【第89号】自分たちが思っている以上に成長している!|(有)ファイン

事例紹介自分たちが思っている以上に成長している! 〈そうじは人と組織を輝かせる〉~有限会社ファイン「そうじの力」活動~福井県鯖江市にある、メガネフレームなどへのデザイン印刷を手掛ける有限会社ファイン。ここで「そうじの力」研修を導入して一年半が経とうとしています。先日、同じく弊社が支援している名古屋のY社がファインを訪れる機会がありました。その日はちょうど「そうじの力」研修の日だったので、二社合同で研修を行いました。まず、両社のリーダーから、それぞれの、「そうじの力」活動の概要をプレゼンしてもらいました。その後、ファインの社員さんたちには、それぞれ自分の持ち場において、活動における気づきや、心がけていることを発表してもらいました。ファインの社員さんたちは、「今までは目に入っていなかったが、ゴミが落ちていたら気づいて拾うようになった」「汚れている所はないかと探すようになった」「要らないモノがなくなり、スペースが広くなって作業がしやすくなった」「段取りを工夫するようになった」「みんなのコミュニケーションが良くなった」などと発表してくれました。実は、こんなふうに他社の人間の前で各人が的確に発表すること自体、以前にはなかなかうまくできなかったのです。モゴモゴと口もってしまったり、きちんとした文章になっていなかったり。しかし今回は、実にハキハキと胸を張って発表してくれました。活動を始めた当初、毎朝のそうじの時間は一〇分間でした。しかしすぐに、それでは足りないということで三〇分間になりました。この時、多くの社員の反応は、「三〇分間もやることがない」「業務の時間が削られるから業務を優先したい」という後ろ向きの姿勢でした。しかし現在では、全員が毎朝担当個所をしっかりとそうじし、さらに気づいてない汚れはないかと裏の裏まで磨きこむことで、三〇分間目いっぱいそうじをして、終了後の朝礼で気づきを発表し合っています。それだけでなく、月に一回は近隣の地域清掃に出て、不法投棄されている自転車や扇風機などを回収して、「大物が釣れた!」と楽しんでいるのです。「そうじの力」研修の中では、これまで、機械や床に飛び散ったインクの汚れ落とし、通路確保のためのライン表示、印刷版の整理・整頓、トイレそうじ、印刷機械の分解そうじなどの実習を重ねてきました。そうじをすれば、場がキレイになります。場がキレイになれば、気分が良くなります。自らの手を汚し、汗をかくことで状況が改善することが実感できます。さらに、仲間と共に同じ時間に同じ作業を行うことで、連帯感が生まれてくるのです。印刷機械のカバーを外して、ホコリの積もった内部をそうじした時、社員のAさんは、他のメンバーがそのホコリを取ろうとすると、「私のキレイにする楽しみが減るからやめて!」と言って、爆笑を誘っていました。こんなふうに、同社の実習では笑いが絶えません。今年一〇月には、今後の目標値を全員で話し合って決めました。今年度:すべてのモノの置き場が決められ、表示され、それ以外にいっさいモノがない。三年後:赤ちゃんが安心して這うことができる会社。五年後:眼鏡業界を明るく輝かせる存在になる。こんなふうに、「社会に役立つ存在になる」と力強く宣言できるようになったということは素晴らしいことです。ちなみに、冒頭の合同研修の中で、社員のBさんは、「自分が変わったかどうかは、自分では分かりませんが・・・」と前置きした上で、「以前だったら、人には聞けないようなことも、今は聞けるようになりました。」と発表してくれました。実はBさんほど、以前に比べて「積極的」「前向き」に変わった人はいません。自分自身の変化は、自分にはなかなか実感できないものですが、彼らは着実に成長しています。さて、こんなふうに社員たちが成長した根本の要因は何だったのかと振り返ってみると、それは藤井高大社長の、「自立した社員を育てたい」という熱い想い、換言すれば、「社員に対する愛情」だと思うのです。