第68号「そうじの力だより」
そうじの力だより第68号活動報告小河原建設環境整備プロジェクト~現場に魂を込める~〈「仮設」で済ませない〉東京の注文住宅建築の?小河原建設で、環境整備強化のお手伝いをしています。 同社にとって、建築現場は、お客様に価値を提供する源泉です。その建築現場の環境整備の強化を進めています。 同社は以前から環境整備に取り組んでいるため、建築現場も業界水準からすれば、かなりきれいな方です。 しかし、私が最初に視察に訪れた現場では、ゴミや釘、針金などが少数ですが落ちているのが気になりました。整地されればそれらは見えなくなるのかも知れませんが、お施主さんからすれば、自分の敷地の下に、釘などが埋まっているのは気持ちの良いものではありません。 マグネットキャッチャーを使い、現場の内外に落ちているものを、徹底的に拾うように指示をしました。 また、現場には仮設トイレが設置されていますが、整地が済んでいないため、どうしても泥で汚れてしまいます。現場監督には、必ず仮設トイレをきれいにそうじするように言いました。 実は今までも、現場監督はちゃんとトイレそうじをしていたのです。しかしそのやり方を聞いてみると、柄付きブラシでザッとやるだけ。事務所のトイレをそうじする際には、ちゃんと素手でピカピカにするのに、なぜ現場の仮設トイレは柄付きブラシでザッと済ますのか。 そこに、「あくまでも『仮設』だから」という意識があるように思うのです。 しかし、お施主さんにとってその物件は、仮設でも何でもありません。ただ一つの「我が家」なのです。 さっそく社長みずからが素手でスポンジを使ってそうじをしたところ、便器がピカピカに輝きました。 こうしてトイレがきれいだと、実際に工事をする大工さんたちも、気持ちが良く、丁寧な仕事ができるはずです。 別の現場では、敷地の周辺にゴミが落ちているのが気になりました。もちろんそのゴミを落としたのは関係者ではありません。我々がその周辺の美化に義務を負っているわけでもありません。 しかし、その現場を預かる者として、向こう三軒両隣をきれいにするのは、むしろ当たり前だと思うのです。 さっそく社員さんたちが、周辺のそうじをしてくれました。家は、あくまでもその地域の中に存在しています。周辺地域が輝けば、当然、その家も輝くでしょう。現場の環境整備に共通して言えることは、いかにその現場に「魂」を込められるか、ということだと思います。おそうじ技術紙上講座書類の捨て方~ほとんどの書類は実は不要~〈「思い込み」と「思い出」を捨てる〉環境整備を進める中で、必ず聞こえてくるのが「書類が捨てられなくて困っている」という声です。書類に限らず、モノを整理する際に準拠すべき基準は、「使える」か「使えない」かで判断せずに、「使う」か「使わない」かで判断する、ということです。書類の整理の際には、以下のようなポイントで見てもらいます。〈一年以内に使ったかどうか?〉ほとんどの業務は、一年単位で動いています。したがって、過去一年間にさかのぼって読んだことのないような書類は、まず要らないと判断して良いでしょう。〈他で入手不可能か?〉社内の書類の場合、誰かがその書類を持っているはずです。少なくとも、その書類を作成した本人は、原本を持っているでしょう。ならば全員がそれを持っている必要はありません。また、近年は多くの情報がネット上で得られるようになってきました。特にメーカーのカタログ類や国や地方自治体の案内などは、ネット上の情報の方が最新で正確、ということが少なくありません。これらを、あえて紙類で持っておくのはかえってナンセンスになります。〈最新版か?〉業界紙や専門誌などのバックナンバーを、大事に取っておく人がいます。しかし、新聞や雑誌は鮮度が勝負。古い号は、すでに情報の賞味期限が切れているといってよいでしょう。同様に過年度版の専門的なガイド類を持っている人もいますが、最新版のみにするべきでしょう。すでに内容が変わっていて、使い物にならない、という可能性が大です。〈お客様情報か?〉一般的な情報か、特定のお客様に関する情報か。一般的な情報はネットなどでいくらでも入手する手段がありますが、お客様情報は他で入手が難しいものですから、取っておいた方がよいでしょう。〈中身を見ずに分かるか?〉引き出しの中を整理していて、封筒が出てきた。しかし、その封筒に何が入っているか分からない。このようなことはよくあります。中身が分からないということで、この書類が使われていないものだと判断できます。思い切って、中身を見ずに捨ててしまいましょう。整理をした後の感想を聞くと、「要るものだと思い込んでいたが、実は要らないものだと分かった」「自分では十分に捨てたつもりだったが、他の人に見てもらうと、まだ要らないものがたくさんあった」「過去の思い出を大事に取っておいてあるだけだと分かった」などが出てきます。