【第93号】本音の意見交換の力|(株)ダスキンせらい
事例紹介本音の意見交換の力 〈思ったことを言える風土が成長を促す〉~株式会社ダスキンせらい環境整備の取り組み~山口県光市にある(株)ダスキンせらい。弊社がお手伝いに入って環境整備に取り組むようになって、半年余りが経ちました。ダスキンのフランチャイジーですから、もともとキレイではありました。床はピカピカに光っていましたし、倉庫内も整頓されていました。しかし細部を見ていくと、改善すべき点もたくさんありました。デスクの上には書類が山積みされていました。建屋の裏側には、使途不明の物が多数放置されていました。瀬来清美社長は、環境整備を通じて、物理的にキレイな環境を作るだけでなく、若手社員に自立した人材として育ってもらいたいと考えています。まずは、不要物の処分(=整理)から始めました。デスク周りは、見ていない書類や書籍、使っていない事務用品を廃棄して、机上ゼロにしました。また、壁にたくさん貼ってあって「風景」と化した掲示物もすべてはがし、スッキリさせました。次に、各デスクを仕切っていたパーテーションを取り外しました。パーテーションがあることによって、文字通り「風通しが悪く」なり、コミュニケーションが阻害されてしまいます。さらに、事務所全体のレイアウト変更にまで踏み込みました。これは当初から意図していたことではありません。書類を整理・整頓する中で、どこにどの書類を置くのが最適なのかを考えるようになります。すると、デスクからキャビネが遠い、動線が悪いなどという声があちこちから上がり、じゃあレイアウト変更しようじゃないか、ということになったのです。実施にあたっては、社員みんなの知恵を出し合ってやろうじゃないか、ということで、レイアウトコンテストを開催し、社員全員から案を募集し、表彰を行いました。レイアウト変更の結果、事務所全体が広く、明るく感じられ、社員のコミュニケーションも良くなったようです。次に私が問題提起したのは、車両の停め方です。方向は定められていましたが、停め方が雑でした。キチンと整列して停めることを通じて、ドライバーの心も整うはずです。この整列駐車ができるようになるまでに、三か月ほどかかりました。慣れていない人にとっては、とても面倒なことだったようです。中には、「どうしてそこまでしなければいけないのだ?」といぶかる人もいたでしょう。どうすれば全員が整列駐車できるようになるか、環境整備委員会で意見を出し合いました。ある委員は、できなければ罰金を取ろうという意見でした。別のメンバーは、「そういう強制的なことはしたくない。もっとコミュニケーションを取ろう」という意見でした。結局、週に一回、朝礼の場で、全員で駐車場に降りて、お互いに駐車状態をチェックし合おう、ということに落ち着きました。これが功を奏して、整列駐車ができるようになったのです。注目していただきたいのは、委員会の中で、委員同士がそれぞれ自分の意見を忌憚なく述べていることです。社長や目上の人の手前、なかなかここまでハッキリとは言えないのではないか、というようなきわどい意見も、ポンポン飛び交います。先日の委員会では、「机上ゼロを徹底するにはどうしたらいいか」というテーマで話し合いをしました。これまた口角泡を飛ばす激論が展開されました。共用のハサミやセロテープも机上からなくすべきだという「強硬派」の意見もあれば、あくまでも本人の意識に任せようじゃないか、という「穏健派」の意見もあり、なかなか結論は出ません。そうした場に立ち会うとき、私はなるべく口を挟まないようにしています。「目的は何なのか?」という点だけ押さえておけば、議論は自然と最適な方向に収束していくものです。委員からは感想として、「いろいろな意見交換ができて良かった」「みんなの意識が変わるような提案をしていきたい」「いろいろなルールを決めて、きちんとルールが守れる風土を作りたい」「まず自分が実践して結果を出したい」というコメントが出ました。同社のように、「言いたいことが言える風土」は実に貴重なものだと思います。多くの会社では、若手が先鋭的な意見を言うと、ベテラン陣に潰されてしまうものです。同社は今後、ますます伸びてゆくことでしょう。 (小早)おそうじ匠の技便器の水あかのそうじをしてみよう!~優れものの道具をご紹介~今回は、便器の水あかを落とす方法で、とくに便利な道具を紹介します。先日、知人から「トイレそうじのやり方を教えてほしいんだけど」との相談があり、さっそく現場に伺いました。水がたまる喫水線のあたりに水あかがこびりついて取れなくなっていました。知人は「普通にこすっても取れないんだけどどうしたらいいのかな?」と困った様子でした。頑固な水あかや尿石を落とすのに、塩酸系の薬剤を使ったり、サンドメッシュと呼ばれる研磨ペーパーを使ったりします。しかし、いずれも素人には扱いが難しいという難点があります。そこで今回は、新兵器の投入です。「これを使ってみて下さい」と一本の道具を知人に手渡しました。 私が「水に濡らして汚れをこすって下さい」と説明をすると、知人はさっそく便器に向かってガシガシと汚れを落としだしました。