【第210号】粘り強く続けて習慣化する|(株)小河原建設 そうじ実践企業見学会
そうじの力だより第210号支援事例紹介粘り強く続けて習慣化する~(株)小河原建設 そうじ実践企業見学会~東京都中野区の(株)小河原建設。木造の注文住宅と鉄筋コンクリート造りの公共工事を請け負う、社員三五名ほどの会社です。十二年前から、弊社がお手伝いして環境整備が続けられています。同社で、十二月二日、「そうじ(整理・整頓)実践企業見学会」を開催しました。様々な業種の十九名の方にご参加いただき、同社の事務所、倉庫、建築現場を見学していただきました。この見学会を行う趣旨は、まず第一に、見る側にとって、とても勉強になる、ということです。百聞は一見に如かず。こうして実際に現場に来て見て触って感じてみると、なるほど、整理整頓をすることで会社がよくなるのだ、ということが実感できます。既に取り組みを行っている会社にとっては、より良くするための改善のヒントが得られたことでしょう。まだ取り組みを行っていない会社ならば、ウチもやってみよう、となることでしょう。もう一つ、見られる側にとってもメリットがあります。こうして多数の方が見に来られるわけですから、みっともないところは見せられません。課題点は改善し、現在整っている部分も、もっとよくできないかと、さらに工夫します。良い緊張感が、取り組みのモチベーションになります。このように、見学会の実施は、見る側と見られる側、双方にメリットがあるのです。当日は、社員総出で役割分担し、受付、事務所、倉庫、建築現場で、それぞれ、お客様をご案内しました。事務所は、以前は各デスクにパーテーションがあり、個々人が分断されていました。現在は、パーテーションが撤去され、机上ゼロが保たれています。壁面には、以前は書類棚が設けられ、書類がパンパンに詰まっていたのですが、不要な書類を整理し、棚ごと撤去したことで、限られたスペースを有効活用できるようになりました。地下倉庫は、建材や資材、道具などが、誰が見ても分かるようにストックされています。たとえば、ビス類。以前は、購入したままの箱に入れて積んであったのですが、どこに何があるか分からず、取り出しにくいという問題がありました。今回、透明なプラスチックケースを用意し、種類ごとに収納する形に改めました。建築現場では、「東京一キレイな現場」を目指して、毎日五回の清掃が行われています。足下にはビスどころ木屑さえも落ちていません。つまづいたりしないように、配線類は上に上げられ、脚立なども壁掛け式にして整頓されています。粘り強く働きかけてきたおかげで、今では、職人さんたちが何も言わなくても、現場をキレイに保ってくれているそうです。以下、参加者の感想文の抜粋です。〈全ての物に名前と定位置が決められていること、収納に扉がないこと、机の上に何もないこと、が印象的でした。〉〈個別表示することの大切さと、標準化の徹底、マニュアル作りなど、そうじの優先度を経営の中で上位に位置づけている経営意識は素晴らしいと感じた。〉〈社員に考え方が浸透している。現場に行ったときに、外注さんに徹底されていると聞きました。できるまでする強い思いが大切ですね。いつかは自社にも導入したい。〉〈全てが印象に残りました。取り組みに対する工夫などが感じられ、まだまだ発展するみたいなので、感動しました。社員の皆様が環境整備に対して自信と楽しさをもって取組んでいるのがうらやましいです。習慣化できているのもすごいです。最後ですが、モノが少ない!〉本当に素晴らしい会でした。(小早)そうじの力 コラム“そうじ”をすると、なぜ会社がよくなるのか①~転原自在=何とかするのは自分だ ~ 拙著処女作の題名でもある「“そうじ”をすると、なぜ会社がよくなるのか」について、あらためて考えてみます。 いろいろな説明ができるのですが、ここでするのは、ひとつの考え方です。 たとえば、道を歩いていて、足下にゴミが落ちているのに気づいたとします。 この場合、普通の人は通り過ぎます。なぜならば、自分がそのゴミを捨てたわけではないし、そこをキレイにする義務を負っているわけでもありません。 だから、ほとんどの人は、何もせずに通り過ぎます。 一方、落ちているゴミに気づき、嫌だな、なんとかしたい、と思ったとします。 そこで、勇気を出して立ち止まり、しゃがんで、そのゴミを拾います。すると、そこにゴミが放置されている、という小さな問題が解決するのです。 ここで注目してほしいのは、誰が悪いのか(誰が捨てたのか=責任の所在)と、誰がその状況を変えることができるのか(=解決の原動力)は、必ずしも一致しないし、する必要もない、ということです。 つまり、世の中や組織における問題に対して、その原因や責任に関わらず、「何とかするのは自分だ」という意識で、自分ができる行動をすることで、実際にそうした問題は解決できるのです。 このことを、「転原自在(てんげんじざい)」と言います。(大和信春氏考案) 「転原」とは、転ずる原(もと)であり、ここが変われば成り行きが変わるポイントのこと。その転原が「自分に」「在る」ということです。 よく、「自分が変われば周りが変わる」というようなことが言われます。これは決して観念論や根性論などではなく、実際にそうである、つまり真理なのです。 足下のゴミを拾う、という、小さなことではありますが、こうしたことができる人は、問題解決力が高い、と言えるでしょう。 このような「転原自在」の人材が組織の中で増えてくれば、自然とその組織はよくなっていくことでしょう。 だから、“そうじ”をすると、会社がよくなるのです。(小早)株式会社そうじの力 そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第210号 2023(令和5)年1月1日発行 発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721 メール:info@soujinochikara.com