、PS版と呼ばれる、印刷に使う版があるのですが、中には数年使用していない版もあり、これらも処分しました。さらに、在庫についても、何年も出荷実績のない特注品の在庫があり、顧客に対して汎用品への切り替えをお願いするなどして、統合することで削減していきました。こうして、少しずつ工場内が整っていったのですが、活動開始から一年が過ぎたところで、委員会メンバーの入れ替えがありました。このメンバー交代によって、活動がさらに前に進んだ感じがします。新しい委員会メンバーには、それぞれに「こうしたい!」という熱い想いがあります。たとえば、「無駄なモノをなくし、スペースを拡げることで、動きやすい職場を作りたい」「道具を共有化し、消耗品も一元管理することで、無駄なお金を使わずコスト削減につなげたい」「印刷屋は暗いイメージがあるので、コミュニケーションを良くして明るい職場にしたい」などなど。この明確な想いを基に、工場内各所でのテコ入れが始まっています。一階は、九台の印刷機がガシャンガシャンと勢いよく回っている現場です。印刷に必要な道具やインク、溶剤などの定位置化や、PS版の整理、そしてインク汚れや油汚れの除去などに取り組んでいます。フロアを見渡すと、道具が壁掛けで美しく整えられていたり、機械の足下のギトギトした油汚れがキレイに除去されていたり、中には、ペンキを新たに塗り直した機械も見受けられたりします。二階には、輪転機と呼ばれる大型の印刷機があるのですが、この周辺が、すっかりキレイに整いました。以前は工具やウエス、インクや溶剤などが周囲に散乱していましたので、隔世の感があります。三階と四階では、ひとつの仕事をするのに、あちこちに動かなければならない現状を改善するために、レイアウトを変更して、導線を良くする試みが行われています。現場で働いている人たちの希望を叶えるために、委員会メンバーが動いてくれています。委員会では、活動の様子を紹介する「壁新聞」を作って掲示し、社内での啓発に努めています。とはいえ、ようやく活動に勢いが出てきたという段階ですので、まだまだ課題は山積みです。お世辞にも、全員参加とは言えません。社員の間での温度差はかなりあります。また、環境的にも、まだまだ「キレイ」とは言えません。それでも、リーダーの立場で活動を引っ張る委員会メンバーの「こうしたい!」という想いがある限り、スピードが速いか遅いかは別にして、会社は日に日に良くなっていくことでしょう。(小早)良い社風具現化プロデューサー飯塚輝明の グンマの魅力度向上委員会群馬県の魅力を微力ながら発信するぜ!「上毛かるた」編飛鳥時代の昔には、今の群馬県と栃木県を合わせた辺りは「毛野国(けのくに)」 と呼ばれていました。大化の改新以降の時代に、毛野国は二つに分かれ、それぞれ上野(こうずけ)、下野(しもつけ)と呼ばれるようになりました。その上野国 の別称を上毛(じょうもう) と言って、群馬を表す冠言葉として群馬県人は「上毛」を使います。上毛新聞、上毛電鉄、上毛大橋、などなど。いろんな上毛○○がありますが、群馬県人にとって最愛の上毛○○が、今回皆様にお知らせしたい「上毛かるた」です。 「上毛かるた」とは、戦後間もない昭和二二年に郷土の復興を願い発行された郷土かるたです。群馬県の歴史や土地が題材になっており、群馬県人は子供の頃から上毛かるたで遊びます。 小学校を卒業するころには、群馬県人としてのアイデンティティが完成されるという群馬の最高の教育洗脳アイテムです。 群馬県下でどれほど「上毛かるた」が浸透しているかというと、群馬育ちの人間なら一〇〇%が四四枚の札をほぼ暗唱できます。また、群馬で生まれ育った人間が、よその土地(東京や海外)で出会ったときには、群馬生まれの証明は「上毛かるた」でできるほどです。群馬人A「私、群馬出身なんですよ!」 群馬人B「え?俺も群馬出身ですよ~」 「じゃあ、上毛かるた言えますか? えっと、草津よいとこ?(上の句)」群馬人A「薬のいで湯!(下の句)」群馬人B「お~っ、Aさん本当に群馬出身なんですね~。こんな遠い所で群馬の方とご一緒できるなんて!うれしいですね、なつかしいな~。これからもいろいろとよろしくお願いしますね。」 冗談ではなく、こんな感じです。 群馬県内の小学生にとって十二月から一月は「上毛かるた」シーズンです。地区大会から始まり、市町村大会、県大会と「上毛かるた」世界一をかけた戦いは続きます。郷土かるた大会というほのぼの感は「上毛かるた」に関しては全くありません。競技大会として、百人一首の大会の熱を上回る真剣勝負です。 この時期の群馬の家庭では、毎日練習相手になるお父さん。