【第203号】環境整備に終わりなし|(株)小河原建設
そうじの力だより第203号支援事例紹介環境整備に終わりなし~初心に帰って整理整頓に取り組む~東京都中野区にある(株)小河原建設。注文住宅部門とビル建築部門を持つ、社員数約30名の会社です。同社で、私がお手伝いをはじめたのは、今から12年前です。当時の同社では、納期遅れやミスやケガが多く、小河原敬彦社長は、環境整備(整理・整頓・清掃)によってそれらを改善したいと考えておられましたが、どのような視点で取り組めばいいのか悩まれていました。私が入ってまずアドバイスしたことは、「モノを捨てる」こと。当時の同社は、事務所内は書類の山で、倉庫内も資材が山積みになっていました。私は、「機能的に使えても、使わないものは捨てましょう」と呼びかけ、書類や資材などを、どんどん捨ててもらいました。最初の段階で、4トントラック5~6杯分は捨てたと思います。これによって、広々としてクリアな空間ができました。次に、「扉」をなくしてもらいました。会社の中には様々な扉がありますが、実はこれらが視界を遮ることで、風通しを悪くしている面があります。たとえば、デスクとデスクを仕切っているパーテーション。キャビネの扉。そして、社長室のドア。これらを取り外すことで、風通しが良くなり、業務の効率が良くなったと同時に、社内のコミュニケーションも、グッと良くなりました。そして、道具や備品を細かく定位置化して、「どこに何があるか、誰でも一目でわかる状態」を作っていきました。さらに、「見えない所まで徹底して磨く」こと。たとえば、トイレの目皿の裏側にこびりついている尿石も、皆で一生懸命にこそげ落としてピカピカにしました。こうした努力のかいあって、同社は見違えるくらいにキレイになり、それに伴って、納期遅れやケガやミスはなくなり、業績も伸びてきました。そんな矢先、小河原社長が事故で大ケガをされて、下半身不随になってしまいます。治療とリハビリで一年半不在だった期間も、過去最高売上を記録できたのは、環境整備のおかげだったと、幹部の方は振り返ります。そんな同社も、ここ二年間ほどは、コロナの影響で、環境整備の研修ができませんでした。また、人の入れ替わりなどもあり、以前ほどの熱量で環境整備ができていないのでは、というのが小河原社長の懸念でした。そこで、あらためて環境整備にしっかり取り組むとの方針の下、半年ほど前から、私が毎月一回、研修をさせていただいています。研修では、毎回、実習を行います。特に、ここ最近はモノがまた増えてきていたので、それを捨てる(=整理)実習を行っています。倉庫内には、現場から持ち帰った材料などが山積みになっていました。それらをいったん全部出して、使う可能性のあるものだけに整理しました。また、以前と同じように積んで置いていたのでは、結局使わずじまいになってしまいます。視認性を良くして有効活用するため、棚板を増やすなどして、置き方も工夫しています。毎回の研修の最後には、グループで話し合い、こうした乱れた状態を防ぐためにはどうすればいいか、アイディアを出してもらっています。これらを仕組み化し、定着させていくことで、さらなるレベルアップを図ります。おかげさまで、若手社員も熱心に取り組んでくれています。ちなみに、同社は、「東京一キレイな現場」を目指して、建築現場の環境整備にも熱心に取り組んでおり、業界団体の主催する『魅せる現場コンテスト』で何度も最優秀賞を獲得しています。キレイな現場が評判を呼び、口コミや紹介受注もたくさんあります。今後も、キレイな現場にはこだわり続けていきます。 (小早)今月の読書から『「新型コロナ」「EV・脱炭素」「SDGs」の大ウソ』武田邦彦 著~私たちはテレビに支配されている~ 著者の武田邦彦氏は物理学者ですが、氏の主張は、科学的かつ、論理的、合理的で、信頼がおけると以前から感じていて、様々な論点で参考にしています。以下、本文の抜粋です。〈埼玉県の狭山警察署で「マスクをしなければ、自動車免許の更新を受け付けない」と窓口で言われたというのです。(中略)これは非常に大きな問題です。警察は、法律で決まっていないことは取り締まらないのが鉄則だからです。(中略)現実にはそんな法律も条令もありません。〉〈布製マスクの場合、マスクの孔の大きさは30マイクロメートルぐらいになります。ウィルスの大きさは、0.1マイクロメートルぐらいなので、マスクの孔はウィルスと比べて300倍にもなるのです。それでウィルスの侵入を止められるでしょうか?〉〈マスクの問題について、当初は東京都医師会も、そしてアメリカの感染症対策のトップであるアンソニー・ファウチ博士も、口を揃えて「新型コロナに関してマスクはあまり有効ではありません」と言っていたのです。〉〈私はマスクの効果を調べるために、各県ごとにマスクの着用率と感染率のデータを比べて見てみました。(中略)計算したところ、マスクの着用率と感染率は必ずしも比例するわけではない、という結果が出たのです。〉〈人口が1億人でワクチンを打たずにいると、100万人かかる。2020年のはじめに国内で感染が確認されてから約2年間で人口の1%が新型コロナにかかりました。(中略)ではワクチンを打った場合には、何もしないで新型コロナにかかるよりも感染者が減らなければなりません。0.5%よりも減らないのならワクチンは打たなくてもいいということになります。(中略)現実的には新型コロナのワクチンを2回接種した人でも、70%ぐらいは新型コロナにかかるというデータも出てきていますので、少なくとも日本においてはファイザー社のワクチンは接種する意味がないのです。〉〈環境問題で言えば、ガソリン自動車も電気自動車も大差ありません。燃費もほとんど同じです。電気自動車は電気を使うわけですが、その電気をつくる時には結局CO2や温室効果ガスを排出するのです。〉〈本来、レジ袋というのはプラスチック製品のなかでも格別「環境にやさしい製品」です。石油を精製する際に常に余り気味に出るものをローコストで加工したものであり、しかも買い物に使うだけでなく様々な用途に繰り返し使えます。〉〈「プラスチックストロー」の生産量はプラスチック全体の0.003%程度でしかなく、使い終わったらゴミとして捨てられるので、量的にも捨てる方法としても問題はありせん。プラスチックはよく燃えますし、燃えた後に毒物が残ることもありません。さらには自然のものですからしばらくすると微生物などが食べてくれます。〉 データで物事をとらえることが大切ですね。 (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第203号 2022(令和4)年6月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com