【第103号】チームワークがアイデアを生む|Mランド

事例紹介チームワークがアイデアを生む 〈もっとキレイに、もっと楽しく!〉~Mランド そうじの力委員会「人力捨」活動二年目~島根県益田市にある益田ドライビングスクール、通称Mランド。弊社がお手伝いしての「そうじの力」活動が一年の節目を迎え、研修会と発表会が開催されました。まず私が簡単なレクチャーを行い、引き続き、各チームがこの一年間に取り組んだ内容や感想を発表しました。それらの発表には、ずいぶんと感心させられたものもありました。以下に、いくつか抜粋します。〈現状維持でいいと思うと、実際には汚くなっていってしまう。常に「もっとキレイに」という気持ちを持ち続けないといけないと分かりました。〉〈今までずっと「机上ゼロ」に取り組みたいと思いつつも、「でも現実にはこれこれの障害があるので・・・」などと自分に言い訳をして取り組んできませんでした。ところが実際に机上ゼロにしてみると、その良さが分かるし、たくさんのことに気づくようになりました。〉〈床磨きをしていると、なぜ「局所集中」が大事なのかが分かります。広い範囲をやると、ムラになってしまうのです。〉〈取り組み当初は、「こんなに捨てて大丈夫なのかな」と思ったりしましたが、不要なモノを捨てることで、本当に必要なモノが見えてきました。〉〈敷地周辺のゴミ拾いをしていると、けっこうゴミが落ちていることに気づきます。ゲストの行動範囲をキレイにするのは我々の責任だという意識を持って、今後もゴミ拾いを続けていきたいです。〉〈昼のそうじの時間は、普段はなかなか話をすることのできない先輩たちと話をすることができる交流の時間。自分にとっては、この時間がとても大切な時間になってきました。〉〈先日、わがチームでガードレール磨きを行いましたが、その日が休みの人も出てきて参加してくれました。〉これらの発表を受け、次年度の新体制が発表されました。チーム編成は基本的にこれまでのものを継続し、リーダーが全員交代しました。毎年、リーダーを代えることで、全員が主体性と責任感を持って取り組んでもらうのが狙いです。その後、各チームに分かれて、次年度の活動計画が作成され、新体制のスタートが切られたのです。さて、新体制スタートから一か月後に私が訪問し、チームリーダーを集めてのミーティングを行いましたが、それぞれのチームリーダーからの報告を聞くと、ずいぶんと工夫し、進歩したような印象を受けました。あるチームでは、毎週木曜日朝の「そうじの日」の活動リーダーを持ち回り制にしているといいます。持ち回りにすることで、チーム内の全メンバーが主体性と責任感を持って活動に臨むことができます。また別のチームでは、昨年までほとんどそうじに参加しなかったあるメンバーが、新体制になってから毎日参加するようになったといいます。理由は分かりませんが、本人の中で何かが変わったのでしょう。このチームでは、オリジナルTシャツを作成するそうです。「楽しみながらそうじに取り組む」工夫をしているようです。別のチームでは、月に一回だった待避所のそうじを、新体制になってから毎週一回に増やしたそうです。二輪教習所詰所の担当チームでは、ヘルメットとグローブ、ゼッケンなどの置き場に標識を施したところ、教習生がきちんと元に戻すようになったといいます。各チームリーダーが音頭を取り、メンバーみんなで考え、「もっとキレイに」「もっと楽しく」するためのアイデアがどんどん湧いてきているようです。同社の小河二郎会長も、「社員の表情も、昨年とは全然違う」とおっしゃっています。そうじを通じて、素晴らしい経営で注目されていたMランドの雰囲気も、さらにホスピタリティー溢れるものに進化しつつあります。      (小早)おそうじ匠の技外せるものは外してそうじをする!~便座の外し方~洋式トイレをそうじする時に、便座を外すと隅々までキレイにそうじができます。便座の外し方をご紹介いたします。例1:一般的な温水便座の外し方 まずは、コンセントからコードを抜いて下さい。 便座の右側にボタンがあります。これを押しながら便座を手前に引いていくと外れます。 (注意)便座への給水ホースは外さないでください。ホースの長さの範囲で便座をずらしてそうじします。例2:便座が持ち上がるタイプ 便座が持ち上がるタイプもあります。 まず、コンセントからコードを抜きます。 便座の両側にツマミがありこれを引き出します。 