【第167号】「うまくいかない」から、分かることがある|(株)TOYBOX

そうじの力だより vol.167支援事例紹介本質的問題の発見と解決こそが「そうじの力」!~うまくいかないから、分かることがある~大阪府枚方市で二つのテニススクールを運営する、()TOYBOX。三年前から、弊社がお手伝いして環境整備の取り組みを行っています。当初は、モノが多く、雑然としていた事務所、クラブハウス、テニスコートですが、現在では整然とした状態になっています。「誰かが分かればいい」という状態ではなく、「誰もが分かる」状態を目指して、モノの定位置化を進めています。たとえば、事務所の書類のファイルは、背表紙を統一し、ファイルの置場も明記することで、誰でも取り出しやすく、戻しやすい工夫をしています。コーチのラケット置場にも、名前を明記して、乱れないようにしています。また、お客様であるスクール生にも分かりやすいように、雑誌の置場も明確にしています。クラブハウスの壁には、たくさんの掲示物が貼ってあったのですが、あまり掲示物が多いとかえって読まなくなるので、数を絞って、本当に必要なものだけ貼るようにしました。販売しているラケットの試打コーナーでは、どのラケットがどういう特徴があるのか、すぐに分かるように工夫されています。とはいえ、もとより環境整備の目的は、見た目をキレイにすることではありません。同社においては、環境整備の活動において、フロントスタッフ(主に女性)とコーチングスタッフ(主に男性)をペアにして、一緒に活動するようにしています。こうすることで、お互いに声を掛けあい、やり忘れなどを防ぐとともに、他者の視点が入ることで、当事者では慣れの為に気づかないことも気づくことができる、といったメリットがあります。おかげで、他のテニススクールではおうおうにして、フロントとコーチのコミュニケーションが良くない、といったことがあるようですが、同社では、フロントとコーチの連携がうまく取れている、とのことです。ところが、先日、数か月ぶりに研修に伺ったところ、少し様子が変です。その前の研修で決めた活動計画が、あまり実行されていないとの報告。ここ半年ほど、二校目が開校し、コートの仕様変更などの予定外の環境変化などもあり、人手不足と時間的制約で、やりたいことがやれていない、とのこと。よく聞くと、やることが決められているはずの朝礼も、ここのところ行われていない、ということです。実は、整理整頓が進んでいないということよりも、ここが問題なのです。やると決めたことがやられていない。なぜ、出来なかったのか?そして、どのようにすれば、出来るようになるのか?こうしたことを、皆さんで話し合ってもらいました。朝礼で言えば、メニューをフルに行うと、十五分間くらいかかるそうですが、内容を簡略化して、五分間に短縮してはどうでしょうか。あるいは、朝に行うことが難しければ、昼(昼礼)あるいは夕方(夕礼)に行うこともできるはずです。やると決めたことをやり続けることは、実は意外に難しいことなのです。逆に言えば、あくまでやり続けることは、困難にぶち当たっても、それを乗り越える力を身に着ける訓練になります。今回の研修で、このような「本質的な問題」が明らかになり、それに対する解決策が共有されたことは、とても良かったと思うのです。「そうじ」とは、決して見た目をキレイにすることではなく、本質的問題をあぶり出し、それに手を打って良くする営みであり、だからこそ「そうじの力」は組織を変える力になるのです。同社の塚本将二社長は、「環境整備は当社で一番大切な活動。なぜならば、そうじを続けられるマインドこそが、業務を良くする基本だから。今後も、ずっと続けていく。」とコメントしています(小早)「そうじの力」今月の読書から『消費税という巨大権益』大村大次郎著~既得権益が日本を滅ぼす~ 消費税については、以前から反対でした。それは決して嫌税意識や感情論ではありません。信頼できる識者が軒並み、「消費税を上げる必要はない」「他に財源はある」という主張をしているのです。 今回本書を読んで、その考えは確信に変わりました。しかし、それ以上に本書で衝撃だったのは、税制の枠にとどまらない、わが国の深く暗い闇についてです。 まず、「少子高齢化のために、社会保障費が増大する。そのため、消費税が不可欠」という大義名分が、まったく的外れである、ということです。 消費税が導入されたのは、1989年。その直後に、法人税と所得税が下げられました。また、消費税が3%から5%に引き上げられたのが1997年。この直後にも法人税と所得税が下げられています。所得税の税収は1991年には26.7兆円以上あったのに、2018年には19兆円になっています。法人税は1989年には19兆円だったものが、2018年には12兆円。つまり、法人税と所得税の税収は、この30年間に14.7兆円も減っており、一方、現在の消費税の税収は17.6兆円なのです。 つまり、法人税と所得税の減税をしなければ、そもそも消費税は不要だったわけで、言わば、消費税は法人税と所得税の減税の穴埋めに使われている、と見ることができましょう。 また、消費税の一番の問題点は、その「逆進性」にあります。つまり、貧しい者ほど収入における負担割合が高くなる、ということです。 「金持ちも貧乏人も、消費した額に応じて同じ割合を負担するのだから、公平だ」という主張がありますが、それは違います。なぜなら、貧乏人ならばほとんど消費はせず、金持ちほど消費をする、ということではないからです。年収の低い人ほど、食費や住居費で、そのほとんどを消費してしまうでしょう。一方、金持ちにしてみれば、生活にかかる費用以外は貯蓄に回すこともできるので、高所得者ほど、負担感は少なくなります。 他にも、「日本の法人税は世界的に高い」という喧伝も、優遇税制や控除、補助金などを含めれば、決して高くなく、むしろ先進諸外国に比べて低いこと。 自動車など輸出産業には、消費税の「戻し税」というものがあり、中には払う額よりも戻る額の方が大きいこともあること。 そして、健康保険や年金などの社会保険料は、ある一定の収入以上は掛金が増えないために、金持ちほど負担割合は軽くなること。 この消費税を推進しているのが、マスコミと大企業と財務省です。大企業は法人税の減税や戻り税によってさらに潤い、天下り先が潤うことで財務省もおいしい汁をすすることができる。わが国は、一部の既得権益層によって、根っこから食い荒らされているようです。         (小早)株式会社そうじの力そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社はそうじを通じた企業の「組織変革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第167201961日発行発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町373-6TEL:027-315-2333 FAX027-315-2334メール:info@soujinochikara.com