すると、知人「お~~~っ、なにこれ落ちる落ちる。チョー気持ちいい!!!。面白くなってきちゃった。きょうこさん、きょうこさ~ん!」と興奮して奥様まで呼んできてくださいました。この道具は、「ポリッシュバー」といってガラス繊維を束ねて固めたものが先についています。陶器表面のうわぐすりと同じ固さなので便器の表面を傷つけにくいメリットがありますが、なんといっても頑固な水あかも気持ちよく取れます。このポリッシュバーの特長は、汚れをこすり落とした跡が、ネーミング通りピカピカ、ツルツルになることです(ポリッシュ=光沢)。さらに先端樹脂は薄く幅も小さいので 陶器の洗面台の蛇口周りなどの狭い部分の水あか・クロズミにもとても使いやすくて助かります。 良いそうじ道具を使うとそうじが楽しくなりますが、この「ポリッシュバー」は、そんな道具の一つです。 (飯塚)今回の「ポリッシュバー」の事を教えて頂いたのは、清掃用具商社の(株)BMコーポレーションの室岡社長です。 問合せTEL:027-289-9205(代) おそうじコラム「気づく力」~気づけば何歳からでも直せる!~私の師匠である黒田悦司氏が理事長を務める社団法人進化経営学院主催で、毎月、次世代型経営者養成塾が開催されており、私もアシスタント講師として運営をお手伝いしております。 「社会に役立つ自立人材の輩出」を目的に、20~40歳代の経営者あるいは幹部の人たちが集い、経営者としての考え方と経営実務の習得に励んでいます。 先日、ある受講生から嬉しい報告がありました。 現在、受講生は全員、毎日最低一つ「人の役に立つ」ことを実践することになっています。何をするかは本人が決め、実践したかどうかを専用のチェックカードに記入して自己チェックしていきます。 「毎朝大きな声で挨拶をする」という目標を掲げている受講生もいれば、「人に会ったら、その人に役立つ情報を提供する」と決めた受講生もいます。 Aさんは、「毎日ひとつ以上ゴミを拾う」と決めていました。 Aさんのチェックカードを見ると、丸印や二重丸が並び、毎日きちんと実践されていることがうかがえます。 そのAさんが、実践の感想を次のように述べてくれました。 「毎日こうしてゴミを拾う中で、気づいたことがあります。以前は、(趣味の)釣りの時に、釣糸の切れ端などをその辺に無意識に捨てていました。でも、ある時に、これはいかんな、と気づいて、以来捨てなくなりました。」 また、「事務仕事をしている時に、以前は書類から外したホッチキスの針を床に無造作に捨てていましたが、最近はキチンと集めてゴミ箱に捨てるようになりました。」とも。 釣糸を捨てるのも、ホッチキスの針を捨てるのも、本人に悪気はないのです。気づいていないだけなのです。ですから、気づけばできるようになります。 以前に誰かが言っていたのですが、若い子が消しゴムの消しカスを丁寧に集めてゴミ箱に捨てているのを見て、家庭のしつけがキチンとしている、と感心したそうです。 しかし、たとえ家庭でそのようにしつけられなかったとしても、気づけばその瞬間からできるようになります。 改めるのに年齢は関係ありません。遅すぎるということはないのです。 (小早)スタッフ飯塚輝明の輝ちゃんはミタ!講演と実践報告のバージョンアップしたセミナーをミタ!3月22日に高崎市で、群馬県中小企業家同友会高崎支部の主催で「そうじの力で会社が甦る(経営者による実践報告)」のテーマで講演会が開催されました。 今回は小早の講演に加えて、弊社の支援先であります、ひかり税理士法人より高橋代表社員と活動のプロジェクトリーダーの堤氏からの実践報告もして頂きました。 高橋代表からは、ひかり税理士法人は、経営理念に基づき経営をしていること。その経営理念を実現するための柱の活動として5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動に取組んでいるとの発表がありました。 それをうけて5Sプロジェクトリーダーの堤氏より、今までの活動の内容と活動による成果の発表が続きました。 書類が大量で業務が煩雑になっていた当時の状況。お客様に即座の対応が取れるようになりたいということがきっかけとなり弊社とともに5Sに取組み始めたこと。委員会の目標を「全社員の意識改革」として仕組み作りと率先垂範、そしてチェックを委員会でおこなったこと。毎日、毎週、毎月と決めた作業を行い取組みを重ねたこと。 結果として、最繁忙期でも書類が適切に管理できるようになり残業が減った。社員の方々から「仕事に追われなくなり新鮮な気持ちで仕事に取組める」「人任せにせず自ら行動をするようになった」と評価をされている。以上のような発表でした。 最後に高橋代表のまとめとして「ミスが減り、クライアントの課題に気づくようになった。社員の感性が高まったせいだと思う」とのご報告がありました。 現場の熱い生の報告は、会場にご来場を頂いた皆様にしっかりと伝わったと思います。終了後、高橋代表が「発表をする私たちにとっても大変勉強になる機会でした」とおっしゃっていました。 弊社では、今後も講演と支援先の実践報告を合わせたセミナーを全国各地で計画しております。