五年後、ファインは間違いなく、眼鏡業界を明るく輝かせる存在になっていることでしょう。        (小早)おそうじ匠の技一時保管箱を活用してモノを減らす~捨てられないアナタへ~この写真は、ある会社の倉庫です。ゴチャゴチャしていますね。この倉庫を、どのように整えていけば良いでしょうか。 ある方は、「モノが棚に収まっていないのだから、収納できる棚を増設しましょう」と言います。 しかし、それでは根本の問題解決にはならないでしょう。なぜならば、この中には滅多に使わないものや、今や使うあてのないものが含まれているからです。不要なモノを収納するために棚を増設するなんて、こんな無駄なことはありません。それは単なる「移動」です(笑)。まずはじめにやらなければならないのは、必要なモノと不要なモノを分別し、不要なモノを捨て、全体として量を減らすこと、つまり「整理」です。と、このように言葉にすれば簡単なのですが、世の中の実に多くの方が「捨てられない病」に感染しています。確かに、何でもかんでも捨ててよいというわけではありませんから、そこには明確な判断基準が必要になります。一般的には、「1年」を基準にするとよいと思います。たとえば書類であれば、過去1年間さかのぼって使っていない書類は、まず捨てて問題ありません。(ただし法令で保管期限が定められている書類は別です。)書類以外の、機械、工具、商品在庫なども、1年さかのぼって動いていないものは処分して差し支えありません。こうして、過去1年間以上動いていないモノを処分することで、相当な量のモノが減らせるはずですが、それでも、「いや、過去1年間はたまたま動かなかっただけで、ひょっとしたら来月にも使うかも知れない」と心配になって捨てられない、という人もいます。そんな人にお勧めなのが、「一時保管箱」システムです(下の写真参照)。「ひょっとして使うかも」というモノを、段ボール箱に入れて一時的に保管しておきます。その際、箱の表面に今日から3か月後の日付を記入しておきます。もしその日付までに「やっぱり必要だった!」と使うことがあったとしたら、その箱から取り出して使えばよいのです。そして記入した日付が到来したら、無条件で、箱の中身は見ずに、箱ごと処分するのです。ここで注意しなければいけないのは、一時保管箱を倉庫などの普段目につかない場所に置いておくと、期限が過ぎても保管し続けることになりがちで、それでは元も子もありません(笑)。上の写真のように、わざと目立つ場所に置いておくと良いでしょう。   (小早)おそうじコラム使い捨てライターに事業の在り方を考える~使用後のことまで考えるのが事業者の務め~近所のゴミ拾いをしていると、様々なゴミに巡り合い、色々なことを考えさせられます。 先日は、使い捨てライターが五個も六個も落ちていて、今日に限ってどうして、と思ったものです。 しかし考えてみれば、タバコをポイ捨てする人たちがたくさんいるわけですから、ライターがポイ捨てされていても、ちっとも不思議ではありません。 それにしても、メーカーには申し訳ないですが、「使い捨てライター」とは、なんという商品でしょうか。 あれほどカッチリとした機械が「使い捨て」とは・・・。昔ながらの、オイルやガスが切れたら充填して使い続けるライターではいけないのでしょうか? 私は万年筆を一〇年以上愛用していますが、インクを交換補充すれば、何十年でも使用することができます。 もちろん、どんな商品にも寿命があるわけですから、捨てるべき時期は来ます。また、いかなる商品であろうと、ほとんどの人はきちんと適切に処分するはずですから、道端にポイ捨てする人に問題があることは間違いありません。 しかし同時に、こんなふうにどこにでも捨てたくなるような商品を作ること自体に、問題はないでしょうか? 第一、捨て方が分かりません。燃えるゴミなのでしょうか?燃えないゴミなのでしょうか?(知人に教えてもらったところ、どうやら燃えるゴミのようです。) タバコについても同様です。 吸い殻を道端にポイ捨てする人が悪いことは言うまでもありませんが、「捨ててもいいや」と思わせる商品の形態に問題はないでしょうか。 