【第184号】”そうじ”で「フィロソフィ」を血肉化する|野崎自動車(株)
そうじの力だより第184号支援事例紹介「そうじ」で「フィロソフィ」を血肉化する~実践を通じて中核社員の育成を図る~香川県高松市の野崎自動車(株)。三つの車検工場と、大型車修理工場、そして鈑金工場の合計五拠点を有する、自動車整備および販売会社です。ここで二年余り前から、「そうじの力」の取り組みをお手伝いしています。同社は、稲盛和夫氏の主宰する「盛和塾」の会員で、稲盛氏の提唱する「フィロソフィ」を社是として掲げて経営しています。野崎敬三社長は、フィロソフィを社員に浸透させようと、熱心に取り組んでおられます。しかしこのフィロソフィ、掲げるだけでは絵に描いた餅で終わってしまいます。それを血肉化し、定着・浸透させるためには、何らかの実践が必要です。野崎社長は、“そうじ”という実践を通じて、フィロソフィを血肉化させようとしているのです。定期的に五拠点の工場長を集めて「そうじの力」の研修会を開催しています。研修においては、参加者で実際に現場を見て回ったり、実習を行ったりします。その中で、フィロソフィを参照しながら進めています。たとえば、フィロソフィに『完全主義を貫く』という項目があります。そうじにおいては、「そこそこキレイならば、それでいいじゃないか」という意見が出ることがあります。でもそれでは、「完全主義」ではありません。パッと見える表面だけキレイでも、隅の方や奥の方を見るとゴミや汚れが溜まっていたりするならば、それは完全ではありません。隅や奥、裏などの「見えない所」もキレイにすることが、「完全主義」につながります。また、『有意注意で判断力を磨く』という項目もあります。工場内では、どうしても車から外した使用済みの細かい部品やゴミなどが散乱してしまいがちです。油分なども垂れてしまいがちです。それを放置しておくのではなく、常に注意を怠らず、床面をキレイな状態に保っておく。それこそが、「有意注意」なのではないでしょうか。あるいは、『公私のけじめを大切にする』という項目。クルマの会社なので、クルマ好きの社員が多く、倉庫にタイヤなどの私物を置いておくケースが多くありました。しかし、これは公私混同です。公共の場である会社の倉庫に、私物を置いてはいけません。なので、当初は不満の声も聞かれたのですが、すべての拠点の倉庫から、こういった私物を撤去してもらいました。こんなふうにして、フィロソフィとそうじをリンクさせながら、研修を進めています。実際の現場の状況としては、それなりに歴史のある会社なので、あちらこちらに長年の不要物が溜まっていました。それを整理していっています。ある拠点では、中二階に、古タイヤや売れ残ったカーケア用品、取り外したシート、ビスやプラグといった部品や工具が、大量に溜まっていました。それらを整理していき、ほぼ全てを捨てて、そこに新たに整備員たちの休憩所を作ることができました。またある拠点では、ラジエーター用冷却液(LLC)がどうしても充填機のコックから漏れてしまい、床面が汚れていました。そこに吸着マットを敷き、こまめに交換するようにしました。おかげで、常にキレイな状態が保たれています。また別の拠点では、塗装ブース内部に固着した塗料の微粉末を、コツコツとこそげ落としています。まだまだ課題は多いのですが、少しずつ前進しています。この「そうじの力」の活動は、会社の中核を担う工場長たちの成長の場となっています。まだ若い彼らが、将来の会社の担い手です。このコロナ禍で、同社の経営も苦しい状態が続いています。外出の自粛により、人々の車の使用が減ったことが、大きく影響しているのです。それでも、人は辞めず、社員の士気は高いままだ、と言います。野崎社長は、「フィロソフィとそうじの力は、社員育成の両輪だ」と言っておられます。 (小早)今月の読書から『ここまでわかった新型コロナ』上久保靖彦・小川榮太郎 著~日本は既に集団免疫を獲得している~ 世間の常識とかけ離れたことが書かれていますが、科学的なデータや緻密な計算に裏付けられた理論です。以下、引用です〈コロナというのは、もともと無症候の風邪なんです。ちょっと症状が強く見えるときもあるし、まったく症状に気づかない時もあるのです。〉〈結論から申し上げますと、日本はもう大半が感染し終わって、免疫を持っているという状況になって久しいと私どもでは考えています。〉〈順番としては、S型、K型、武漢G型、欧米G型となる。日本では、海外からの渡航者が途切れないまま、段階的にすべて感染者数が上がっていって集団免疫に達した為、被害が少なかった。逆に欧米ではこのうちのK型が入らなかった為、免疫の達成に大きな問題が生じて、被害が拡大した。〉〈日本では2019年から今年の春にかけてのインフルエンザ感染が例年に比べ圧倒的に少なかった。(中略)これはS型が入って来た時のウィルス干渉だと考えられます。(中略)コロナに感染した人はインフルエンザに感染できない。〉〈今回新型コロナでは約1千人亡くなっています。(中略)2019年の日本の死亡者数は、137万6千人です。死亡原因別では、癌が37万4千人で(中略)インフルエンザが3千人。(中略)こうした中に新型コロナウィルスを置いてみれば、大変マイナーな死因と言う他ありません。〉〈この1か月ほどの新型コロナの1日の死者数はゼロから最大16人まで、しかもこのところ50代未満死亡は極めて稀です。〉〈日本でも6月18日に、厚労省が、PCRで陽性になった人は、他の死因であっても全部コロナで死亡と数えるように各都道府県に通知しています。(中略)大きな水増しがこれから明らかになってゆくと思いますよ。〉〈アメリカは1月下旬、武漢の閉鎖になった途端に入国を禁じました。この1月下旬は丁度K型の入り始めです。それを日本は入れたが欧米は入れなかった。(中略)例えばS型に罹っていてK型に罹っていない。そこにG型が来るとADEで劇症化してしまう人がたくさん出てしまう。〉〈コロナに関しては何もしたらダメなんです。(中略)世界各国が国を閉めたことが間違いだったのです。(中略)要するに免疫が作れなくなるから。(中略)エボラなどの場合は発生した地域を閉鎖します。(中略)激烈な症状を伴うウィルスは閉じ込める。しかし無症候のウィルスは平常運転を続けないと寧ろ危険だ〉〈閉鎖を続けていると再び感染爆発が起こります。(中略)海外とは渡航制限なしにする。(中略)逆に、国を開かずに、免疫形成に不自然な穴を開けたら、大なり小なり欧米を直撃したのと同じ現象が日本でも起きますよ。〉 グラフや図などを用いて分かりやすく解説されています。ご興味のある方、ぜひ本書を直接読んでみてください。 (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第184号 2020年11月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com