ついつい本気になってしまい、負けた子供は悔しくて大声で泣きだします。群馬母「パパ! 大人なんだからちょっとは負けてあげなさいよ!(怒)」群馬父「上毛かるたじゃ負けらんね~!(怒)」 子供たちはこうして立派な群馬県人に鍛えられます。 (飯塚)「そうじの力」コラム人は環境に左右される~汚いところには、汚いものが集まる~この写真、決して廃棄物処分場ではありません。わが家の近所にある住宅リフォーム会社の駐車場です。 真相は分からないのですが、どうも、倒産して夜逃げしたようなのです。 営業していた当時から、おそらくリフォームの工事で古い内装などを解体した際に出たであろう廃材が、多少ですが、ここに積まれてはいました。 それが、夜逃げによって管理する人間がいなくなった途端に、「ゴミ置き場」と化してしまいました。 要するに、いろんな人間が、主に夜、こっそりとやってきて、ここに廃棄物を捨てていくのです。まさに無法地帯です。 こうして、場が荒れだすと、手がつけられません。ゴミがゴミを呼ぶ。汚いところには、汚いものが集まります。 逆もまた、しかり。知人と一緒に、近所の公園のトイレそうじを続けています。以前は、便器周辺に「落し物」や「忘れ物」が多かったのですが(笑)、最近は、ほとんどそのようなシーンには出くわさなくなりました。 キレイなトイレだと、汚す気にならないのかも知れません。汚そうとするには、ちょっと勇気が要るのでしょう。 このように、環境(場)には、そこに集う人のマインドを決定づけてしまう力があります。 たとえば今、目の前に、二つの飲食店があったとします。ひとつはキレイで清潔感があります。もうひとつは、汚く、みすぼらしい店構えです。とてもお腹が減っています。あなたなら、どちらの飲食店を選びますか? 多くの人は、キレイな方を選ぶでしょう。でも世の中には、「そんなこと、気にしない。うまけりゃ、何でもいい」という人や、「汚くてみすばらしい方がうまそう」という人もいるのです。 どちらが良い悪いということではありません。店側にも、客側にも選ぶ権利があります。好き嫌いは自由です。 ただ肝心なのは、キレイな方の店には、「せっかくおいしいものを食べるのだから、キレイで清潔な環境で食べたい」と思う人が集まり、汚い方には、「環境なんてどうでもいいんだ」という気持ちの人が集まる、ということです。 これを、「わが社」に置き換えると、どうなるでしょうか?乱れて汚い会社には、それを良しとする社員が集まるでしょう。そして当然、そういう客がメインの顧客になっていくことでしょう。 一方、清潔で整っている会社には、そうしたマインドを持った社員が集まってくるでしょうし、客も、それを評価する客が得意客になるはずです。 そうです。どうするかは、経営者次第。選ぶことができるのです。 (小早)良い社風具現化プロデューサー大槻飛鳥の 育児に学ぶコミュニケーションパパの育休取得で、夫婦が強いチームになる!七月一日に長男を出産後、旦那に二ヵ月間の育児休業を取得してもらいました。彼の職場に前例はありませんでしたが、「えいや!」と勢いで取得してもらった結果、良いことずくめだったのでレポートします。■夫婦が「家族を運営するチーム」へ 授乳、おむつ交換、抱っこ、沐浴、寝かしつけ、ミルクを作り、げっぷをさせ、爪を切り、うんちで汚れた服を洗って干す…。赤ちゃんのお世話は、二四時間これらを絶え間なく繰り返します。二人いることで、一人が赤ちゃんのお世話をしている間に、一人が仮眠をとる・トイレに行く・料理を作る…といった具合に家事・育児をローテーションできました(二人でもめちゃくちゃキツかった)。 結果、育児レベルが一緒になっただけでなく、「赤ちゃんのお世話はめちゃくちゃ大変だ」という意識が共有できた上、夫婦が同じ土俵の上で家族方針を話し合えるチームになりました。 ■お互いを思いやることができるように 家事・育児を一緒にやった結果、、、、、(旦那)、家事って「ゴミ出し」一つとっても、①家中のゴミ箱からゴミをまとめる、②袋の口を縛る、③ゴミ箱に新しい袋をセットする、④袋のストックを確認する、⑤収集所に出す、という作業があったんだな。、、、、、、 、、、、、、、、、(私)睡眠時間が三時間もとれる…!ありがたいなぁ。、、、、、、、、、、、、、、、、と、お互いに感謝が生まれました。 自分がパートナーに助けられたので、忙しい中でも「たまには気分転換しておいで」と、お互いを思いやることができるようになりました。■家事・育児を“利用”する! 日々の暮らしの中には、「夫婦で一緒にはできないこと」と、「夫婦で一緒にできること」があります。