あるいは、吸い終わればフィルターが消滅してしまうような商品を開発することは不可能でしょうか(笑)? よく「企業の社会貢献」ということが言われます。会社によっては砂漠に樹木を植えたり、福祉団体に寄付をしたりしているところもあります。 しかし社会貢献とは、本業を通じて行うべきものだと思います。 その商品なりサービスなりが世の中にあふれればあふれるほど、人々が幸せになれる、世の中が住みよい場所になる、環境が良くなる。そのような事業を行うことが事業者の務めではないでしょうか。 我社の商品が売れれば、一方で泣く人がいる、環境が汚れる、ではいけないと思います。 事業活動に伴うマイナス影響は、ゼロにはできないかも知れませんが、限りなく小さくすべきです。それが企業家としての当然の責務ではないでしょうか。(小早)輝ちゃんはミタ!高校生の感想文をミタ!先月、小早が福井県立金津高校で、全校生徒約八百人に向けて、『そうじの力で人生が拓ける!』と題して講演をさせていただきました。 私は同行しなかったのですが、後日送られてきた生徒全員の感想を読む機会がありました。読んでみてびっくり、どれも真剣な感想文ばかりです。 『今後は自分の机や部屋を常にきれいにしておきたい』『身の回りだけではなく、教室や学校もきれいにしていきたい』『ゴミが落ちていたら自ら拾おうと思います』『誰かほかの人がやればいいというような考えは捨てようと思う』などの感想を生徒が書いてくれていました。 それぞれにそうじに対しての認識が前向きになった様子が伝わってきます。 さらにその中で講演のあとすぐに「やってみました」と行動をはじめた生徒たちもいました。 『講演会の日、家に帰ってから自分の部屋のそうじをしました。次の日からは自分の部屋に行くのが楽しみになりました。これからも嫌なことがあったり、集中できないときは、まず部屋をきれいにすることから始めようと思いました。』『そうじの講演会を聞いて、部員さんの一人がそうじをしようと言い始め、この前部室をそうじしたり、サッカーボールに名前を書き直したりしました。試合で来た福農の人たち自分たち使った場所をキレイにしてくれました。金津高校のサッカー部も福農の人たちを見習っていくべきだと思いました。』など他にもいくつか具体的な活動報告がありました。 また別の生徒は『自分に出来ることなんか、何もないんじゃないかと勝手に思いこんでいました。けど、どんなに小さなことでもいいと考え直すと、自分でも何か出来そうな気がします。』と書いてくれました。 実はこの講演は、中間テストが終わった直後の、しかも午後一番での講演だったそうです。 帰ってきた直後の小早の様子は「生徒が半分くらい寝ちゃっていて参ったよ」とめずらしくへこんでいました。まあ、私自身の高校時代を思い出しても、それも無理もないことだなと思います(笑)。 しかし全員の感想文を読んでみると、小早の思いはしっかりと届いていたようです。 中には『講師の人は自分のやりたいことを見つけて生き生きしていたなと思いました。私もあの人みたいに世の中の人たちのためになる仕事をしたいです。』なんていう生徒の感想文もあったくらいですから。 子供たちには無限の可能性があるんだな、とあらためて感じました。  (飯塚)今月の読書から『答は現場にあり。』大畑誠也著~再建の基本は「当たり前のこと」を徹底すること~著者の大畑誠也氏は、元熊本県立高校の校長先生。 天草東高校をはじめ、いくつもの学校を建て直した経験を基に、現在は講演活動などをされています。 天草東高校は当時、生徒数の減少により廃校寸前でした。そこへ、教頭経験のない47歳の大畑先生が校長に抜擢されて乗り込んでいくのです。 赴任してみると、生徒は、こちらが「おはよう!」と挨拶しているのに、何の挨拶も返してこない。名前を呼びかけても返事もしない、という状態だったとか。 「こりゃ重症ばい」ということで、掲げた教育目標が『大きな声で挨拶をする』『大きな声で返事をする』など。 