【第188号】モノの掃除を通じてコトを“そうじ”する|(株)イシカワ

そうじの力だより第188号支援事例紹介モノの掃除を通じて、コトを“そうじ”する~ルールを明確化し、ルールを守る風土をつくる~香川県琴平町の(株)イシカワ。「こんぴらさん」で親しまれる金刀比羅宮の麓にある、福祉用品のレンタル・販売の社員七人ほどの小さな会社です。ここで、三年ほど前から「そうじの力」のお手伝いをしています。同社では、物理的な整理・整頓・清掃を行いながら、組織のあり方や運営方法を整えていっています。主眼を置いているのは、「ルールを明確にする」こと、そしてその「ルールを守る」風土を作ることです。これまでは家族経営だったために、色々なものが曖昧で、なあなあでした。それら一つひとつの実態を明らかにし、どうあるべきかを明確にし、それが守れるようにしてきました。不要物の整理や書類の整理、倉庫内の在庫の整理も、進めてきました。二年間ほどそうした活動を続けてきましたが、なぜか、今一つピリッとしません。人もなかなか定着せず、入って来た社員も、すぐに辞めてしまうような状態でした。そこで、一年ほど前からカンフル剤的に導入したのが、毎朝三〇分間、全員で床磨きをすることでした。この床磨きの目的は、①毎朝、皆が集まる②心を整える③ベクトルを合わせるという三つです。業種柄、お客様からの呼び出しが多く、なかなか全員が集まれない状態が長く続いていました。朝礼時にも、社員の半数以上が不在ということも珍しくありません。そうなると、自然、コミュニケーションを取るのも難しく、様々な問題も起こっていました。しかし、この床磨きを導入してから、朝、皆が集まれるようになってきました。徐々に磨いた範囲が拡がるにつれ、これまで黒くくすんでいた床面が光り輝き、店内が明るくなってきました。ただ、一つ問題があり、こうして朝に床磨きをすると、営業に出掛けるのが遅くなってしまうのです。そこで、皆で話し合った結果、定時を一時間前倒しすることにしました。これが奏功しました。前倒しすることで、気兼ねなく床磨きに集中できます。電話も、ほとんどかかってきません。通勤ラッシュを避けられるので、通勤時に道が混まない、というオマケまでつきました。朝、こうして掃除と朝礼をしっかりと行い、営業にも早く出られる。ここから、いろいろなことがうまく回っていくようになりました。来たる四月には、同社としてはじめて新卒社員を二人迎えます。これまでの社内では手狭で申し訳ないということで、全面的にレイアウトを変更することになりました。といっても、スペースは有限です。だから、不要なものを捨てて、使える空間を増やすしかありません。一年以上使っていないものは、無条件で捨てる、と決めて、どんどん捨てていきました。売れ残って置場に困っていた大型の浴用機器も、思い切って廃棄しました。オムツやクッションなどの商品在庫についても、一年ルールを適用して、バーゲンセールを開催して大量に処分しました。これまでは、およそ在庫管理など出来ていなかったのですが、不良在庫がなくなったことで「見える化」でき、管理がしやすくなりました。おかげさまで、店内(社内)が広く明るくなりました。それだけでなく、社員さんたちの表情も明るく、ミーティングでも活発な意見が出るようになってきました。決めたルールも、守れるようになってきました。人も、定着してきました。活動当初、掲げたスローガンが「家業から企業へ」というものでしたが、ようやくそれが実現しつつあります。小さいながらも、今後の飛躍が期待できる、楽しみな企業です。  (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第188号 2021(令和3)年3月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333  FAX:050-6868-2721  メール:info@soujinochikara.com