【第204号】日本一「清潔で、わかりやすく、やさしい」ホームセンターを目指して|西村ジョイ(株)
そうじの力だより第204号支援事例紹介日本一「清潔で、わかりやすく、やさしい」ホームセンターを目指して~「そうじの力」は美化活動ではない~香川県を本拠として、近県を含めて十一店舗を展開するホームセンター、西村ジョイ。地元では知らぬ人はいない、人気のホームセンターです。同社の『三大主義』には、「お客様第一主義」と「利益こそ社員を幸せにする」と合わせて、「そうじの力」が掲げられています。これほど重要視するのは、「そうじの力」とは、単なる美化活動ではなく、「気づく力」や「工夫する力」を養い、「自立的な風土」や「互いに役立ち合う風土」を育むための取り組みだと認識しているからです。目指すのは、『日本一清潔で、わかりやすく、やさしいホームセンター』です。というのも、一般的にホームセンターというのは、プロの業者や通好みの客向けに作られている面があり、売り場がわかりにくかったり、乱雑だったりすることが多いのです。しかし同社では、このビジョンの下、社員にとってもお客様にとっても、また、地域にとっても、わかりやすくやさしい店を作るべく、全社員が参加して、あらゆるシーンにおいて整理・整頓・清掃に取り組んでいます。たとえば、レジ周りの配線。電源コードやLANケーブルなどがごちゃごちゃになっていて、そのままではレイアウト変更や万が一の災害時に、困ってしまいます。そこで、これらの配線を、一つずつ、何の配線なのかわかるようにタグをつけ、合わせて床面から上げてフックに掛けるようにしました。こうすることで、掃除もしやすくなります。また、店舗周辺の掃除にも力を入れています。敷地内の植木などの伐採や草むしりはもちろんのこと、敷地外のどぶさらいやゴミ拾いも、定期的に行っています。同社では、活動が行き当たりばったりにならないよう、また、店舗間で濃淡が出ないように、「西村ジョイスタンダード」というマニュアルを作成して、活動を行っています。たとえば、掃除道具置場。道具置場が乱雑だったり汚れていたりすれば、キレイに掃除をしようという気になりません。また、場所や状況に適したホウキや洗剤を使うことも重要です。そうした、置き方や具体的な商品名も、スタンダードに定められています。また、木材を加工する工作室。ここはどうしても工具などがあちこちに置きっぱなしになり、乱れがちになるのですが、スタンダードで示されたお手本をベースに、各店とも常に整理整頓された状態が維持されています。とはいえ、この西村ジョイスタンダードは、決して本部が作って一方的に店舗に押しつけるマニュアルではありません。作成に当たっては、担当店舗が原案を作り、実際にやってみて、その使い勝手や持続効果を確認して、各店に展開されます。また、一度承認され全店展開されたスタンダードも、決して無条件に継続ではありません。各店で実際に運用してみて、使いづらい点があったり、別のやり方でより良い効果が確認できた暁には、それが新たなスタンダードとして承認され、以前のものは廃版になります。ちょうど今回、各店各売り場のPOP看板を統一化しよう、ということになりました。これまでは、各店の各売り場で、実はPOP看板は統一されておらず、担当者の裁量で様々な仕様のものが作られていました。それを統一することで、お客様にとって、よりわかりやすく、丈夫で長持ちするPOP看板を作ろう、という狙いです。作成に当たっては、複数の店舗で、実際に作っているものをベースに提案をしてもらい、その中から、もっとも使い勝手がよく、丈夫で、コストもかからないものが選ばれました。こうして、現状に満足することなく、常に改善して、より良いお店作りを続けていっています。 (小早)そうじの力 コラムニワトリが先がタマゴが先か~ 汚い店はつぶれる ~ 自宅にいるときは、毎朝、犬の散歩をしながら、目についたゴミを拾いながら歩いています。 こうして歩いていると、時折、周囲にゴミが散乱している店舗に出くわすことがあります。 たとえばこの写真の店。 いつ行っても、店の周囲にゴミが落ちています。ラーメン屋なのですが、落ちているのは、アイスの箱や包み紙、バーなどがほとんど。 よく見ると、店の裏側にアイスキャンデーの自販機が置いてあり、どうやら、客がラーメンを食べた後に、口直しでアイスを食べ、そのアイスのクズを道端に捨てていくようなのです。 店側にしてみれば、いい迷惑でしょう。 とはいえ、アイスの自販機を設置したのは店であり、当然、責任も店側にあると捉えるべきでしょう。 不思議なのは、こうして散らかったゴミを、店側がそうじしている気配が感じられないこと。 私が毎朝拾っているので、どうにか現状を維持していますが、もし私が拾わなかったら、どんどんゴミが溜まっていったことでしょう。 そんなことが続いたある日、出張から戻って一週間ぶりに散歩したところ、この店が違う店に変わっていました。どうやら経営者は同じようなので、単に模様替えしただけなのかもしれません。 けれども、ようするに、前の店の売上が伸びなかったので、看板を変えてみた、ということでしょう。実質、前の店はつぶれた、と私は見ています。模様替えをする前に、店の周囲をキレイにそうじすべきだったのではないでしょうか。 実は同じ散歩コースで、以前に、別の店で、似たようなことがありました。 その店は焼き肉屋なのですが、裏口の周辺が、とても汚いのです。段ボールや一斗缶が散乱しており、使っていないと思われる冷蔵庫なども放置されていました。 その店は、ほどなくして閉店しました。今も、お化け屋敷のような姿のままです。 汚くしていると店がつぶれるのか、あるいは、ダメな店は汚くなるのか、どちらかはわかりません。ただ、「汚い」ことと「つぶれる」ことには相関がありそうです。 ならば、キレイにした方がいいですね。たいした労力もかかりません。 (小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第204号 2022(令和4)年7月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com