【第104号】行動が変われば意識が変わる、意識が変われば行動が変わる|石見交通(株)
事例紹介行動が変われば意識が変わる、意識が変われば行動が変わる~石見交通 そうじの力研修会~島根県益田市にある石見交通株式会社。創業七〇年、地域の「足」として市民に親しまれているバス会社です。ここで約一年前から、毎月「そうじの力研修会」を行っています。受講メンバーは、経理、総務など事務部門、整備工場、各営業所、そして関連会社の若手社員です。毎回、私が簡単な講話をした後、各メンバーからの活動報告があり、その後、事務所や整備工場などを全員で巡回しながら、課題点や改善方法を確認しています。事務所は、当初は机の上に書類が山と積もっていたのですが、取り組みの結果、「机上ゼロ」で床はピカピカに輝いています。課題の多かった整備工場も狭いエリアに限定して、一箇所ずつキレイにしていきました。また、経理や総務など事務所のメンバーもつなぎを着て応援に入り、部門横断で活動に取り組んだ結果少しずつ改善が進みました。各営業所も変わってきました。当初は書類、掲示物、備品など、とにかくモノがあふれていたのですが、それを整理していきました。思い切ってデスクの数を減らした営業所もあります。運転士さんたちも取り組みに参加しています。ある営業所では、バスを真っ直ぐに整列して駐車するようになりました。見ているだけで、こちらの気持ちも引き締まります。バスの車内の清掃にも力を入れています。各メンバーの感想文を抜粋します。〈これまで気にもせず、過ごしてきた床でしたが、いざ磨いてみると、これまでの汚さに驚きでした。毎日少しずつ狭い範囲を磨きました。床全体を研き上げるまでには三ヶ月程かかりましたが、全員で力を合わせて研く事で、同じ目標に向けて協力して取り組む一体感は心地よい物でした。自分たちで綺麗にした事で、少しの汚れや汚い部分も自然と気付くようになり、誰と無く雑巾やブラシを手に取り汚れを落とすようになりました。気付ける事、率先して行動できる様になれた事は、この一年の大きな成果だと感じます。〉 (安全輸送部:渡辺健一さん)〈長年の間、溜め込んでいた中古部品が多くあり、整理(捨てる)だけでも大変な作業で、一度に工場全体を整理することは不可能で細かくエリアを区切り確実に活動を実施して有効なスペース確保に努めてきました。工具・道具以外の使えないものも多く、整備士にとっては「取って置いたら使えるかもしれない、何かに使える」と思うことがあるため捨てにくいですが溜め込んだ中古部品は滅多に使用することはないことに気づきました。思い切って整理することで、有効なスペース確保と作業効率の上昇につなげられたと思います。今回、整備士だけでなく本社の事務員の方と一緒に作業することで部外者の視点を通じて思い切った整理が実行できました。そのおかげで、他部署の人とコミュニケーションを取る機会が得られ、グループ全体での働く仲間が増えた気がします。〉(整備工場:石川裕一さん)〈私は会社より委員会メンバーに任じられた時は、正直、そうじなんて普段、普通にしているのに、それによって本当に会社は変わるのか?と思っておりました。普段そうじは何気なくして仕事の業務外という認識でしたが、社内でそうじの年間目標、計画を立て、それを仕事の一環として実行してきました。最初は皆のそうじへの認識は薄いものでしたが、始めて数ヶ月すると徐々に皆の取り組みへの意欲が出てきて、尚且つ、今まで何気なくそうじをしてきていたはず、と思っていたのが、腰を下げ目線を床目線しながらそうじをすると、いかにほこりや、いらないものがあったかという事が良く分かり第三者にみてもらうと指摘だらけでした。現在も毎日のそうじと、月一回のそうじを、社内全員で取り組んでおりますが、明らかにそうじをしている事によって社内のチームワークも良くなり各人の感性も磨かれてその結果、直接的な金銭的利益はでてはいないかもしれませんが間違いなく会社内の仕事の品質・良い社風になっているのを社員全員で実感している次第です。〉(石見エアサービス:羽山章善さん)〈研修で「新しく買い換えるのは簡単だし、楽であるが、まずは磨く。まずは自分達でやれる事をやり、それで駄目だったらまた別の手を考えれば良い。そこに至るまでの過程が大切である。」と言われた事は印象的であった。〉(総務部:黒田栄治さん)同社の取り組みは、今後もまだまだ続きます。 (小早)おそうじ匠の技外せるものは外してそうじをする!~サッシ窓の外し方~サッシレールをそうじする時に、窓を外すと隅々までキレイにそうじができます。 サッシの外し方をご紹介します。まず、サッシを外す時に注意する事柄です。サッシは重たいので一人で作業するのは避けましょう。また、万が一落としても人にぶつかることなど無いように確認をしてください。サッシは、サッシを上に持ち上げて、サッシの下の部分をレールから浮かせて前後にずらすと取り外せます。サッシを外す際の順番は、①網戸を外す。②室外側のサッシを外す③室内側のサッシを外すです。 