「そんな、小学生じゃあるまいし・・・」と尻込みする他の先生たちに構わず、この方針を貫きます。 方針を掲げるだけでなく、自ら現場に降り、生徒たちに裸でぶつかっていって、少しずつ渦を作っていくのです。〈例えば挨拶が良い人間は挨拶だけが良いのではない。授業中も真剣に聞いているし、勉強もする。掃除も真面目にしている。学校行事にも積極的に参加している。欠席、遅刻も少なく、服装、態度も良いのである。〉 生徒たちの挨拶が評判になり、多くの学校関係者が同校を見学に訪れます。見学されれば嬉しいので、生徒は益々大きな声で挨拶するようになります。 この好循環のおかげで、同校の生徒数はV字回復を遂げ、『日本一の小規模校』に変身するのです。 まさに、「凡事徹底」だけで学校改革を成し遂げてしまったのです。 さて、この本の中にも、たくさんの「そうじの力」が出てきます。〈人間の絆をつくるには、同一時間に、同一場所で、同一のことをすることである。〉〈近年、海にゴミが多くなり、海岸にはあらゆるゴミが散乱するようになっている。東校では、このことに気づき、いち早く海岸清掃を全校挙げて実施している。体験を通して学んだ生徒たちは、はっきりと記憶に留め、生活習慣となっていくのである。〉〈表彰状『右は毎日の掃除において、人知れず輝く星としてトイレ掃除に努力されたのでその栄誉を讃え賞します』〉〈私は最初の(教師の)初任者研修で「何よりも実践が大切です。早速明日から、学校に一番早く出てきて玄関掃除から始めてください」と指導した。〉  ところで、私が大畑先生のことを知ったのは、講演が先でした。 「よかですか?」「たまがった!」「これがポイントたい!」などと熊本弁丸出しで、大きな声でオーバーアクション。まるで吉本喜劇を見ているようで、とっても面白いのです。 そんなわけで、講演もおススメですよ。機会があれば、ぜひ。       (小早)お知らせ◆読者プレゼント!「そうじの力」スタッフジャンパー  「そうじの力」のロゴマークを胸と背中にあしらったスタッフジャンパー。 このスタッフジャンパーを読者の皆様にプレゼントいたします。 応募条件は、本『そうじの力だより』を3人の方に転送していただくこと。 ご希望の方は、3人の方に転送していただいた上で、お申込みください。◆DVD無料頒布中『マツバラおそうじパワーアップ活動』  岐阜県にある(株)マツバラは、鋳造メーカー。約3年間の取り組みにより、工場内は床が光るほどにキレイに。そして「不良品が少なくなった」「若手が成長してきた」「人が辞めなくなった」などの効果が出ています。活動の様子と社長インタビューを収めた9分間の映像DVDです。『小河原建設 環境整備の取り組み』 東京都の(株)小河原建設では、2年間かけて弊社がお手伝いに入り、「徹底する」「自発的に取り組む」をテーマに環境整備強化プロジェクトを推進しました。活動の様子と社長インタビューを収めた10分間の映像DVDです。ご希望の方は、希望枚数と送付先を明記の上、お申込みください。◆小早 祥一郎 講演予定・倫理法人会モーニングセミナー   【日時】 12月11日(火)6:30~  【場所】横浜モノリス  【演題】そうじの力で会社が甦る!  【主催】横浜市中央倫理法人会・東大阪市倫理法人会主催 ナイトセミナー   【日時】 12月20日(木)18:30~  【場所】Uコミュニティーホール        TTSセンター6F  【演題】そうじの力で人生が甦る! モーニングセミナー  【日時】 12月21日(金)6:30~  【場所】Uコミュニティーホール        TTSセンター6F  【演題】そうじの力で会社が甦る!株式会社そうじの力環境整備を核とした経営改革の支援環境整備(規律・清潔・整頓・安全・衛生)は「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。現状調査やご相談は交通費のみでお請けしています。全国どこでも可能ですのでお気軽にお問い合せください。