第78号「そうじの力だより」

活動報告年末年始のご挨拶 〈二〇一一年の成果、二〇一二年の課題〉~真の意識改革に向けて~まさに「激動」だった二〇一一年。弊社にとっては、新スタッフの飯塚輝明の加入など、大きな転機の年になりました。この一年を総括してみたいと思います。あらたにお手伝いをはじめたW社では、膨大な量の不要物や不良在庫の整理から取り組みました。「腐らないから」「いつか売れるかも知れないから」という理由で何年も棚の「こやし」になっていた不良在庫。毎回私がお邪魔する度に、社員総出で、重たいもの、大きなものから処分していきました。十一月に私が訪問すると、それまで不用品が山のように積まれて狭苦しかった会議室から、棚そのものがなくなって、広々とした空間に生まれ変わっています。ある社員は、「よく検討してみれば、要らないものばかりでした」と述懐しています。また、F社では、社長の「もっと社員に積極性を持ってほしい」との願いを基に、環境整備をスタートさせました。何回かの研修や実習を経て、床磨きの実習を行ったあたりから、社員に変化が現れました。当初、「そうじなんかやりたくない」と嫌悪感を示していた社員も、「キレイにすると気持ちがいい。もっとキレイにしたいという欲が出てきた」という感想を発表するようになったのです。一方では、課題も出てきました。N社では、やはり膨大な量の不要物と不良在庫の処分から取り組んでいます。毎回社員総出で作業した結果、ずいぶんと構内はスッキリとしてきました。ところが、足元にゴミが落ちているのです。まだ「意識が変わる」という段階には至っていない、ということです。何のために環境整備に取り組むのか。キレイにすることが最終目的ではありません。自立的風土、協力的風土を醸成するのが目的です。そのためには、もっと弊社自身が進化しなければいけません。二〇一一年、みなさまには大変お世話になりました。二〇一二年もどうぞよろしくお願いいたします。本紙をもちまして、年末年始のご挨拶に代えさせていただきます。 (小早)おそうじ紙上講座中を開けて見る 〈問題を表面化させる〉~機械の扉、心の扉~環境整備の視察において重要なのは、いかに隠されている汚れを表面化させるか、ということです。表に見える部分は、誰でもそうじするものです。それをもって、「俺たちは十分にキレイにしている」と主張する人もいます。しかし、本当に真摯に環境整備に取り組んでいるかどうかは、普段は表から隠れている部分を見れば分かります。右の写真は、ある会社の機械の下部パネルを外したところです。ご覧のとおり、パネルの内側にも、機械の内部にも、ビッチリと汚れがこびりついています。この状況を目の当たりにするだけで、下手な言い訳は無用であると理解できるでしょう。問題を正面からとらえることで、「とにかくやるしかない」と気持ちを切り替えることができるのです。キレイにすれば、誰もが文句なく気持ちが良いものです。視察時には、開けられる扉やパネルはとにかく開けて見る。動かせるものは動かして、その裏や奥の状況を見てみることです。右上の写真は、ある会社のコピー機を少し移動させて見たところです。この会社は数年前から環境整備に取り組んでおり、そのレベルも相当に上がってきているのです。しかし一方で、このように見えないところの汚れも、まだまだあります。機械の扉を開けるのは、相手の心の扉を開けるのと同じこと。相手の領域に踏み込むのですから、こちらにも相当の勇気が要ります。しかし相手の懐に飛び込まなければ、意識改革などできようはずもありません。                                  (小早)飯塚輝明の輝け!中小企業どこまでやるのか? ~環境整備に終わりなし~「いったい、どこまでやればいいんですか?」 環境整備サブリーダーであるAさんが、不満げな顔で私に言います。 以前に勤めていた清掃用具販売会社で私が環境整備の総リーダーに就任し、会社にとって初めての環境整備活動がスタートしました。 今までの日常の清掃に加え、毎日十五分間を環境整備に充て、さらに月に二回、土曜日に数時間活動を行いました。 それ以前は、ただ床を掃くだけのそうじでした。今回は、タバコのヤニで汚れた壁面や電灯のスイッチ類など、清掃範囲が拡がり、見た目にも大きな変化がありました。 Aさんは「壁もこんなに白くなりましたよ。」と誇らしげです。 私はあえて心を鬼にして、「素晴らしい。でももっともっとキレイにしてくださいね。」と答えたのです。 その時のAさんの反応が、冒頭のセリフです。 不満げなAさんに対して私は、壁にある電灯スイッチのわずかな上面のスペースを指差して、「ほら、ここのヤニ汚れがまだ残ったままだよ。」と言いました。 「ええっ、そんなところまでやるんですかぁ?」と言うAさん。 私が楊枝(ようじ)とティッシュを使ってヤニ汚れをキレイに拭きとり「ほらね」と言うと、「おぉ、確かにキレイになりますね。」とやっと納得してくれた様子でした。 Aさんに限らず、こんなやりとりを社員さんたちと繰り返しながら、サッシの溝の隅っこの汚れや机の脚の裏の汚れなどを一つずつキレイにしていきました。 裏の裏、隅の隅まで徹底的にキレイにすると、それに比例するように達成感も大きくなっていきます。 「どこまでやればいいのですか?」という問いに対する答えは、実は真剣に取り組めば自ら分かるものです。 ただ、活動がまだ軌道に乗っていない段階では、リーダーや指導者があえて厳しめに指摘すべきでしょう。 数か月後、社員さんたちから「環境整備はどこまでやってもキリがないですね~」という声がちらほらと聞こえてくるようになりました。 この瞬間を待っていました。(飯塚)お知らせ◆新春経営セミナーin東京『そうじの力で会社が甦る!』  なぜそうじを取り入れると会社が良くなるのか、その合理的メカニズムをご説明します。経営改革に成功している会社の事例のご紹介や、具体的導入方法もお伝えします。【日時】2012年1月20日(金)      16:00~18:00【場所】ビジョンセンター日本橋  東京メトロ三越前駅徒歩1分他【講師】小早 祥一郎【費用】5,000円   終了後、懇親会を開催(費用別)参加には事前申し込みが必要です。早めにお問い合わせください。◆創業道場 来年2012年も、経営者、後継者、起業志望者を対象に「創業道場」を定期開催します。 環境整備実習 担当:小早 祥一郎 あしたの社長学 担当:須田知身(事業再生財団)  各自の経営計画書に基づく実践   発表とアドバイス。  【日 程】 通常開催  3月7日(水)、5月9日(水)、6月6日(水)   7月4日(水) 於高崎市特別編「経営計画作成合宿in草津温泉」 2月1日(水)~4日(土)特別編「経営計画発表会」 4月4日(水) 於高崎市編集後記レトロ趣味? 最近、4歳の息子はウルトラセブンに夢中です。 そう、約44年前に一世を風靡したあのウルトラセブンです。 DVDをレンタルしてきて、繰り返し観ています。 私 「ただいま」 息子「ジュワッ!」 妻 「ご飯よ」 息子「ジュワッ!」そういえば、昔、こんな子供がいました。そう、私自身です。       (小早)株式会社そうじの力環境整備を核とした経営改革の支援環境整備(規律・清潔・整頓・安全・衛生)は「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。現状調査(診断)やご相談は無料です。全国どこでも出張が可能ですので、お気軽にお問い合せください。