【第151号】意志疎通がしっかり出来るようになってきた!|(株)大悦工務店

そうじの力だより第151意志疎通がしっかり出来るようになってきた!(株)大悦工務店「そうじの力」~東京都杉並区の(株)大悦工務店は、住宅の新築とリフォームを手掛ける会社。主に設計を担当する社長(兄)と施工を担当する専務(弟)、事務を預かる社長夫人、そして若手社員二名という、アットホームな工務店です。同業である中野区の(株)小河原建設(弊社支援先)を見学し、その整った環境に感動したのが、「そうじの力」に取り組むキッカケでした。無理もありません。活動開始前の同社は、モノ、モノ、モノで溢れかえる、すごい状態でした。先代である父親も、社長も、そして専務も、みなさん整理・整頓が苦手。モノが捨てられないので、長年の事業活動で増えてきた道具や資材が、山盛りになって積もっていたのです。事務所は比較的スッキリしていましたが、資材を仮置きしたり準備作業をしたりする下小屋と地下倉庫は、足の踏み場もないほどでした。これを整えて、使いやすい環境にしたいと思うのは当然ですが、何せ量が半端ではありません。容易にはいかないだろうな、と私は予測していました。まずは、毎日、終業前の一〇分間を、全員での整理、つまり不要なモノを捨てる作業に充てました。わずか一〇分間ですが、されど一〇分間です。塵も積もれば山となる、とはよく言ったものです。活動が半年を過ぎる頃には、モノの量がグンと減ってきて、スペースが拡がりました。それでもまだ、地下倉庫にモノが山と残っています。これを地上に引き上げ、さらに要・不要を仕分けする作業は、容易ではありません。忙しいときも、毎日欠かさず整理を続け、着実にモノの量は減っていきました。私は毎月一回訪問し、ミーティングや実習などのお手伝いをしていますが、当初は整理の進め方について、兄弟間で意見が食い違い、ケンカになってしまうこともありました。でも、こうしたことを続けているうちに、兄弟間の意思疎通も良くなってきたように感じます。こうして、一年かかって、ようやくすべての不要物を捨て切ることができ、必要十分なスペースを確保することができました。ちょうどこの春に新人二人が増える予定で、そうなると事務所が手狭になるので、下小屋の一部を縮小して事務所を拡張することになりました。これも、整理があってはじめて成り立つものです。今はとりあえず不要物を捨て切った段階なので、これから、整頓、つまり、道具や資材の置場を決めて、より使いやすいように整えていきます。ところで、同社の課題は「モノ」の整理だけではありませんでした。社長と専務が、兄弟ゆえか、コミュニケーションが不足しているところがあったようです。お互いの居場所が分からない、今どういう注文が入っているのか把握していない、どの建築現場がどう動いているのか分からない、誰がいつ休みを予定しているのか分からない、というような状況がありました。つまり、「情報」の整理・整頓ができていなかったのです。そこで、こちらも、同時並行で整えていきました。全員の居場所を、LINEを使って知らせ合うようにしました。建築現場の状況は、専用のソフトを使って管理・共有するようになりました。毎日ミーティングを行い、仕事の進捗や気にかかることを確認するようになりました。極めつけは、「グランドルール」を作ったことです。それは、「相手の話を最後まで聴く」ということ。兄弟ゆえか、相手の話を最後まで聞かずに自分が言いたいことを言うようなところがありました。現在、このグランドルールを実践すべく奮闘中ですが、その成果のほどは・・・・、もう少し時間がかかるかも知れません(笑)。それでも、物理的・空間的に以前とは見違えるほど良い環境になっただけでなく、社内の雰囲気も、とても良くなったように私には感じられます。お互いの意思疎通が活発になり、お互いを思いやる気持ちが強くなってきたように思います。そうじは、物理的な障壁を取り除くだけでなく、精神的・制度的な障壁をも取り除く活動です。今後も、そうじの力で、「小さくても魅力的あふれる会社」を創っていって欲しいと思います。(小早)良い社風具現化プロデューサー飯塚輝明のグンマの魅力度向上委員会「上毛かるた」あるある!群馬の偉人編 群馬県人なら誰もが愛する「上毛かるた」。それは群馬県人なら誰でも四十四枚の読み札を全部暗唱できるレベルです。というのが前回のお話。 この「上毛かるた」には、群馬の偉人として、内村鑑三、新田義貞、関孝和、新島襄、塩原太助、田山花袋、杉木茂左衛門、船津伝次平 、が登場します。正直、よっぽどの歴史好きでも知らない方々ですが、群馬県人ならこの八人の名前は全員が知っています。 例えば「心の燈台~」と読み札の上の句を読めば、群馬県人なら百人が百人とも「内村鑑三(うちむらかんぞう)!」と下の句を瞬時に即答できます。 ところが、「心の燈台~」と聞けば、パーフェクトに「内村鑑三!」と即答する群馬県人なのですが・・・、実は、知っているのは名前だけなのです。「内村鑑三って何をした人なの?」と聞くと、これまたパーフェクトに「そんなことは知らない」と答えます。ほかの人物についても同様です。この間抜けた感じが、なんとも群馬県人らしいと言えます。  群馬に生まれ、群馬で育った典型的群馬県人の私(四八歳)も例外ではなく、登場人物の業績については全く興味がございませんでした。