【第212号】イベント開催で、楽しみながら活動する|Mランド
そうじの力だより第212号支援事例紹介イベント開催で、楽しみながら活動する~「そうじの力」から「クリーン&コミュニケーション活動」へ~島根県益田市の自動車教習所、Mランド益田校。地元の名士である、故小河二郎氏が創設し、ユニークな経営で全国に名を知られています。教習生(ゲスト)や教官(インストラクター)が、互いに送り合う「ありがとうカード」、校内での買い物などに使える地域通貨「Mマネー」、そして、ゲストが校内の掃除などを行う「朝のボランティア」など、いまや全国の教習所で行われている施策の多くは、ここMランドで生まれました。前述したとおり、もともと同校においては、掃除の文化がありました。朝のボランティアとして、トイレ掃除や構内の掃き掃除などを、インストラクターとゲストが一緒に行うのです。しかしながら、その掃除の文化は、実は一部の社員に限定されたものであり、全員参加の活動ではなかったのです。また、掃いたり拭いたり磨いたりといった、いわゆる「清掃」は得意なのですが、不要なものを捨てたり、分かりやすく配置するといった「整理・整頓」が苦手、という実情もありました。そこで、ちょうど一〇年前に弊社がお手伝いに入って、あらためて「そうじの力」の活動がスタートしました。全社員約一二〇人を一五の班に分け、それぞれの班にエリアをあてがって、各班のリーダー主導で活動を進めていくやり方を採用しました。ある班は、学科教室の床面をピカピカに磨き、また別の班は、敷地を取り囲むガードレールを白く磨いてくれたりしました。こうした活動を一〇年間続けてきて、ある程度の成果はありましたが、いまひとつ、「突き抜けた」活動にまではなっていません。ひとつには、シフト制勤務のため、皆さんが揃って活動する時間が取りにくい、ということ。もうひとつは、従来からの「掃く拭く磨く」に固執してしまい、「不要物を捨てる」ということが、なかなかできないこと。そこで今回、少しやり方を変えてみよう、ということになりました。まず、十一月二一日の午後に、ほぼ全員にあたる百名以上が参加し、「整理」イベントを開催しました。今回は、掃いたり拭いたり磨いたり、といったことは一切せずに、ひたすらに「捨てる」ことに注力しました。おかげで、デスク上にうず高く積もった書類や、キャビネに十年以上も使われずに押し込まれたままの書籍などが、ごそっと捨てられました。また、これまで、校内で催された夏祭りなどで使用された大道具や小道具、イスやテーブルなどが、あちらこちらにホコリを被って放置されていたのですが、それらもいったん全部出して、使っていないものはごそっと捨てることができました。当日は、皆さんが、楽しみながら、積極的に体を動かしてくれました。もともと、イベント事は得意です。イベントになると、互いに協力して、総合力が発揮できます。そして、これを機に、普段の活動のネーミングも、これまでの「そうじの力」から、「クリーン&コミュニケーション(C&C)活動」というふうに変えることになりました。そこには、単にキレイにするだけではなく、活動を通じてコミュニケーションを促進し、よりよい組織を築いていく、という想いが込められています。同校のビジョンは、「日本一美しく、温かく、わかりやすいMランド」 。その達成に向けて、全社でいくつかのテーマを決めて、各班で活動計画を作成し、実践していきます。具体的には、月一回の班活動、年二回の全社活動、年四回のリーダーミーティングに加え、毎週木曜日の朝は、身の回りの整理や洗車、教習コースの草抜きなどを行います。ユニークな企業Mランドが、新たな「C&C活動」によって、さらにユニークに進化していくことでしょう。 (小早)そうじの力 コラム“そうじ”をすると、なぜ会社がよくなるのか②~にこにこサイクルを回す ~ 私の著書第一作のタイトルでもある「“そうじ”をすると、なぜ会社がよくなるのか」について、さらに考えてみます。 前回のコラムでは、「転原自在(てんげんじざい)」という概念をご紹介しました。 道端に落ちているゴミは、自分がポイ捨てしたわけではありません。しかし、自分が気づいて拾うことで、そこにゴミが放置されているという問題を、解決することができます。 このように、責任の所在にかかわらず、自分が動くことで周りの状況を動かすことを、「転原自在」と言います。平たく言えば、「何とかするのは自分だ」ということです。 こうした、転原自在の行動を、組織内の多くの人がするようになると、次にどのようなことが起こってくるか。 たとえば、足下のゴミを拾うというのは、小さなことですが、「役に立つ」ことです。すると、周りの人に「喜ばれる」ので、周りから自分が「大事にされる」、そして自分が「助かる」ので、「喜ぶ」。 だからまた、周りを「大事にする」ので、周りの「役に立つ」行動をする、という好循環が回ってきます。 これを、「にこにこサイクル」(大和信春氏考案)と言います。 そうじに取り組む多くの企業で、単に場がキレイに整うだけでなく、社風がよくなっていくのは、この「にこにこサイクル」が回っているからなのです。 (小早)株式会社そうじの力そうじで組織と人を磨く、日本で唯一の研修会社弊社は“そうじ=環境整備”を通じた「企業風土改革」を支援します。講義、実習、チームミーティング、計画作り、現場検証を通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月1回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)そうじの力だより第212号 2023(令和5)年3月1日発行発行者:小早 祥一郎(株式会社そうじの力 代表取締役)〒370-0078 群馬県高崎市上小鳥町307-1 TEL:050-3709-2333 FAX:050-6868-2721メール:info@soujinochikara.com