例えば、自営業等以外の「仕事」は前者ですし、「家事・育児」は後者にあたるでしょう。 旦那が育休を取得してくれたおかげで、「一緒にできることを少しでも一緒にやると、心が近づき、同じ場所から共に未来を描くことができる」ということを感じられました。 これは夫婦だけではなく、会社でも「社長と社員」や「上司と部下」に置き換えることができるように思います。「何度言ってもわかってくれない」と相手を嘆く前に、「一緒にできることを少しでも一緒にやる」ことができたら、明るく楽しい未来を共に描けるのではないでしょうか。“そうじ”も、一緒にできるひとつの手段です。 (大槻)今月の読書から『SHOE DOG~靴にすべてを。』フィル・ナイト著~すべては「馬鹿げたアイデア」から始まった~面白い!分厚い本を一気に読んでしまいました。世界的スポーツ用品メーカーNIKE(ナイキ)の創業者、フィル・ナイトの自伝です。 私はまったく知らなかったのですが、同社のビジネスは、まず、日本のメーカー、オニツカ(現アシックス)のシューズのアメリカ代理店から始まったのだそうです。その後、同社とオニツカの間に契約上のトラブルがあり、独自ブランドのNIKEを立ち上げることになります。 興味深いのは、1962年、つまり昭和37年という、まだ日米戦争の記憶も生々しく、日本の高度経済成長も始まったばかりの頃に、著者は、日本という国に興味を持ち、日本のシューズメーカーの製品をアメリカで販売するという「馬鹿げたアイデア」を持って、それを実行に移したことです。 当時、著者は大学を卒業したばかりの24歳。まだどこかに勤めたこともなく、もちろんビジネスの経験も、資金もゼロでした。世界中を旅する中で日本に立ち寄り、いきなりオニツカの本社を訪ね、オニツカのシューズのアメリカにおける輸入・販売の総代理店になりたい、と申し出るのです。当時、まだ法人格さえ持っていなかった著者ですが、ハッタリをかまして契約を結んでしまいます。 なんという無鉄砲さ!でも、この無鉄砲さがなければ、ビジネスの創業はできないのです。私自身も無鉄砲に前職を辞めて「そうじの力」を創業しましたので、とても共感できるのです。 さらに、独自ブランドNIKEを展開する中で、成長のスピードに現金保有高が追いつかず、銀行からの融資も限られた状況において、同社を支援したのが、日本の総合商社、日商岩井だったことにも驚かされました。 思うような融資を得られないどころか、これまでの融資を引き揚げると迫るメインバンクに対して、日商岩井の担当者は、「当社が全額返済します」と宣言します。著者は、「私は、これが日本人だと言ってやりたかった。」と書いています。相当な日本びいきです。日本人として、嬉しくなります。 本書の中に、たくさんの魅力的な言葉が出てきます。 『私は商売が突然軌道に乗った理由について考えた。セールスではなかったからだ。私は走ることを信じていた。みんなが毎日数マイルを走れば、世の中はもっと良くなると思っていたし、このシューズを履けば走りはもっと良くなると思っていた。この私の信念を理解してくれた人たちが、この思いを共有したいと思ったのだ。信念だ。信念こそは揺るがない。』 『臆病者が何かを始めたためしはなく、弱者は途中で息絶え、残ったのは私たちだけ。私たちだけだ。』 さあ、グズグズしている暇はありません!まずは「始める」ことです。 (小早)お知らせ◆外部団体主催セミナー 『売上も採用も劇的に引き寄せる 人が輝き会社が輝く、そうじから始めるライブオフィスの作りかた』 日時:1月26日(金)14:00~16:00 場所:群馬県沼田市西倉内町669-1 沼田商工会議所2階大ホール 講師:飯塚輝明 主催:沼田商工会議所 問合せ:0278-23-1137◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルジャンパー。 抽選で5名様に 差し上げます。株式会社そうじの力 そうじで、組織と人を磨く日本で唯一の研修会社弊社は環境整備(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ=5S)を通じた「良い社風づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。 そうじの力だより第150号 2018年1月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町373-6 TEL:027-315-2333 FAX:027-315-2334 メール:info@soujinochikara.com