【第183号】「捨てる」とは「執着を断ち切る」こと!|(株)森田石材店

そうじの力だより第183号支援事例紹介「捨てる」とは「執着を断ち切る」こと!~やらされ感から自主的な創意工夫へ~兵庫県丹波市の(株)森田石材店。さまざまな業務を「見える化」し、適切な管理ができるよう、整理整頓の行き届いた会社を目指しています。この「そうじの力プロジェクト」も三年目に入りました。同社では、本社事務部門、葬祭部、技術部、本店営業部、篠山店、滝野店、というそれぞれの部門が、お互いに協力しつつも、良い意味で競い合って活動を進めています。毎回の研修会においては、持ち回りで各部門の現場を見て回ります。改善を要する点については、いっそうの奮起を促し、改善が進んだ点については、褒め合い、他部門にも拡げていきます。同社の共通した課題は、「モノを捨てる」こと。トップから末端まで、なかなかモノが捨てられず、当初はさまざまなモノがあふれていました。本社の敷地内には、石材の在庫が山積みになっていました。もちろん、使うあてのある在庫は取っておくべきなのですが、中には、石種や形状から、使う見込みのない石もあります。それらに見切りをつけるのに、時間がかかりました。長年の「石材=宝」という意識を、「使わない石材=ゴミ」という意識に転換することで、ようやくこれらの在庫を処分することができました。これによって、本社の敷地内にあった石材用のラックを半分撤去することができ、空いたスペースを有効活用することができるようになりました。荷受け作業がしやすくなり、トラックの駐車スペースも確保できるようになりました。この石材在庫の処分には、森田茂樹社長の並々ならぬ決意が表れています。先代、先々代から受け継いだ石材を処分することは、大きな勇気が要ったことでしょう。次に、販売店にも変化が訪れます。滝野店は、これまでなかなかモノが捨てられず、活動がいまひとつ進まなかった拠点です。今回、異動があって人が入れ替わったこともあり、以前とはだいぶムードが変わってきたようです。以前は書類をはじめとするさまざまなものが収納され、一杯だった書棚。今回見てみると、中身がスカスカになっていて、ずいぶんとスペースに余裕があります。「以前にあったものはどうしたのか?」と聞いてみると、「よくよく考えると不要なものばかりだったので、捨てました」との答え。こうしてモノが減り、スペースに余裕ができてくると、残ったものをより機能的にするための配置(整頓)がしやすくなります。また、事務所のデスクも同様に、「机上ゼロ」になっていました。以前のデスクは、パーテーションで仕切られ、それぞれの書類が机上に積み上げられていました。私が行くたびに、机上ゼロにするよう促すのですが、なかなか前に進みませんでした。様変わりした滝野店を見て、他の部門の社員たちから、「頑張ったね!」「よく思い切ったね!」とお褒めの言葉が出ます。滝野店の社員いわく、「捨てても、何の問題もなかった」「やってみると、こちらのほうがいい」とのこと。モノが捨てられないのは、しがらみがあるからです。変なこだわりがあるからです。執着があるからなのです。だからモノを捨てるということは、しがらみを捨て、妙なこだわりを捨て、執着を断ち切る、ということなのです。全般的に社員さんたちの話を聞いてみると、「以前はやらされ感があったが、今はそれぞれの社員がアイデアを出し合い、より良くしようと活動している」ということのようです。今後は、消耗品や販促品、そして商品の在庫についても、より適切な管理ができるように、社内の仕組みを整えていきます。同社の「そうじの力」は、三年目を迎えて、徐々にですが、着実に実を結びつつあります。          (小早)今月の読書から『お父さん、日本のことを教えて!』赤塚高仁~あらためて学びたい教育勅語~ 今年は2680年だ、と言うと、「何のこっちゃ?」と思われるかもしれませんが、これは「皇紀」のことです。日本神話によれば、紀元前660年2月11日に、神武天皇がわが日本を作ったとされており、日本は世界で一番古い国なのです。 「それは伝説であって事実ではない」と言う人もいるかもしれませんが、「そうだとされている」ことは事実であり、少なく見積もっても1300年以上、単一の王朝が続いていることは間違いなく、やはり世界一であることに変わりはありません。 戦後、GHQによって、学校教育で歴史や地理、修身を教えることが禁じられ、日本人は、「日本とはどういう国か?日本人とはどういう国民か?」ということを知ることなく生きてきてしまいました。 また、「戦前に尊ばれていたものはすべて全体主義的、軍国主義的なものだ」という刷り込みがなされ、日本神話や皇室のことや、祝祭日の意義なども、いっさい教えられなくなってしまいました。 そんな中でも、もっとも誤解されているのが、『教育勅語』ではないでしょうか。誰かが教育勅語を評価するような発言をした途端、「軍国主義に賛同するのか!」と、非難轟々で大騒ぎになります。 しかし、そうした非難をする人は、間違いなく、教育勅語を読んでいません。 私も、教育勅語は読んだことがなく、やはり、軍国主義的なものだと思っていました。ところが、あるきっかけで教育勅語の原文および現代語訳を読み、自分が完全に誤っていたことを知りました。 教育勅語には、軍国主義的な要素は一つもないだけでなく、天皇からの命令的な要素や、神道的な要素、家父長的な要素、男尊女卑的要素、そして滅私奉公的要素も、いっさいありません。 教育勅語で謳われているのは、「親孝行」「兄弟姉妹の友和」「夫婦の相和」「友との相互信頼」「謙遜」「博愛」「学問の奨励と就業の尊重」「智能の啓発」「人格の向上」「社会公共への貢献」「遵法」「義勇」の、12の徳目です。 これこそ、世界を平和に導く、日本が誇れる国家理念ではないでしょうか。 本書の「はじめに」が印象的です。〈ある女子高生の話です。彼女は高1のときにアメリカに留学しました。(中略)あるとき、ホストファミリーのお母さんが彼女に聞いてきました。「日本はいつ、誰が作った国なの?」彼女は答えを知りませんでした。(中略)ホストファミリーのお母さんは驚き、そして諭すように言いました。「自分の国を愛せないで、他の国を愛せる?(中略)まずは自分の国のことをわかったほうがいいわ。」〉 会社ならば、創業の歴史や理念を知ることは、とても大切なことです。同じように、日本人として日本の起源や国家の理念を学びたいものです。      (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第183号 2020年10月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333  FAX:050-6868-2721  メール:info@soujinochikara.com