書類の整理を進めていくと、無駄なものが排除され、本当に大事なものが何かが、見えてきます。おそうじ先進企業訪問大里綜合管理「社員教育と販促と地域貢献は一体」〈恐るべき社長の信念〉千葉県大網白里町にある大里綜合管理?様は、家主不在時の別荘地の管理を請け負っている社員五十人ほどの会社です。環境整備に熱心に取り組んでいる、という噂を聞き、仲間とお邪魔しました。「単なる見学でなく、体験実習をさせて欲しい」との私たちの要望に応えて、野老(ところ)真理子社長が、「ガードレール磨きに行きましょう」と言います。最初に聞いた時には、「へ?」と思いました。そもそも、ガードレールを磨く、という発想がありません。しかし考えてみれば、ガードレールというものがなければ、車も歩行者も困ってしまいます。でもそのガードレールを誰がきれいにするのか、と言えば、誰もしません。ならば「自分たちがきれいにすればいいじゃないか」という発想です。同社の社員さんに教えてもらって、慣れない手つきでガードレールを磨かせてもらいました。見ると、ガードレール表面にはびっしりと黒い汚れがついています。ところどころ、錆びてもいます。ナイロンたわしに水をつけて軽く磨くと、驚くほどきれいに元の白い姿が見えてきました。頃は一月の中旬。寒風吹きすさぶ中で、手がかじかみ、感覚がなくなってきます。正直、大変につらい作業でした。 驚いたことに、このつらい作業を、同社のある若手社員は、毎朝四時台に起きて、黙々と毎日続けているのだそうです。 翌朝は、最寄駅での階段磨きから始まります。「階段磨き?」これも私の発想にはありませんでした。 次に、最寄駅の自転車置き場で、自転車の整頓です。同社の社員さんたちが作業を始めると、地域の住民の方々が次々とやってきて、一緒にやるのです。 その他にも、駅前の交通整理や、学校の生徒たちのための横断歩道誘導など、実に百五十もの地域貢献活動をされている、とのこと。 同社の経営計画書には、地域貢献のページに「住民一人一貢献」と目標値が書かれています。 すでに、「わが社」という枠を超えてしまっているのです。 なぜこれほどまでに環境整備や地域貢献活動に熱心に取り組んでいるのか。野老社長によれば、それはある痛ましい事故を引き起こしてしまった反省から始まった、と言います。 このような事故を防ぐためには、「気づき」を高めていくしかない。「気づき」を養うためには環境整備だ、ということで取り組み始めたとのこと。 ただ、きっかけはどうあれ、ここまで深めていくこと、極めていくことは容易なことではありません。 「社員教育と販促と地域貢献は一体なのです」と野老社長は言います。「気づきを養う」「地域を盛り立てる」ことにかける野老社長の強い信念をこそ、私たちは学ぶべきなのでしょう。お知らせ◆第五回 経営計画コンベンション「志ある経営」を目指して一緒に勉強する仲間による、経営方針のプレゼンテーションの場です。本コンベンションの目的は、まず経営計画書を作成すること。そして、発表することで、自分自身の決意が固まり、他人の発表を聞くことで、その考え方や取り組みを参考にすることができます。応援してくれるオブザーバーも歓迎します。遠方の方にはホテルをご紹介します。 日 時:四月六日(水)九時~十二時場 所:高崎市産業創造館対象者:経営者、後継者、起業志望者参加費:三五00円(昼食代込)◆創業道場(原則毎月開催)対象者:経営者、後継者、起業志望者日 程:三月二日(水)、五月十一日(水)、六月一日(水)、七月六日(水)、九月七日(水)、十月五日(水)、十一月二日(水)、十二月七日(水)内 容:六時~七時半環境整備実習(北三公園他)七時半~九時 朝食会九時~十時 良書輪読会十時~十二時 経営計画書に基づく実践発表と意見交換(高崎市産業創造館)参加費:無料(食事代等は実費)◆北三公園トイレそうじ日 時:三月二日(火)六時~七時株式会社そうじの力〈環境整備を核とした経営改革の支援〉講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習(トイレそうじ、倉庫内不要物撤去、工場内機械磨き、洗車、書類の整理整頓、周辺地域清掃など)を通じて、社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。現状調査(診断)やご相談は無料です。お気軽にお問合せください。編集後記◆ちょっと憑(つ)かれてる?「明日は全線開通したばかりの青森新幹線に乗るの?」と、妻が聞きます。私「へ?だって明日は茨城だよ」妻「だって、イタコでしょ。恐山って、青森じゃなかったっけ?」私「おー、ザッツライト。恐山は確かに青森だが、イタコはイタコでも、今回は茨城県の潮来(いたこ)市。別におじいちゃんの霊にお告げを聞きに行くわけじゃないから。」妻「・・・」イタコへの出張が増えそうです・・・。