【第197号】倉庫在庫ゼロに向けて|西村ジョイ(株)
そうじの力だより第197号支援事例紹介倉庫在庫ゼロに向けて~気づきの力を高め、皆で会社を良くしていく~香川県高松市を本拠とし、県内および近県に11店舗を展開するホームセンター、西村ジョイ。地元では知らぬ人はいない、人気のお店です。同社で「そうじの力」が導入されて、8年になります。この活動は、決して単なる美化活動ではありません。大きな目的の一つは、全員の「気づき」の力を高めること。たとえば、・異常に気づく力・その異常を上司や同僚に報告、相談し、共有する力・試行錯誤しながら、より良い改善方法を編み出していく創意工夫の力・周囲を巻き込んで、周囲と協力しながら改善を進める力・現状をよしとせず、常に進化発展させる力、などです。そのため、西村ジョイの「三大主義」のひとつに、この「そうじの力」を掲げて、全社的に取り組んでいます。(他の二つは「お客様第一主義」と「利益こそ社員を幸せにする」)重点的に取り組む項目については、マニュアル「西村ジョイスタンダード」で、目的や具体的手順、注意点などを明確にして、それを基に各店で実践しています。各店舗ごとに年間の活動計画書を作成し、毎日の商品棚の清掃にはじまり、夏場の除草や水路掃除などの大掛かりなものまで、全員で地道に取り組んでいます。また、年間4~6回、全店舗からリーダーを集めた研修会も開催して、意識の向上を図っています。その中で、特に力を入れているテーマの一つが、「倉庫在庫ゼロ化」です。商品をバックヤードの倉庫に置かず、すべて店頭に出そう、という取り組み。不良在庫の撲滅と、接客ロスの減少が目的です。取り扱う商品の種類と量が膨大なホームセンターにおいては、至難の業です。現状、かなりいい線まで来ていますが、あと一歩のところで完全な「ゼロ」には至っていません。それは、いくつかの商品群で、シーズンを超えても売れ残ってしまう商品があるからです。店舗側としては、売る努力はしていても、売り切れない、という現実があります。そこには、仕入れ担当者と店舗側との認識のズレや、コミュニケーション不足もあります。この最後に残った「壁」をぶち破らないことには、本当の「ゼロ」は達成できません。先日の研修会においては、あらためて、「倉庫在庫ゼロ」に向けて、仕入れ側と店舗側でしっかりと連携を取り合っていくことを確認しました。とはいえ、それ以外の、日々の取り組みについては、本当によくできていて、頭が下がります。たとえば、社員駐車場。停める車の先端を一直線に揃えるようにしています。以前はなかなかできなかったのですが、今では定着してきました。また、木材をお客様のご要望に応じて加工する工作室。ここは放っておけば工具が乱れ、カットの際に排出される切粉が部屋中に降り積もってしまいます。しかし現状、いつ見ても、工具はきちんと整理・整頓され、切粉もキレイに清掃されています。担当者が責任感を持って、こまめに掃除をしてくれているのだそうです。そして、木材売場。通路などをキレイにするのはもちろん、商品棚の裏側にも、木屑などがないように、キレイに掃除がされています。コロナ禍で、しばらく実地での研修ができませんでした。そのため、多少、意識が緩んでいるところもあります。コロナが収束してきた今、あらためて力を入れて活動していくことを、先日の研修会で確認しました。同社の西村久社長も、特に「倉庫在庫ゼロ」に向けては、痛みを伴うことも覚悟で、達成に向けて強いリーダーシップを発揮することを約束してくれました。(小早)そうじの力コラム私の群馬移住物語⑤~モラトリアム大学生~ 大学に入学するために、一年間浪人をしました。ちょうどその頃は、将来についての明確な目標がなかった時期で、どの大学を受けるか、どの学部を選ぶか、はっきりした考えがありませんでした。 ただ、唯一興味があったのが、映画です。高校時代に、ちょっとした自主制作映画を作ったことがきっかけで、映画作りに興味を持ちました。そのことから、将来、映画監督や脚本家になれればいいな、という憧れを持ったのです。 どうすれば、そのような職業につけるのか、大学選びの観点から調べてみると、多くの映画監督や脚本家が、日本大学芸術学部の映画専攻か、早稲田大学文学部の出身だ、ということがわかってきました。そこで、目標を日大芸術学部映画専攻と早稲田の文学部に絞ります。 初年度は、全滅でした。幸い、親が浪人を許してくれたので、一年間しっかりと勉強し、早稲田の第一文学部に合格することができました。日大芸術学部は、二年連続で不合格でした。 こうして、晴れて早稲田の学生になった私。さっそく、学内随一の映画サークルに入部します。希望に胸を膨らませていた時期です。 ところが、入部してほどなく、ショックを受けます。当サークルにいるほとんどの学生が、「オタク」であることに気づくのです。映画オタクです。映画のことなら、ありとあらゆることを知っています。作品の内容から、監督や俳優、撮影の特徴、カメラワークまで、実に膨大な知識量です。ちょっとした興味に引かれて入った私とは、人間の質が違います。「ここは自分のいる場所ではない」と悟った私は、早々に退会します。 もともと映画を作りたくて入った早稲田の文学部。映画制作が自分の進むべき道ではないとわかった途端、何もやることがなくなってしまいます。 結局、高校時代にやっていた柔道が忘れがたく、柔道の同好会に入り、週に二~三回、汗を流していました。 勉強のほうは、そんな背景ですから、真面目にやるわけがありません。どうにか単位を取って、とりあえず卒業論文を書いて、形だけ卒業させてもらった、という感じです。 高校時代までは千葉に住んでいたのですが、ちょうど私が大学に入ったと同時に、父親が大阪に転勤になったので、私は東京で一人暮らしをはじめました。 早稲田の学生は、西武新宿線沿線に居を構えることが多いのです。起点である高田馬場駅から歩けるので、便利なのですね。私も、一~二年生時は武蔵関駅、三~四年生時は下井草駅のアパートに住みました。 花の東京の一人暮らしでしたが、柔道をして、柔道の仲間と飲んで、バイトをして、その頃免許を取ったバイクでツーリングをして、という生活でした。彼女もおらず、華やかな生活とは無縁でした。 今振り返っても、何だったんだろうと思える、焦点の定まらない私の大学生活でした。親には申し訳ないですが、まさに「モラトリアム」でした。〔続く〕(小早) 株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第197号 2021(令和3)年12月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com