まず①の網戸の外し方です。網戸やサッシは室内側から外す事ができます。網戸を持ち上げて室外側に外しますが、この時に「はずれ止め」が効いていて上に持ち上がらないことがあります。「はずれ止め」の解除の仕方です。1.「はずれ止め」の調整ネジをゆるめます。2.「はずれ止め」を下げます。3.網戸を持ち上げ、はずします。 はずした網戸は室内に入れます。網戸の次にサッシを外します。室外側のサッシから外していきます。サッシの外し方は、網戸と同様です。サッシにも「はずれ止め」がある場合があります。網戸と同様に「はずれ止め」の調整ネジをゆるめます。サッシを持ち上げ、下部をずらすと外れます。大きなサッシは、非常に重たいので必ず2人以上で作業をして下さい。この場合、室外側に取り外すことになります。ただし、室外側にベランダなどの足場スペースがない場合には、危険ですので無理をせず取り外さない方が良いでしょう。最後に、そうじの後に再び窓枠に取り付けた時は、必ず「はずれ止め」を調整してください。 「はずれ止め」部品が正しくかかっていないと、網戸やサッシが落下して人身事故や物損事故につながる恐れがあります。 (飯塚)おそうじコラム大雪の対応に見えてくるものがある~普段は分からない人情の機微 ~関東地方で、二月八日に続き二月十四~十五日に大雪が降り、私の住む群馬県高崎市では七十三センチという観測史上最大の積雪となりました。 朝、起きてみて、家が雪の中に埋まってしまっているのです。 さっそく、家から通りにまで脱出できる最低限の通路だけ確保した上で、周辺道路の雪かきに取り組みました。 雪国と違って、高崎は除雪車の大量投入や消雪パイプといった道路の除雪システムがありません。したがって、大型の幹線道路は別としても、家の周囲の道路の除雪は、自分たちで行うしかありません。 近所のみなさんも、自宅の最低限の雪かきをした後、通りに出てきて、道路の雪かきにいそしんでいます。 私は普段、家におらず、特に地域活動をしているわけでもないので、隣近所の人たちと会話をする機会はあまりないのですが、こうして一緒に雪かきをしていると、自然と会話を交わします。 面白いのは、近所を歩いていると、周辺道路がキレイに雪かきされている家と、なぜかその家の前の道路だけバッチリと雪が残った家があることです。 店舗でも、周辺をしっかりと除雪している店もあれば、玄関口の雪だけどけて、周囲の歩道や道路の雪はそのまま、という店もあります。正直なところ、「この店では食わないぞ!」と思ってしまいます(笑)。 わが家から五〇メートルくらい離れた所にある道路は、誰も雪かきをしないらしく、二月八日の雪の後、凍ってしまい、危険な状態になっていました。 十五日の後も、放っておけばさらに路面状況は悪化すると思い、私は意を決して除雪に取り掛かりました。凍って固まった雪は、容易に除去できません。鉄スコップで叩き、最後には鉈(なた)で叩き割りながら氷を除去していきました。 最初、一人でやっていたのですが、そのうちに近所の人たちが次々に参加してくれ、最後には七~八人になり、とうとう一帯の雪(氷)を完全に除去することができました。 こうやって一緒に汗を流していると、仲間意識が湧いてきます。特に何を話したというわけでもないのですが、なんとなくお互いの距離が近くなった気がします。 そう、これこそがまさに「そうじの力」なのですね。 (小早)出張おそうじデモンストレーション!実施レポート④トイレそうじのやり方を実演し、参加者の方にも体験していただく「出張おそうじデモンストレーション」。今月も参加した方々からの感想を頂いております。 前橋市の富士見建材株式会社で参加された小林社長ご夫妻の感想です。 小林孝明社長〈「外せるものは全て外してからそうじする」この考え方に目からウロコが落ちた気分でした。裏側に気を配る(アンテナを立てる)ことを意識できたので、とても勉強になりました。〉 小林さわ子さん〈そうじを通して、その先にある(つながる)モノがちょっと見えた気がします。色々な事への気づきの大切さを再認識させて頂きました。〉 前橋市の立見建設株式会社の立見公一専務の感想です。 〈とてもすっきりした気持ちになりました。細かなところまで目を配る重要性を再認識できた。小さなこと(汚れ)の積み重ねが大きなこと(汚れ)になることを実感した。〉 前橋市の株式会社ナカダイの皆様のご感想です。中台啓一さん〈見落としがちな所や、見過ごしてきた所の積み重ねの汚れにビックリしました。細かにやることで解消できると感じた。〉 高橋勝則さん〈そうじと安全のつながりが良くわかった。トイレそうじは溜めてしまうと大変なことが良くわかった。〉 細野一也さん〈・気がつかない箇所をきれいにするようになる。・毎日そうじを少しずつ継続してやる。これは常に仕事にも役立てるようになればと思います。〉 坂本香織さん〈強力な洗剤を使わなくてもきれいになったのが意外でした。新しいうちにちょっとずつ丁寧にやれば常にきれいな状態を保てる。〉 