【第168号】みずから考え、みずから動ける組織へ!|滝澤酒造(株)

そうじの力だより vol.168支援事例紹介みずから考え、みずから動ける組織へ!~滝澤酒造「そうじの力」~埼玉県深谷市の滝澤酒造(株)。日本酒「菊泉」を造る、創業一五六年という老舗の蔵元です。ここで、一年前から、私がお手伝いしての環境整備の取り組みがはじまりました。歴史ある会社だけに、当初は、骨董品と呼べるような、古い時代の道具や設備が大量に残っていました。まずは、セオリーどおり、整理、つまり不要なものを捨てていきます。昔使っていて今はもう使っていない道具は、一部、博物館に並べても良いような、価値のあるものだけを残して、ほとんどすべて処分しました。昔は、今と比べて職人も多数いて、必要となる物の量も多かったのですが、現在はコンパクトな体制になっているので、必要最低限の量に減らしていきました。酒ビンに貼るラベルも、すでに廃盤になった商品のラベルや、古いデザインのラベルなどもあったので、現在使っているラベルのみにしました。梱包材も、今の規格に合わないものは捨てて、今現在使っているもののみにしました。昔に比べると、日本酒の生産量も減っているので、タンクも余っています。使っていない大型のタンクを撤去したことで、大きなスペースが生まれ、作業性も向上しました。同社においては、全員参加で活動を進めています。活動を進める中で、滝澤英之社長が「ウチの会社って、こんなに活気があったんだ」と驚くほど、皆さんの中に活気が出てきました。もとより環境整備の取り組みは、見た目を良くすることが目的ではありません。滝澤社長の想いとして、まず、「日本酒の力で人を幸せにしたい」というのがあります。理念といってもよいでしょう。そのために、「より強い組織を作り、変化に対応し、革新的な商品やサービスを生み出す力のある集団にする」ことが、環境整備の目的なのです。活動をはじめた当初、水面下にあるさまざまな問題が表面化していきました。まず、朝礼が不定期で、必要な連絡事項が共有されていないこと。この際、毎日必ず朝礼を行おう、ということになりました。また、商品を保冷しておく冷蔵庫の中は、商品の置き方が人によってバラバラで、販売や配送する人が困っている、とのことでした。これも、この際、統一したルールに基づき、誰でも分かるような置き方にしよう、ということになりました。酒蔵において、冬場は仕込の時期で、繁忙期です。なので、冬場は少しペースダウンして、春からまた本格的に活動を再開しました。私が数か月ぶりに同社に研修に訪れた際、ここしばらくは予定していた活動ができなかった、という報告がありました。そこで、なぜ予定したことができなかったのか、どうすればできるようになるのか、を皆さんで話し合ってもらいました。活動する時間帯は、いつが最適なのか?朝なのか昼なのか夜なのか?各人で取り組むのか、皆で集まって取り組むのか?そして、そうした話を端緒にして、会社のスケジュールに各人の意見を反映させようとか、イベントの予定を全員で共有しようとか、さまざまな業務改善のアイデアが出てきました。話し合いの結果、今後は、毎日一〇分間、各人で気がついた所をそうじしよう、そして、二週間に一回は、全員で集まって大掛かりなそうじをしよう、ということに決まりました。また、誰がどこをやったか分かるように、時間と場所のマトリックスを作り、記入していくようにしました。二週間に一回の集まりでは、前半は、いろいろな情報を共有し合うミーティングに充て、後半を整理などの作業に充てています。つい先日の研修においては、よりいっそう各人が自発的に動けるように、活動の指針を作ろうということになり、皆で意見を出し合って活動指針を作りました。こうした取り組みを通じて、滝澤社長は、「社員がみずから考え、みずから動けるようになってきた」と手ごたえを感じているようです。(小早)コラム下手くそギターが上手くならないのはなぜか?私の趣味の一つが、ギターです。 実は私のギター歴は、四〇年近くにもなります。四〇年と聞くと、さぞや上手いのだろう、と思われると思いますが、さにあらず。下手くそなのです(笑)。 なぜ四〇年も弾いていて、上達しないのか?その理由は明確で、「我流ではじめたために」「基礎ができていない」からです。 ギターというのは、面白い楽器で、音楽的基礎知識がなくても、それなりに弾けてしまう楽器なのです。 コードというものがありまして、主要なコードの押さえ方を覚えて、ジャカジャカ弾いていれば、なんとなくそれなりに弾けている気になってしまうのです。 また、五線譜が読めなくても、ギター専用の「TAB譜」というものがありまして、それさえ追っていけば、素人でもどうにか弾けてしまうのです。 でも、それではいつまでたっても上達しません。そこで、五年ほど前から、ヤマハのギター教室に通っています。 生まれて初めて、プロにギターの手ほどきを受けています。教えてもらうと、なるほど、新鮮な驚きの連続です。 「この音はこうやって出すのか!」「ここはこういう弾き方をしているのか!」と、目からウロコの連続です。コードの持つ意味も、少しずつ分かってきました。 最初の先生は、若い方で、エレキを中心に弾いている人でした。「どんな曲でもいいから、小早さんがやりたい曲をやりましょう」と言ってくれたので、ロックからポップス、邦楽も洋楽も含めて、いろいろな曲をコピーしてもらいました。 ところが、約五年間お世話になったこの先生が、事情により辞めて、状況が一変しました。 後任の先生は、クラシックギターを中心に弾いているおじいちゃん。当初、「ちょっと方向性が違うんだよなぁ」と思っていたのですが、しっかりと話をしてみると、どうやら私に足りない部分を補ってくれそうなようす。 まず、「ドレミファソラシド」を弾いてみて、と言われて弾くのですが、まともに弾けません。五線譜を目の前に出されて、弾いてみて、と言われるのですが、「五線譜が読めません」と答えると、ズッコケてしまいます。 「まったく基礎ができていないんだね」と言われて、「そうです」としか答えようがありません。「じゃあ、アドリブもできないでしょ?」「はい、アドリブはできません」「できるようになりたくない?」「なりたいです」 ということで、アドリブを弾けるようになりたいという想いで、基礎の基礎からやり直すという一大決心をしました(笑)。 何ごとも、基礎が大切。我流だと時間を浪費する、というお話でした。(小早)株式会社そうじの力そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ”を通じた企業の「組織変革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第1682019年7月1日発行発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町373-6TEL:027-315-2333 FAX:027-315-2334メール:info@soujinochikara.com