【第181号】コロナ禍を利用して“情念研修”で再起を図る|Mランド

そうじの力だより第181号支援事例紹介ピンチをチャンスに変える~コロナ禍を利用して“情念研修”で再起を図る~島根県益田市の益田ドライビングスクール=通称「Mランド」。合宿教習を主体とする自動車教習所です。同社では、教習所を単に免許を取得する場ではなく、若者が立派な日本人として自立できるよう支援する場、ととらえています。そのため、特に挨拶に力を入れており、従業員が明るく大きな声で挨拶するのは当然ながら、ゲスト(教習生)も、ここに来ると自然と挨拶をするようになります。また、ゲストが朝のボランティア活動として、トイレ掃除や洗車などを行います。こうしたボランティア活動を行うと、所内で流通する地域通貨である「Mマネー」を受け取ることができ、それで売店などで買い物ができるのです。当初はMマネー目的で掃除などを始めるゲストも、続けていくうちに、その気持ち良さを実感し、Mマネーに関係なく取り組むようになるのだそうです。その他、「ありがとうカード」の交換など、さまざまなユニークな取り組みで、全国的に注目を集めている企業なのです。同社では、「そうじの力」を、社員同士が互いに協力し、創意工夫していくための活動として、十五班のグループを組んで活動を行っています。このユニークな同社を生み、育ててきた創業者である小河二郎氏が、一昨年の十一月に逝去されました。現在は、二代目である小河吉彦社長が継いでいます。若き二代目が、少しずつ新しい体制を築きつつあったこの春に、コロナ禍が勃発してしまったのです。当初描いていた計画は、大幅に修正せざるを得ませんでした。まず、感染拡大を防止するために、合宿を取り止めました。同社の柱は合宿教習。ピーク時には四百名超の合宿生で賑わう同社にとって、大打撃の措置です。しかし、嘆いていても仕方がありません。お客様の減少により余った時間を、有効に活用しよう。普段、忙しくてできなかったことを、この機会にやろう、と気持ちを切り替えました。以下、同社の機関誌『Mランドニュース』からの抜粋です。《現在、合宿再開に向けての日々を「情念研修」と位置付け、各部署並びに部署を越えた横断的な組織で、様々な研修に取り組んでいます。(中略)研修では、①各部署の改善提案②そうじの力③地域貢献、の三つを柱として取り組んでいます。改善提案は、昨年全社員に出してもらった提案を検討、優先順位をつけ、それらをカタチにする。そうじの力は、部署間を越えたメンバーで普段できない場所の掃除、断捨離に取り組んでいるところです。また、地域貢献では、益田市内の教習コースの草刈りやゴミ拾いを行い、高齢者講習を受講される方や通学生には、手作りマスクを配り続けています。》そして目玉は、六月十三日に、全社員で一日かけて、「そうじの力」の活動を行ったことです。ある班の活動のようすです。《「受付カウンター」の整備をしました。マスクで笑顔が届きにくいため、せめてもと、お客様を迎える顔を磨き直しました。皆で研磨した粉で全身まつ毛まで真っ白になりながら、慣れない作業に夢中になり、悪戦苦闘しながら、他の班にも協力してもらい、何とか完成。ピカピカのカウンターができ上がりました。》また別の班の活動のようすです。《Mランドと言えば免許。普段は講習で使用する高所作業車を操作し、高い屋根の雨どいのそうじを行いました。当然作業者は有資格者で、フルハーネス型安全帯装着です。》現在は、地域を限定して合宿教習を再開しています。一刻も早くコロナ禍が終息し、以前のように全国から合宿生が集まる日が来ることを、お祈りしております。    (小早)今月の読書から『疫病2020』門田隆将 著~私たち自身の怠慢が、この災厄を招いた~ 武漢コロナウィルスによって引き起こされた災厄とは、いったい何なのか?本書は、一連の騒動で露わになった世界と日本の問題点を総括しています。 本書では大きく、「国民の命を守る気などない厚労官僚」「リスクがあっても中国依存をやめない日本企業」「日本が見習うべき台湾」「現実を直視できない安倍官邸」「人工合成の疑いの強いウィルス」「日本を救った『現場力』」というような観点で、解説しています。 以下、印象に残った部分の引用です。 〈業界の多くの企業と結びつき、キャリア・ノンキャリア問わず、膨大な天下りポストを準備する厚労官僚たち。(中略)国民の命というのは、厚労省の官僚たちにとっては“眼中にない”という表現のほうが正しいかもしれない。(中略)そもそも安倍首相がそんな厚労省を信頼し、中国の入国禁止に踏み切らなかったこと自体が、私には信じがたいのである。〉 〈新型コロナの有力な治療薬候補に、安倍首相が「早期の承認を目指す」「なんとか5月中の承認を」と熱心に説き続けた「アビガン」がある。(中略)開発したのが製薬企業ではない富士フィルムだったため、厚労省からさまざまな嫌がらせを受けてきたとされる。〉 〈サッカーアジアカップの反日行為に端を発し、翌2005年に成都、北京、上海などで起こった反日デモ、また尖閣の国有化を端緒とする2012年の反日暴動もあった。(中略)しかし、それでも日本企業の中国進出は止まらなかった。〉 〈私はどうしても、台湾が台湾海峡を挟んで中国共産党と向き合う国であることを考えてしまう。つまり、アメリカの核の傘の下で、最初から日米安保体制で国家の安全を他国に委ねてきた日本のように、台湾は“平和ボケ”していないのである。(中略)これからは、日本が「台湾から学ぶ時代」なのだ。〉 〈なぜこれほど日本はコロナ対策が後手に回ったのか。そのことを突き詰めていけば、やはり永田町、霞が関のどの人に聞いても、最後は必ず「習近平国賓来日」の問題にぶつかった。(中略)親中派の人間は一般に想像されているよりも、はるかに多いことを日本人は自覚しておく方がいいだろう。〉 〈しかし、前述のように日本には、高い使命感と責任感を持った医療従事者たちが存在していた。(中略)さらに、子供の頃から手洗いやうがい等の必要性を学び、世界で類をみない衛生観念を持つ清潔な国民性もあった。(中略)日本人が“現場力”で戦ってきたことは歴史が証明している。〉 政治家を選ぶのも、私たち国民です。そして、企業活動を決定づけるのも、私たち国民です。私たち国民の一人ひとりの人生観、職業観、国家観が変わらなければ、今回のような苦難は、今後も延々と続いていくことでしょう。     (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第181号 2020年8月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com