そして便座を上に持ち上げると写真のようなすき間ができてそうじができます。例3:ボルトで留まっているタイプ 温水便座でない場合はほとんど樹脂製ボルトで留まっているタイプです。温水便座でもこのタイプがあります。 便器の裏を下からのぞくと樹脂製ナットがあるのでこれを手で回して外します。(↑)外した部品も洗います。例4:ふたを外すタイプ タンクと便座が一体成型になっていて、便座が簡単には外れないタイプもあります。その場合は、フタを外します。このタイプは左側を持ち上げると外れました。フタを外すと、接合部の周囲をキレイにできます。 (飯塚)おそうじコラム細部にこだわれ!~「気づく」ことの大切さ ~「気づく」ということがとても大切です。そして、気づいたら「動く」ことも同様に大切なことです。 たとえば下の写真。ホテルの部屋番号の表示が欠けています。このホテルの客室内には、アンケート用紙が置いてあり、「何かお気づきの点があればお知らせください」と書いてあります。 「ふざけるなっ!自分で気づけ!」(笑)と言いたくなります。ホテル内をしっかりと巡回していれば、気づくはずのことです。部屋の清掃係は気づいているはずですが、上司に報告はしないのでしょうか。 次に、左の写真を見てください。マグネットが右や左に傾いています。本人たちは、何となくやっているだけなのですが、見る人が見ると、だらしなく映ります。 このような掲示物は、きちんと水平や垂直に整えたいものです。気持ちが整っていないから掲示が傾く、ということもあるでしょうし、逆に、掲示が傾いているから気持ちが整わない、ということもあるのです。 最後に、下の写真です。これは、ある店舗の区画線です。せっかくラインテープを引いて商品置き場をキレイに整えようとしているのに、そのテープがこのように欠けていては締りがありません。 いずれのケースも、改善するために何か特別の能力を必要とするわけではありません。しっかりとアンテナを高くして見ていれば気づくはずのことです。 ところが、実際にはこの「気づく」ということがなかなか難しいのです。 では、どうすれば気づくようになるのでしょうか。 そのひとつの訓練が、「そうじ」です。毎日そうじをしていると、どこかに汚れはないか、乱れている所はないか、とネタを探すようになります。そうすると、だんだん気づきの感度が上がってくるのです。 そういっている私自身、妻の髪型の変化には気づかなかったりします。まだまだ修行が足りませんね(笑)。 小さな問題に気づくことが、大きな問題への対処につながります。    (小早)出張おそうじデモンストレーションを!実施レポート③いろいろな会社で「出張おそうじデモンストレーション」を実施させて頂いております。2時間で、トイレそうじのやり方を実演し、参加者の方にも体験していただくプログラムです。 前橋市の有限会社アクアポットの皆様の感想です。 韓真希様『気付いていても、なまけているわけでもないのに出来ないことが多いことを知れる良い機会になりました。そうじという身近なものを通して学べることの深さに感動しました。』 H様『洗浄にたずさわる人間でありながら、普段の生活の中で目の届いていない部分を再確認いたしました。分解に関しては人並み以上の自負がありますが、目に見えない箇所であるために手を惜しんで「やらない」という選択をしていた自分を恥ずかしく思いました。』 R様『トイレそうじを通して「気づく」ことの重要性や、少しの努力を積み重ねる重要性を教えて頂きました。そうじを行った後の「スッキリ感」は、またやりたいと思わせる原動力となりそうです。』 F様『おそうじのポイントを教えて頂きましたが、それが仕事や自分のやるべきことなどすべてにつながっていると感じることができました。すべてを一気にやるとやる前からヤル気がなくなるので少しづつでもコツコツ続ければ自分が納得いく自分になれるように思いました。』 安中市の(株)LUCの皆様の感想です。 内田光則部長『会社の中で清掃を行うことの意味合いを改めて見直すと共に、自分自身の捉え方を変えていかなければと強く感じました。』 Sさん『苦手なトイレそうじも気持ちよく楽しく出来ました。とても勉強になり、教えていただいた内容を他の社員にも伝え、みんなが今日のようなそうじができればより良い会社になると思います。』 隅々まで分解そうじをしてキレイになると、なぜかみなさん笑顔になります。その笑顔が私の原動力です。   (飯塚)今月の読書から『孤高の人(上・下)』新田次郎著~自分で決めた原則を曲げない~新田次郎の山岳小説が好きで、いろいろと読んでいます。 実はこの本を新幹線の中で読んでいた時、隣席の若い人が、「この本、面白いですか?」と聞いてきました。ひょっとして新田次郎のファンかと思って興奮しかけたのですが、さにあらず、同名漫画の原作本だということで興味を持ったのだそうです。 本書は、実在の登山家をモデルにして、史実をベースに描かれています。 加藤文太郎は、大正から昭和の初期にかけて活躍した登山家で、造船所の技師をしながら六甲山系をホームグラウンドにして、厳冬の北アルプスなどに挑んでいきます。 「単独行の加藤」と呼ばれ、誰の教えも受けずに独自に登山技術を磨いたといいます。 一般的には、どこかの山岳会に所属し、先輩からの指導を受けながら、パーティーを組み、ザイルなどでメンバー同士の体をつなぎながら登山をすることが多いのですが、加藤はいっさいそのようなことをしませんでした。 どんなに過酷な山でも、いつも一人で挑みました。 服装や食糧にも工夫をこらしました。当時まだハイテクの登山服がなかった頃に、防水性や防寒性に富んだ登山服を独自で開発したり、乾し小魚と甘納豆を常にポケットに入れて、餓えによる体力低下を防いだりしました。 なぜ彼が単独行にこだわったのか。生来の性分ということも、もちろんあったでしょう。しかしそれ以上に、パーティーを組むことで、自分のペースが乱されるのを嫌ったのでしょう。リズムやペースが崩れれば、過酷な環境においては、それは事故や怪我、そして死をも招きかねません。自分ひとりならば、どんな状況下でも生還する自信があったようです。 ところが、それほどまでに単独行にこだわった加藤ですが、彼のことを兄と慕う後輩に無理にせがまれて、生涯にたった一度だけ二人で冬山に入ります。 そして、その山行で二人は吹雪に見舞われ、還らぬ人となってしまったのです。 加藤文太郎は新婚で、これ最後に冬山やめようと思っていたところでした。 これを読んでいて、「自分で決めた原則を曲げない」ことの大切さをつくづく感じます。 決して自分が怠けたわけでもなく、環境の変化や周囲の人たちの要望などによって、自分で決めた原則を守りづらくなることがあります。 そんな時でも絶対に原則を曲げない。 たとえば、毎日30分そうじをすると決めたら、雨が降ろうが槍が降ろうが、絶対にやり続ける。 そう言いつつ、なかなか原則が守れない私ですが、そうした強さを持ちたいと思います。               (小早)お知らせ◆実践企業事例発表会&見学会小早の講演+小河原建設の見学  弊社支援先である小河原建設様の実践発表と現場見学会、そして小早の講演をセットにした盛りだくさんのセミナーです。 日時:2014年2月27日(木)    13:30~14:30小早祥一郎講演    14:30~15:30小河原建設発表    15:30~17:00小河原建設見学会場所:株式会社小河原建設本社     (東京都中野区中央5-4-24)会費:3,000円主催:株式会社そうじの力※巻末連絡先までお申込みください。◆法人向けミニサービス出張おそうじデモンストレーション  会社や店舗や現場などのトイレそうじをちゃんとやっていきたい!そう思いながらも、「やり方が分からない」「スタッフにどう教えたら?」そんな時には、おそうじデモンストレーター飯塚輝明を呼んでください。トイレそうじのやり方を実演いたします。一緒に体験して下さい。・1回2時間3名様まで(法人に限る)・費用20,000円(群馬県内)※地域によって費用が変わります詳しいパンフレットをご用意しておりますので、ご請求ください。◆講演録 無料頒布「働くってどういうこと?」  小早祥一郎が高崎市立高松中学校の生徒に向けて「働くってどういうこと?」と題して講演を行いました。 その講演の全文と生徒の感想文(抜粋)をこのたび小冊子にまとめました。 生徒たちの真剣さと感性の鋭さが伝わる内容です。 ご希望の方に無料で進呈しますので、巻末の連絡先までご請求ください。株式会社そうじの力環境整備(5S=整理、整頓、清掃、清潔、躾)を核とした経営改革の支援「そうじの力」の活動は、「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。支援に当たっては、まずは調査に伺います。全国どこでも可能ですので、お気軽にお問い合せください。