第66号「そうじの力だより」

そうじの力だより第66号活動報告小河原建設環境整備プロジェクト~「やらされる」から「やる」へ~〈一歩を踏み出すきっかけ作り〉東京の注文住宅建築の?小河原建設で、環境整備の強化プロジェクトをお手伝いしています。同社では以前から環境整備に取り組んでいますが、さらにレベルアップさせるための取り組みです。私は、このプロジェクトのテーマを「『やらされる』環境整備から『やる』環境整備への転換」としました。決して同社が無理やりにやらせているというわけではありませんが、完全に自主性ある取り組みには至っていません。私が注力しているのは、あらためて環境整備の意義を理解してもらうことと、実習を通じてその面白さを「体感」してもらうことです。一年間を通じて、トイレ、建築現場、デスク、倉庫、周辺地域などを題材に実習を行うプログラムを組みました。第一回は、まず環境整備の意義について講義をした後、さっそく全社員でトイレそうじの実習を二回行いました。以下は、社員さんたちの感想文です。彼らが小さな一歩を踏み出しはじめたことが分かります。◆前回は素手で便器をさわる事に抵抗を感じながら始めた所もあったが、今回はそんな気持ちはまったくなく、楽しんで取り組めたと思う。汚れが落ちる事で、もっと落としてやろうという欲が出てきて、実習の時間が短いくらいに感じた。◆前回の講義を受けてから、道ばたに落ちているゴミを意識するようになりました。他人が出したゴミは自分の責任ではないが、誰かが行動しなければいつまでたってもきれいにはなりません。小さな物からでも行動するようにしたいと思います。◆普段は広い範囲を短時間で清掃することが多かったので、狭い範囲をとことんきれいに清掃するように心がけていきたいと思います。◆まずはやってみようと決意してのトイレ清掃でした。ここまで思いを込めて清掃ができるのかと思いました。やはり、清掃が終わった後、本当に気持ちが良い。◆いつでもどこでもゴミ拾いから始められる環境整備ですので、気づいたらすぐゴミを拾える気持ちで日々の環境整備に臨みたい。自分から一歩踏み出す!◆他人から「バカではないか、異常ではないか?」と云われる位に徹底的にやる、という気持ちで臨みます。◆洋便器の洗い方というものが良くわかってとてもよい勉強になった。実際に自分の家でも行ってみた。便座の取り外し方がわからない問題も、自分ネット調べて徹底してキレイにすることができた。ひとつでも何かがキレイになると、その場のフンイキがぐっと良くなるという実感を得ることができた。◆正直、自分自身「やる」環境整備ではなく「やらされる」環境整備をしているのだと感じました。会社ではしても、自分の家はしていませんでした。マツバラ「おそうじPWU活動」~燃えやすい人から火をつける~〈大切なのはムード作り〉岐阜県関市の鋳物メーカー?マツバラの『おそうじパワーアップ活動』を引き続きお手伝いしています。毎月、各リーダーによる活動報告会、ラインを止めての二時間一斉そうじ、現場パトロールなどを行っています。前回のパトロール時に、検査係の人たちが、手待ち時間にホウキを持ってそうじしている光景に出会い、とても嬉しくなりました。ちょっとした空き時間に各人が自主的にそうじをすること。これこそが、目指すべき姿であり、そうじの目的とは、単にきれいにすることだけではなく、活動を通じて各人の自主性、積極性を育てることにあります。こういったことが出来るようになった背景を検査係の課長に聞いてみると、「それは結局ムード作りですよ。」という答えが返ってきました。部署内のコミュニケーションを密にし、協力的なムード作りを行うことこそ、リーダーの仕事だと。逆に、思うようにおそうじの取り組みが進んでいない部署もあります。部署の中に一人でも後ろ向き人がいると、部署全体が悪い方向に引っ張られてしまいます。そのような場合、後ろ向き人に焦点を当てるのではなく、前向きな人にどんどん積極的に活動してもらった方が、ムードは改善します。造型係には積極的なスタッフが二名いて、彼らが引っ張ってくれています。鋳型を作る砂がこぼれて、どうしても汚れてしまう部分があるのですが、彼らはそこに十センチ程度のプラスチック製の壁を設置することで、砂が下にこぼれないように工夫をしてくれました。また、ある部分に関しては、どのくらいの期間で粉塵が堆積するのかを調査し、二週間タームでそうじをすれば、何とか清潔な状態が保てる、ということが分かった、と言います。彼らがそうじの活動を通じて、観察する力、工夫する力をつけてきているのが分かります。つまり、問題解決力が高まってきているのです。事実彼らは、他の改善提案でも良いものを出して来ているとのことです。加工工場においては、以前から床の黒ずみ、油汚れが気になっていました。今回、パトロールに行ってみると、床の一部分だけが白く光っています。聞くと、前回パトロール時の指摘を受け、さっそく汚れ落としにチャレンジしてみた、とのこと。なかなかきれいに落ちる洗剤がなく、いろいろなものを試してみたそうです。まずはやってみる素直さが尊いですね。話を聴いてみると、最近、部署内で足下のゴミを拾う人が増えた、とのこと。薪を燃やすには、燃えにくい湿った木に火をつけようとすると、時間がかかります。