仲間と一緒に楽しそうにそうじをされている様子に、私の方がエネルギーを頂いております。 (飯塚) 今月の読書から『オリンピック魂 人間力を高める』橋本聖子著~使命感があるから強くなれる~ある方から頂いた本です。当初は、著名人の自慢話かな、くらいにしか思っていなかったのですが、ページを開いてみて、その内容の深さに驚かされました。 橋本聖子という人に関しては、スピードスケートと自転車でオリンピックに出場し、現在は国会議員だということ以外、特に知りませんでした。ところが読んでみて、すごい人物だと気づきました。 そもそも小学校3年生で腎臓病を、高校3年生で呼吸筋不全症を患ったため肺活量が2400mlしかなく、アスリートとしては最初から肉体的ハンデを負っていた、ということからして驚きです。 また、過酷なトレーニングの結果、現役時代は体脂肪率8~9%だったため無月経症になり、結婚後もしばらく妊娠できなかったこと。3人の子連れの夫と結婚し、夫と自身の子供も3人授かったこと。出産の一週間後には仕事に復帰し、議員会館で育児をしながら議員活動を続けたこと、など、多くの困難と挫折を乗り越えてきたのだそうです。 もっと驚くのは、彼女の生活パターンです。現役時代は、少ない肺活量でも体が動くようにマスクをして練習し、汗をかかないように水分をほとんど補給しない。激しいトレーニングでも嘔吐しないよう、朝と昼はほとんど食べず、一日一食。 現役を退いた今でも、朝は3時半に起床、家事と育児をし、6時から仕事、床に就くのは午前零時。しかも一日一食だと言います。 なぜこれほどまでにストイックになれるのか。それは、彼女がアスリートとして、あるいは国会議員として、何のためにやっているのか、という目的意識がはっきりしているからだと思います。 現役時代、選手としての活動を支援してくれる人たちや、応援してくれるファン、メダルを期待してくれている障碍者や病気の子供たちのために戦ったと言います。 議員になってからも、スポーツの振興に尽力しているそうです。スポーツの力で、3.11東日本大震災の被災者を勇気づけることができる。今の子供たちに欠けている「たくましい心と体」を育むためにスポーツが不可欠である、という信念を持ちます。また、日本人に合う食事は米飯であるとし、食育や学校給食の改善にも取り組んでいると言います。 使命感があるからこそ、極限まで自分を鍛え、節制することができるのでしょう。人は、自分のために頑張るには限界があります。でも、「何か」のためならば、限界を超えて頑張れるのですね。 最後に、橋本聖子流「そうじの力」をご紹介します。 「選手村への感謝も忘れてはなりません。そこを退去するときは、感謝の心で部屋の中を整理整頓するよう指導し、最後は確認まで行っています。実際に退去時の部屋の状況は選手の成績と強い関連性があると思われます。」 (小早)お知らせ◆バックナンバー無料配信「そうじの力だより」 今までに発行した「そうじの力だより」のバックナンバーを無料で配信いたします。 電子版(PDF)と紙版の2種類があります。 ご希望の方は、巻末連絡先までご請求ください。 なお、紙版については、初版に比べて印刷クオリティーが落ちる場合がごさいますが、ご容赦ください。<各号の特集内容>・103号 Mランド(自動車学校 島根県)・102号 マルシャン(パン製造卸 新潟県)・101号 マツバラ(鋳造業 岐阜県)・100号 ファイン(特殊印刷業 福井県)・99号 生駒学税理士事務所(香川県)◆法人向けミニサービス出張おそうじデモンストレーション 会社や店舗や現場などのトイレそうじをちゃんとやっていきたい!そう思いながらも、「やり方が分からない」「スタッフにどう教えたら?」そんな時には、おそうじデモンストレーター飯塚輝明を呼んでください。トイレそうじのやり方を実演いたします。一緒に体験して下さい。・1回2時間3名様まで(法人に限る)・費用20,000円(群馬県内)※地域によって費用が変わります詳しいパンフレットをご用意しておりますので、ご請求ください。◆講演録 無料頒布「働くってどういうこと?」 小早祥一郎が高崎市立高松中学校の生徒に向けて「働くってどういうこと?」と題して講演を行いました。 その講演の全文と生徒の感想文(抜粋)をこのたび小冊子にまとめました。 生徒たちの真剣さと感性の鋭さが伝わる内容です。 ご希望の方に無料で進呈しますので、巻末の連絡先までご請求ください。株式会社そうじの力環境整備を核とした経営改革の支援「そうじの力」の活動(環境整備=5S=整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は、「人づくりと組織づくり」です。講義、プロジェクトチームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。支援に当たっては、まずは調査に伺います。全国どこでも可能ですので、お気軽にお問い合せください。