第74号「そうじの力だより」
活動報告環境整備はキックオフが大事〈経営者は想いを熱く語れ〉~危機感が自発性を呼ぶ~金物屋W社の「そうじの力」プロジェクトがスタートしました。金物屋というのは、扱う商品が設備機器から小物まで多種多様ある上に、腐るわけでもないので、古い商品がいつまでも残り、スペースを取ってしまいます。W社も当初は、すごい状態でした。壁に並べてある材料は、私にはガラクタにしか見えませんが、「これも売れます」と言うのです。ボルト、ナット、継手などは棚からこぼれ落ち、通路にはみ出てホコリをかぶっています。社員全員が、「これは異常な状態である」と認識し、「変えたい」という意識を持たなければ、改革はできません。キックオフミーティングにおいて、まず私が全社員を対象に講義を行いました。環境整備の目的、良い事例と悪い事例の紹介、モデルケースの紹介など。次に、全員で社内を実際に歩いて見て回りました。講義を聞いてアンテナが高くなっているところに、乱雑でホコリまみれの現場を目の当たりにするのです。「これはヒドイよね」「なんでこんな物がここにあるんだろう」などと話しながら、あらためて同社の現状が理解できたようです。これを踏まえて、社員さんたちで、具体的に今後どうするのか、を話し合ってもらいました。まず、プロジェクトのリーダーとサブリーダーを決めましょう、と促したところ、これはあっさりと決まりました。ところが、具体的にどんな活動をするのか、ということになると、なかなか意見が出ません。ここで専務が、口火を切りました。「今までずっとできなかった」「ここでやらなければ、我社はダメになる」「みんなで意見を出さなければ、何も進まない」専務は熱く語ります。この専務の想いに呼応するように徐々に意見が出始め、活発な意見交換がなされて、活動項目がまとまりました。そして、二週間後に訪れた私は、壁にズラッと並んでいた資材がスッキリとなくなっているのを見て、ビックリしてしまいました。聞けば、キックオフの翌日、若手二人が、「僕たちにもやらせてください」とメンバーを志願してきたとのこと。取り組みはまだ始まったばかりですが、これからドンドンきれいになっていくでしょう。何よりも、前向きな姿勢が社内を活性化させています。おそうじ 紙上講座どこから手を付けるべきか〈裏、奥から攻める〉~裏が変われば表も変わる~社内で環境整備プロジェクトを導入する場合、まずどこから手を付けるべきでしょうか。あるいは、社内を診断する際には、どこをチェックすべきでしょうか。私の持論は、「まず裏、奥から攻めるべし」です。表の部分は、誰でも一通りはキレイにするはずです。問題は裏、奥なのです。逆に言えば、表も汚いとなれば、相当にアブナイ、と言えるでしょう。裏にこそ、不要物が隠れています。裏に、悪い気が溜まるのです。多くの会社で、敷地の裏側、機械の裏面、機械や棚の底面などに不要物が放置してあったり、ホコリやゴミが溜まっていたりします。実はこうした現象は、私たちの心を反映しています。それは、「裏表がある」ということ。相手によって態度を変える人、あるいは言っていることとやっていることが違う人のことを「裏表がある」と言います。「見える部分だけきれいにすればいいや」という気持ちが、裏、奥を乱雑にするのです。これを逆手に取れば、物理的に裏や奥をきれいにする取り組みをすることを通じて、私たちの「心の裏表」をなくすことができる、と考えます。ですから、プロジェクトにおいては、まず裏、奥をきれいにします。お客様に見えるゾーンをきれいにしたい、とはやる気持ちは分かりますが、そこはぐっと我慢します。裏、奥の不要物を処分し、ホコリを取り、徹底的にきれいにします。すると不思議なことに、表からは見えませんが、明らかに社内の「空気」が違ってきます。それに、裏、奥をきれいすれば、当然、表もきれいにしたくなるのが人情ですから、あとは放っておいてもきれいになるのです。先日訪問させていただいた環境整備先進企業も、敷地の裏側の除草が徹底されていて、それに呼応するように、表側の整理も見事でした。ごあいさつ環境整備の益々の普及に向けてみなさま、あらためましてこんにちは。おかげさまで、弊社も創業して6年半、そうじの力として法人化してから2年弱が経ちました。この間、問題解決、理念探究、戦略会計など各種研修の提供、事業再生の支援などを手がけてまいりました。