まずは乾いた木に火をつければ、それが燃え広がり、早く全体が燃えます。前向きな人の取り組みを後押しすることが、全体の活性化につながります。おそうじ先進企業訪問鎌田建設株式会社~社長の実践力が社員にうつる~〈ハガキに見る素直な風土〉鹿児島県霧島市にある鎌田建設株式会社さんを訪ねました。同社は、鹿児島掃除に学ぶ会の世話人も務められている鎌田善政社長が創業した会社で、社長をはじめ社員さんたちが日々、社内外を問わずそうじをされていると聞きました。社内を見せていただきましたが、さすがにトイレの裏側まで、ピカピカに磨きこまれていました。私自身が同社から学ばせていただくつもりで伺ったのですが、ご依頼を受け、僭越ながら社員さんたちを前に講演をさせていただきました。時間の関係で、実際に社員さんたちがそうじをしているシーンに立ち会うことはできなかったのですが、驚いたのは、私が自宅に戻った後です。社員さんたちからお礼のハガキが続々と届くのです。それは、社長に「お礼状を書きなさい」と言われたからかも知れません。しかし、言われたからといっても、なかなか実際には実行できないものです。なぜそれができるかといえば、それはひとえに社長自身が実践者である、ということだと思います。それまでにも私は何度も社長からおハガキをいただいています。その社長の姿勢が、社員さんたちにうつっているのでしょう。リーダーは「率先垂範」が基本ですね。ミニコラム人は使命感のためにしか死ねない~人生の価値は長さではない~〈知覧特攻平和会館〉鹿児島出張の折、知覧の特攻平和会館を訪れました。当地は太平洋戦争末期に特攻機が飛び立ったところで、特攻隊員の遺書や遺品が展示されています。遺書を読むと、涙があふれてきて、どうにも止まりません。数ある展示遺書の中から、一節をご紹介します。「生来御不幸を重ねましたが、愈々喜んで戴ける時が来ました。思へば順調な幸福な一生でした。之も御両親様の御蔭と厚く御礼申し上げます。重大なる任務を与へられて悠久の大義に生き得るは誠に無上の喜びであります。何卒長生きされて御健闘の程御祈り致します。御世話になつた方々に宜敷御伝へ下さい。」これは二十一歳で戦死した特攻隊員の遺書で、父親に向けて書かれたものです。わずか二十一歳で死に行く若者が、自分の人生を振り返り、「幸福な一生でした」と書いているのです。おそらく半分は、両親を安心させようとする配慮なのでしょうが、半分は本心だと思います。幸福か不幸かは、人生の長さで決まるのではない、ということを教えられます。たとえ短い人生だったとしても、精一杯生きていれば、最後には感謝の念しか浮かばない、ということなのでしょう。私は決して軍国主義的な特攻を賛美するものではありません。しかし、あの時代に生きた若者が、「国を守るため、郷里を守るため、家族を守るため」に自分の命を賭したその生き様には、敬服せざるをえません。「何かのために生きる(死ぬ)使命感」を持ちたいと、強く思います。お知らせ◆創業道場  高崎の仲間たちと一緒に色々と実施してきた経営の勉強会を統合して行う、相互啓発型の手作り勉強会です。目的は、「志ある経営」」を学ぶこと。創業希望者や経験の浅い経営者が主 な対象ですが、「志ある経営」を学びた い方であれば、どなたでもOKです。異業種の方々が集まる刺激的な交流 の場でもありますので、遠方からでも、一泊でぜひご参加ください。(北三公園のトイレそうじは、当勉強会の環境整備実習に統合します。) 対象者:経営者、後継者、起業志望者日時:一月四日(火)十七時半~交流会場所:高崎市問屋町「アジアナ茶廊」日時:一月五日(水)六時~七時半環境整備実習(北三公園)七時半~九時 朝食会九時~十時 良書輪読会十時~十二時 経営計画書に基づく実践発表とそれに対するアドバイス(高崎市産業創造館)講師:各界現役経営者参加費:無料(食事代等は実費)◆第一回中尾中トイレ掃除に学ぶ会以前から私と交流のあった中尾中学校の新井国彦先生が、あらたに掃除に学ぶ会を立ち上げられます。我が「目覚ましお掃除会」も協賛させていただくことにしました。日時:二月二十日(日)八時半~十一時半場所:高崎市中尾町七九一高崎市立中尾中学校対象者:どなたでも参加費:無料連絡先:中尾中学校 新井国彦 教諭株式会社そうじの力・そうじを通じた経営改革・人材育成支援    (コンサルティング、研修)・企業再建・事業継承・後継者育成支援(専門家チームプロジェクト)当社は、志(理念)を持った人と企業を応援するため、諸々の支援活動を行っております。編集後記◆お約束?ドリフ家族 ある日、自宅での昼食で、パンを食べていた時のこと。五歳の娘が「バターを塗って」というので、私が塗ってやったのですが、ボケッと考え事をしていたので、バターを塗り終わるとそのパンをそのまま食べてしまい、途中で「あっ、食べちゃった!」と気づきました。別の日のことですが、三歳の息子が風呂上りに、「僕のパンツがない、パンツがない!」と騒ぐのですが、彼の下半身を見ると、しっかりパンツを履いています。途中で気づき、「あっ、履いてた!」と嬉しそうな顔をして言うのです。私も息子も、別に狙っているわけではないのですが、ボケしまいます。