【第191号】「そうじの力」で人が育つ|(株)マツバラ

そうじの力だより第191号支援事例紹介「そうじの力」で人が育つ~トップが信じて待つことの大切さ~岐阜県関市の(株)マツバラ。社員約120人の鋳造業です。鋳造というのは、鉄の原材料を15001600℃という高温で熱して溶かし、型に流し込んで製品を作る技術。工場内は火花と粉塵が舞い、過酷な環境です。ここで、11年前から、全社を挙げて「おそうじパワーアップ活動」が行われています。この11年間で、工場内は劇的に変わりました。当初、床の上に2030センチも積もっていた粉塵は、今はなく、場所によっては、床面がいつ見てもピカピカに光っています。現場の人たちが、ちょっとした手待ち時間にホウキを持ち、こまめに粉塵を掃いているのです。整理・整頓が進み、製造で使う道具は、細かく定位置化されています。以前は、使った後にそのへんに放っておかれた柄杓やバールなども、定位置の鞘に収まるようになっています。製造現場だけでなく、事務部門も一緒に取り組み、書類の整理・整頓や、事務用品の在庫や発注の見直し、そして事務所の廊下の床磨きなどを行っています。また、この業界の頭の痛い問題として、金型の整理があります。長年の操業で増えてきた金型が溜まり、山とあふれているのです。お客様企業と相談をしながら、何年も使用実績のない金型や、廃番になった金型の廃棄を進めています。おかげさまで、工場内は鋳造工場とは思えないほどキレイで整っており、取引を検討するお客様が訪れて工場内を見学すると、それだけで契約が決まる、というほどになっています。しかし、「おそうじパワーアップ活動」の何よりの成果は、この活動をつうじて人が育ったことでしょう。その典型が、現おそうじ委員長の林孝明係長(40歳)です。この活動が始まった当初からの委員会メンバーで、当時はまだ20代でした。中途入社で平社員だった林さんは、自分自身が一生懸命にそうじに取り組むことで周りを巻き込み、自部署をそうじの評価で社内のトップに引き上げます。その貢献が認められ、サブリーダー(一般的な会社の副主任に相当)に昇進。その後、リーダー(主任)を経て、この春に係長に任命されました。係長は、会社の職制に組み込まれる管理職で、その責任と権限は、これまでとは比べ物になりません。林さんは、係長職として、また、おそうじ委員長としての権限を十二分に生かし、日々現場を歩き回り、現場の人たちに声をかけ、指示やアドバイス、応援を行っています。林さんのこれまでの努力もさることながら、林さんを信じて任せ続けた松原史尚社長の忍耐もまた、こうした成果の要因でしょう。もちろん、私(小早)や松原社長が現場に対して指示やアドバイスすることもあるのですが、私たちに比べて、より現場に近い立場にある林さんの言うことは、現場の人たちも素直に聞く傾向にあるようです。実際に手足を動かし、汗を流してそうじをして、実績を上げた仲間の言うことですから、受け入れやすいのでしょう。林さんの他にも、委員会メンバーや事務局のメンバーで、積極的に歩き回って現場を動かす人が何人も出てきています。部署によっては、問題をかかえて改善の動きがにぶいところがあるのですが、そういった部署に対しても、委員会や事務局のメンバーが働きかけることで、グッと改善が進むようになってきました。10年以上活動してきましたが、ようやく、現場を引っ張る人が複数人育ち、現場が主体となる取り組みとして定着してきたようです。ここまで腹を据えて待ち続けた松原社長の懐の深さに、脱帽です。(小早)今月の読書から『日本人が知らないトランプ後の世界を本当に動かす人たち』増田悦佐~もはや、言論の自由さえ保障されない世の中になってしまった~ ここ最近、世界および日本で起こっている出来事について、観念論ではなく、数字やグラフなどのデータを使って鋭い視点で解説しています。以下、引用します。〈「地球温暖化」をめぐる論争と新型コロナウィルスがどの程度深刻な疫病なのかという論争には、奇妙なほど共通点が多い。どちらも、論争のあらゆる段階で科学的知見がまだ混沌とした段階なのに、強引に「科学的結論は、とっくに出ている。あとは科学者たちの言うことを信じて、実行あるのみだ」と主張する勢力が、各国政府、国連、大手マスコミ、野党の大半を巻き込んで一切の疑問や批判を受け付けないでいる。〉〈地球温暖化にしてもコロナ禍にしても、対策のほうが問題より高いコストがかかるという懸念を払拭する議論を聞いたことがない。〉〈まったく同様に、大都市圏で密集を避けるために店舗やレストランを閉店させたり、営業時間を短縮させたりするのは、非常に多くの人から働くチャンスを奪っている。しかも、これだけ大きな犠牲を小売店、レストラン、娯楽接客業界の人たちから奪っておきながら、それによってどの程度新型コロナウィルスの蔓延を防ぎとめることができたのか、わかっていない。〉〈地球温暖化対策にしても、新型コロナウィルス対策にしても、非常に迂遠な論理の積み重ねで見当外れとしか思えない方向に強引に世論誘導しようとする姿勢が目立つ。〉〈まず、地球が温暖化しているのかどうかが、侃々諤々の議論の的となっている。だが、いわゆるグリーン革命派は、自然科学者の大半は実際に地球が温暖化しているという共通見解を持っていると主張している。(中略)そして、二酸化炭素排出量を減らすには、化石燃料による発電と、化石燃料を利用した内燃機関搭載自動車を全廃し、人類の二酸化炭素排出量をネットでゼロにしなければならないと説く。あまりにも多くの段階で、たったひとつの正解があるとの前提で論議を進めて、「さあ、この唯一科学的に正しい結論をお前は受け入れるのか、受け入れないのか」と迫る。そこにあるのは、科学的な懐疑精神とは程遠い、宣教者の熱狂だ。〉〈コロナ対策の偏狭さも、まったく同じだ。実証データは、この「疫病」が、伝染性も致死率も低いことを教えている。だが、世界中のほとんどの国の元首、国連傘下の世界保健機関、製薬資本、ゲイツ財団、そして大手マスメディアがこぞって、この中の下程度の疫病を中世ヨーロッパで猛威を振るった黒死病クラスの大疫病に祭り上げる。〉〈地球温暖化阻止とか、コロナウィルス被害の最小化といった錦の御旗に逆らう人間には、言論の自由さえ保障されない世の中になってしまった。〉(小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第191号 2021(令和3)年6月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333  FAX:050-6868-2721  メール:info@soujinochikara.com