転機が訪れたのは四三歳。内村鑑三がきっかけです。 藩政改革で有名な上杉鷹山の事を勉強する機会がありました。無名だった上杉鷹山が日本人に知られるようになったのは、来日したケネディ米大統領が尊敬する日本人として紹介したからです。そのケネディ大統領が上杉鷹山を知ったのが「代表的日本人」という本で、その本の著者が内村鑑三だということでした。 私は「ん?内村鑑三って、上毛かるたのあの内村鑑三か?内村鑑三って作家だったのか?」と初めて認識をしました。少し恥ずかしい思いをしてようやくこの「上毛かるた」の登場人物の業績や歴史に関心を持つようになりました。 内村鑑三は明治大正に活躍したキリスト教思想家だそうです。高崎藩士の家に生まれ、キリスト教に出会い、アメリカに渡りそこで既存のキリスト教に大いに疑問を持ち、彼独自の教会も儀式も聖職者もいらない「無教会」という立場を説いたそうです。これは敵が多そうですね。きっと当時は大いに波風を立てたのでしょう。イエス様も好きだけど日本も大好きという方だったようです。そんな彼が、当時、欧米から偏見を憂い、その真の日本人の精神性を海外に伝えるべく記したのが「代表的日本人」です。良い本でした。お勧めです。 内村鑑三の業績を勉強した事をきっかけに、他の「上毛かるた」の登場人物にも興味関心を持って改めて勉強しました。みなさん魅力的な群馬の先輩です。機会がありましたら紹介できたらと思います。こうご期待(飯塚「そうじの力」コラムそうじは、一人でやると「修行」~みんなでやればレクリエーション~ 毎週日曜日の早朝、仲間と一緒に、近所の公園のトイレそうじをしています。参加者は二~三名です。そして月に一回は、『目覚ましおそうじ会』と称して、広く呼び掛けて、多い時には一〇人ほどでそうじをしています。 軽い気持ちで始めたトイレそうじですが、もう一〇年以上続いています。 でも正直なところ、これがもし一人だったら続かなかったかも知れません。 朝、起きるのが辛いときもあります。面倒くさくて、今日は休みたいな、と思うときもあります。それでも、仲間がいると思うと、「やっぱり行こう」という意欲が湧いてきます。 「そうじは修行だ」という人がいます。確かに、修行の要素満載です。基本的に面倒なことです。どちらかといえば、やりたくない、という人が多いでしょう。自分には得にならないようなことですが、ほんのちょっと世の中の役に立つことでもあります。だからこそ、修行なのでしょう。 そうした「修行」が好きな人もいます。それを一〇年も二〇年も続けている人がいて、本当に頭が下がります。 でも、人間はそんなに強くはありません。そうした修行を続けられるのは、百人に一人、いや、千人に一人かも知れません。 しかし、ここに救いの策があります。 仲間と一緒にやることで、面倒なそうじが楽しみに変わるのです。 『目覚ましおそうじ会』に参加すると、そのことを実感できます。毎回、リーダー、タイムキーパー、道具の使い方の説明係などの役割を分担します。そして、小便器、大便器、シンクといったエリアに分かれてそうじをします。 お互いが頼れる仲間です。リーダーやタイムキーパーは緊張する大役ですが、自分が大切な役割を担っているという「役立ち感」を感じることができます。 いちおうのエリア分けはありますが、実際には、それに関わらず、お互いが協力し合って、手際の良い人が他の人のエリアも手伝ったりします。 雑談も含めて、会話も弾みます。 何より、一人でやるといつ終わるとも知れないような分量の仕事も、仲間で分担すれば早く終わります。 そうじは、「一人でやれば修行」ですが、「仲間と一緒にやればレクリエーション」になるのです。(小早)活動レポート教師の勉強会で講演しました!~まず、自ら身を正すことの大切さ~ 一月六日(土)、『磨く会』という勉強会に講師に招かれて講演してきました。 『磨く会』は、主に学校の先生たちを対象とした自己研鑽のための勉強会で、大谷育弘さん(尼崎高校教諭)らを中心とした有志によって手弁当で運営されています。 当日は、全国から主に小中高の先生方五〇数名がお集まりいただき、まだお屠蘇気分も冷めやらぬ新年の土曜日に、熱心な勉強会が開催されました。 私の方からは、①そうじを通じて企業改革を成功させた事例の紹介、②そうじの意義や目的、③私がこの事業に取り組むことになったキッカケ、④具体的取組方法、などをお話させて頂きました。 私どもは、「そうじ」という手段を使って、リーダーシップやチームワークを育むことをお手伝いするのが事業内容です。企業を対象としたお手伝いが中心ですが、学校運営にも通じるところがあるはずです。 たとえば、「企業」を「クラス」、「社長」を「先生」、「社員」を「生徒」と置き換えれば、企業における取り組みが、そのままクラス運営に応用できます。 企業において、社長と社員が一緒になってそうじに取り組むことで、ベクトル合わせができること。社員から選ばれたリーダーが旗を振り、他のメンバーがそれに協力することで、リーダーシップとチームワークが育まれること。 それを、学校においては、先生と生徒が一緒になってそうじすることでベクトル合わせをし、生徒の中から選ばれたリーダーが旗を振り、他の生徒がそれに協力することでリーダーシップとチームワークを育む。