特に「環境整備(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を通じた経営改革の支援」については、その効果に確かな手ごたえを感じるとともに、今後に大きな可能性も感じております。書類を整理したことによって、探す時間が減り、残業時間が削減できた。そうじを徹底することで工場内の環境改善が進み、防塵マスクが不要になった。みんなで一緒に機械を磨くことで、コミュニケーションが活発化し、社風が良くなった、など、うれしいご報告には限りがありません。今後ますますこの環境整備を通じた経営改革を普及させていくために、今般、環境整備に造詣の深い飯塚輝明をスタッフとして迎え入れました。また、あらたに「そうじの力」のロゴマークも制作いたしました。今後も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。(代表取締役 小早 祥一郎)はじめましてそうじの達人 飯塚輝明です!皆様はじめまして。2011年8月1日より「?そうじの力」に入社いたしました、飯塚輝明です。 群馬県前橋市在住、1969年生、妻と2歳の娘の3人家族です。 大学を卒業後、叔父の営むプロ向け清掃用品商社で14年間勤務。 その間、そうじの技術に精通し、社内環境整備プロジェクトのリーダーも務めていました。 そうじによってモノや空間がピカピカになる喜びや環境整備によって会社が変わる喜びも経験しました。 様々な失敗をして道を失い苦しむ時期もありましたが、その失意の中で見えたものが、そうじの喜びとともに生きたいと願う自分の心です。 そんな中で出会った小早祥一郎は、毎日雑巾を絞りすぎて手に「雑巾ダコ」が出来るような人でした。 その実践の証である「雑巾ダコ」に驚嘆共鳴したことがきっかけとなり「?そうじの力」に合流する決心をしました。 今は資本主義の終焉をも予感させる混乱のただ中ですが、日本には『そうじの力』があります。皆様の会社を磨き輝かせ、未来をも照らしたい。そう願い、皆様にお会いしに参ります。宜しくお願いいたします。お知らせ◆創業道場 環境整備実習においては、トイレそうじの他、参加者の事務所、車両などを題材に、整理・整頓・清掃を実践します。あしたの社長学では、各自の経営計画書に基づく実践発表に対し、アドバイスをもらいます。9月7日は北三公園のトイレ掃除を行います。【対象者】経営者、後継者、起業志望者【日 程】9月7日(水)、10月5日(水)、 11月2日(水)、12月7日(水)【内 容】6時~7時半 環境整備実習(講師:小早祥一郎)7時半~9時 懇親朝食会 9時~12時 あしたの社長学(講師:須田知身)【場 所】高崎市産業創造館他【参加費】1000円(会場費)◆経営セミナー『そうじの力で会社が甦る!』 本セミナーでは、なぜ整理・整頓・清掃に取り組むと会社が良くなるのか、その合理的メカニズムをご説明します。また、そうじを取り入れて経営を改革した会社の事例もご紹介します。そして、導入にあたっての具体的方法やコツなども伝授します。尚、本セミナーの参加費の一部は、中央共同募金会を通じて、東日本大震災の復興支援に寄付させて頂きます。【日 時】10月4日(火)15時~17時 【場 所】高崎商工会議所【講 師】小早 祥一郎 【対象者】経営者、経営幹部 【参加費】5000円編集後記後継者確定?最近わが家では、トランプが大はやりです。祖父母の家でトランプを覚えてきた子供たちが、暇さえあれば「トランプやろうよ」とねだってきます。6歳の娘は、大変に負けず嫌い。ババ抜きで負けると、泣いて悔しがります。「ゲームなんだから、勝つ時もあれば負ける時もある。泣くことはない」と諭しつつも、説得力はまったくありません。なぜなら、私も子供の頃、トランプや将棋、UNOなどで負けるととても悔しくて、よく泣いたり癇癪を起したりしていたからです(笑)。株式会社そうじの力環境整備を核とした経営改革の支援環境整備(整理・整頓・清掃)は「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また講演のご依頼も受け付けております。現状調査(診断)やご相談は無料です。全国どこでも出張が可能ですので、お気軽にお問い合せください。 そうじの力だより第74号 2011年9月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)