各地のスケジュールなど詳細が決まりましたらご案内をさせて頂きます。お見逃しなく。 (飯塚)今月の読書から『日本のこころの教育』境野勝悟著~日本人とは「太陽に感謝して仲良く生きる」民族~私たちは「今日は」「さようなら」と挨拶します。しかしあらためて、「今日は」や「さようなら」が日本語としてどのような意味なのだろう、と考えると、「はて?」と考えてしまいます。 本書は、こうした言葉の意味を入り口にして、そもそも私たち日本人とは、いかなる民族なのか、という奥深い問いに答えていきます。 著者によれば、「日の本」とは「日が本」であり、つまり「わたくしたちのいのちは太陽が元だよ」という意味だそうです。ここから私たち日本人とは、「わたくしたちの命の原因が太陽だと知って、その太陽に感謝して、太陽のように丸く、明るく、豊かに、元気に生きる」民族だとのこと。 だから、「競争ばかりして、弱いものをたたいて、強いものだけが威張って強がっているのは、太陽の生命を感謝しあって生きようとした日本人の本来の生き方ではなかった」と言います。 聖徳太子が十七条憲法に掲げたように、日本人が古代よりもっとも大切にしてきた言葉は「和」だったのです。 日本人は昔から、「一番目に太陽の恩、二番目に自然の恩、三番目には父母の恩」を、私たちがいま生きている生命の原因として尊んできました。そのことが、言葉としてちゃんと表されています。 たとえば、「カミ」という言葉。カミとは「日身」つまり「太陽の身体」という意味。私たちは女性のことを「おカミさん」と言います。「お母さん」というのも、同じ語源だそうですが、いずれも「太陽」を意味しています。すなわち私たちを生んでくれる女性や母親のことを「太陽さん」と呼んでいたのですね。 ちなみに「お父さん」とは、「尊(とうと)」いという言葉から来ているのだそうな。妻や子供のために働いて食糧を得、外敵から守ってくれる人に対する尊称です。そういえば、私の息子は小さい頃に私のことを「オトト」と呼んでいましたが、さすがですね(笑)。 さて、冒頭にご紹介した「今日は」「さようなら」の意味に戻ります。 もともとは「今日は、お元気ですか」という挨拶で、この「今日」という言葉は古くは太陽の意味だったそうです。つまり、「あなたは太陽さんと一緒にあかるく生きていますか」という確認の挨拶です。 それを受けて、「はい、元気です」と答え、それを聞いて、「さようなら(ば)、ごきげんよう」と続きます。つまり「太陽さんと一緒に生活しているならば、ご気分がよろしいでしょう」ということです。 明治以降になると男性が「さようなら」と言って、女性が「ごきげんよう」と言い分けるようになり、さらに昭和になると女性も「ごきげんよう」とは言わずに「さようなら」だけを言って別れるようになった、ということなのです。 もしかすると、「そうじ」という言葉にも、奥深い意味が隠されているのかも知れませんね。 (小早)お知らせ◆経営計画コンベンションオブザーバー募集中! 「志ある経営」を目指して勉強する仲間が集って行う経営計画発表会です。 熱意あふれる発表に接すると、聞いているこちらまで熱い意欲が湧いてきます。 昨年は19名の参加で盛会でした。今回も オブザーバーを募集しています。 日時:4月17日(水)9:00~15:00場所:高崎市産業創造館会費:7,000円(昼食代、資料代含む)主催:経営道場推進委員会申込先:事務局 赤石陵勇様 info@jisedaigata.net◆創業道場2013年度受講生募集中! 「志ある経営」を目指す仲間を育ててきた手作りの勉強会が、今年も開講します。 ただ単に飯が食えるようになるといったことが目標の人ではなく、『個性的で特徴ある事業をしている』経営者を育てることを目指した、少数ゼミ形式の講座です。 概要:①企業理念:何のための企業か ②市場戦略:自社の市場を知る ③地域密着:顧客密着企業を作る ④経営モニター:実態をつかむ 等日時:毎月第一火曜日AM5:00~7:00会場:群馬県高崎市内講師:須田知身氏(社長育成家)※ご興味のある方には、別途詳しいパンフレットをご用意しておりますので、お申しつけください。◆第3回 群馬100kmウォーク参加者募集中! トイレそうじ仲間である(株)草むしりの宮本さんが2年前に始めた群馬100kmウォークが今年も開催されます。朝6時、群馬県庁をスタート。コースは、元旦ニューイヤー駅伝のコースです。昨年は8人参加し、完歩者は4名でした。いきなり100kmはさすがにキツイと思われる方は30kmでも50kmでも自分で目標を決めて歩くのもいいと思います。開催日:4月20日(土)~21日(日)主 催: (株)草むしり 宮本成人様 TEL:027-364-8042株式会社そうじの力環境整備を核とした経営改革の支援「そうじの力」の活動は、「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。支援に当たっては、まずは調査に伺います。全国どこでも可能ですので、お気軽にお問い合せください。