そんな応用が可能なはずです。 ところが、司会をしてくれた小笹大道さん(立命館一貫教育部副部長)は、「みなさん、小早さんの講話の内容を、すぐに自分のクラス運営に生かそうと思っているかも知れませんが、ちょっと待ってください。ご自身のデスクは机上ゼロですか?ご自身がキチンとそうじに取り組んでいますか?生徒にやらせようとする前に、まずご自身の身を正すことが大切ですよ」という主旨のことをお話されました。 私はそれを聞いて、なるほど、まったくそのとおりだな、と感心しました。 小笹大道さんは、そのご著書『教師道を磨く』の中で、教師が必ず実践すべきこととして、自分が変われば生徒が変わるという「主体変容」と「率先垂範」などを挙げておられます。そして、ご自身も、真摯に実践されている様子が伺われます。 また「理念」を持つことの重要性も説いておられ、ご自身の理念について、「自立型人間の育成」を掲げておられます。 私自身、大谷さんや小笹さん、そして当日参加してくれた多くの先生方から、大いに刺激と教えを受けました。日本の教育界の未来は明るい!と感じられた清々しい勉強会でした。(小早)今月の読書から『知ってはいけない』矢部宏治著~真に日本の独立を勝ち取るには~ 「日本はアメリカの属国である」と言われることがあります。比喩的表現で使われる限り、右寄りの人も左寄りの人も、このことに反論する人はあまりいないでしょう。 日米(軍事)同盟はいわずもがなですが、確かに政治的・経済的にも対米追従の国であることは間違いありません。 ただし、それが比喩的表現、つまり精神的なものであれば、私たちの意識の問題ということになりますが、「事実」として「日本はアメリカの属国である」としたら、話はちょっと違ってきます。 この本は、制度的・法律的に、わが日本は米国の属国であることを、いろいろな資料を示しながら教えてくれます。 まず、「横田空域」というものの存在です。東京都の米軍横田基地。この横田基地を米軍が自由に使えるように、首都圏の上空は民間機を含めてわれわれ日本人が入ってはいけない空域に指定されています。横田空域は実に広大なエリアにわたっていて、首都圏だけでなく、北は新潟県にまで及んでいます。そのため、羽田空港を発着する旅客機は、かなりの遠回りをして離着陸せねばなりません。 それだけでなく、実はこの横田基地はアメリカの軍人のみならず、政治家や政府高官などの出入国玄関口となっており、彼らはパスポートなしで日本に出入りしているのです。当然、横田基地から日本の他の地域への出入りは自由にできますから、わが国には、パスポートのチェックを受けない人たちが自由に闊歩していることになります。 そういえば先日、トランプ大統領が来日した折にも、羽田や成田ではなく、横田基地に着陸していましたね。他の国の首脳であれば、こんなことはありません。 そしてこのことは、何もアメリカが横暴を極めて勝手にしていることではなく、日米安保条約とそれを補完する日米地位協定によって「法的」に認められていることだというのです。 さらに、同安保条約と地位協定を基に、日米の実務当局者による「日米合同委員会」なるものがあり、そこで取り決められた「密約」は、日本の法律はおろか憲法にも縛られずに実行されるというのです。 筆者の言う「敗戦後70年以上たってもなお、事実上、国全体が米軍に対して治外法権下にある」ことが、事実として納得でき、背筋が凍る思いです。 詳しいことは同書に譲りますので、興味のある方は、ぜひご一読ください。 このことは、日米同盟に賛成か反対か、ということとはまったく別次元の問題です。国家の主権が喪失している、と言い換えてもいいでしょう。このさい、憲法をはじめとする、わが国の根幹から変えていく必要があると思います。 私自身にとっても、「自立」は永遠のテーマです。われわれ個々人にとって自立が必要であるように、国家にとっても、もちろん自立が必要です。(小早)お知らせ◆外部団体主催セミナー  2月21日(水)18:30~20:30 群馬県  講師: 飯塚輝明  「そうじで会社の未来を磨くセミナー」  主催:伊勢崎商工会 0270-62-2580Web番組に出演中!Web番組『覚悟の瞬間』で小早祥一郎がインタビューに答えています。◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルジャンパー。 抽選で5名様に 差し上げます。株式会社そうじの力  そうじで、組織と人を磨く日本で唯一の研修会社弊社は環境整備(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ=5S)を通じた「良い社風づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。そうじの力だより第151号 2018年2月1日発行発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町373-6 TEL:027-315-2333 FAX:027-315-2334 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