【第121号】イベントで全社一丸となる|第4回そうじの力全国大会

事例紹介やればできる!〈イベントで全社一丸となる〉~第四回そうじの力総会(全国大会)in島根県益田市~先ごろ、第四回の「そうじの力総会(全国大会)」を、島根県益田市で開催いたしました。この総会は、弊社がお手伝いしている企業が一堂に会し、ホスト会社の現場を見て学び、参加者同士の交流を深めるために、年に一回開催しているものです。今回は、島根県益田市に本拠を置くMランド、石見交通(株)、(株)益田クッキングフーズの三社にホスト会社になってもらい、全国から一四社五三名の参加を得て、盛大に開催することができました。全国から人が集まるユニークな自動車教習所、Mランド。毎朝、ゲスト(教習生)と一緒にトイレそうじと校内清掃を行っています。ところが、それ以外の所はあまりそうじが行き届いていなかったのです。そこで、二年半前から私がお手伝いに入り、全社員を八班に分け、それぞれの班が日々そうじに取り組むことになりました。今回の総会では、その中で、二輪教習のエリアを案内してもらいました。二輪教習を終えて戻ってきたゲストが、バイクをスムーズに停められるように、三角形のマーキングを施しました。そして、サイドスタンドを指定の位置に合わせることで、バイクを一列に美しく整列させることができます。「これならば、一六歳のゲストでも楽に定位置に停めることができます」とのこと。他にも、ヘルメットやプロテクターなどを棚に整頓することで、ゲストが使用後に難なく返却することができます。この二輪エリアでは、リーダーの岩本さんが、毎朝ゲストと一緒に床磨きなどを行っているとのこと。「そうじは社内の取り組み」という固定観念を覆し、「お客様と共にやる(=それがお客様のためにもなる)」という新たな視点を、参加者に与えてくれました。創業九〇年の歴史あるバス会社、石見交通(株)。二年半前に「そうじの力」の取り組みをはじめた時は、創業以来のモノ、モノ、モノに溢れていました。それらを少しずつ整理・整頓・清掃していきました。今回の総会での圧巻は、整備工場に付属している部品庫です。当初は、まるでオバケ屋敷(失礼!)かと見まごうほどに乱れていたのですが、少しずつ要らない物を捨て(=整理)、置き場を決めて表示と標識を施して(=整頓)いきました。今回見てびっくり、黒ずんでいた棚を白いペンキで塗り、それぞれの棚には該当部品の写真入りで分かりやすい標識が施されています。部品の在庫は、データベースで管理されており、在庫状況や発注が一発でできるようになっています。工場の整備士たちが、総出で何日もかかってこの状態に持って行ったといいます。職人気質の整備士たちがこれだけ熱心に取り組んだことに、心底感心させられました。一方、給食・仕出しの(株)益田クッキングフーズでは、揚げ物を作るフライヤーの部屋を案内してもらいました。当初、油でギトギトだったフライヤーは、いまやピカピカに磨かれています。もちろん、外側だけでなく、パネルを外した内側も、キレイになっています。触ってみると、表面がサラサラしています。彼らが必死になってそうじをした意気込みが伝わってきました。今回ホストを務めてもらった三社は、この総会に向けて全社を挙げて準備してくれました。実際には三社とも、まだまだ手が入っていない所、行き届いていない所があり、今後の課題はたくさん残されています。しかし、こうしてあるイベントに向けて頑張ったことで、チームワークも強まり、彼らにとって大きな自信になったことは間違いありません。益田クッキングフーズの青木社長は、社員に対して「我社も、やればできるということが分かったね!」と激励しています。             (小早)同志が集えば「力」になる!見る、見られる、気づく~第四回そうじの力総会(全国大会)参加者感想文より~今回、そうじの力の総会ということで参加させて頂いて、三社様を見学させて頂き、いつもは見られる立場でありましたが、見学という形で、お客様視点で見る立場になると、各社とも、そうじをきちんとされてはいましたが、細かな所まで、出来ている、ここはまだまだ出来ていない、ここは汚いと、色々な気づきが自分の中にあり、勉強にもなったし、気づきの感度も養えたのではないかと思います。【西村ジョイ(株) 山内信哉様】見学会で感じたことは、三社それぞれの社員さんの表情、対応でした。すごく気持ち良かったです。皆さん活き活きとした表情、ウェルカムな姿勢で私どもを出迎えてくれたことが何より嬉しく感じました。昨年自分たちはそこまで皆さんをお迎えすることができただろうかと今になって反省させられます【(有)ファイン 笠原徹様】 今回の総会を通して、ファインはまだまだやれるということが分かりました。四年間環境整備をしてきて、徐々にもうすることがないのではないかという感覚になってきていたけど、今回の総会でとてもいい刺激になったと思いました。【(有)ファイン 澤田知美様】 二日間で気づいたことも多かったのですが、同時に私たちの弱点も発見できました。それは、社員全員で活動することです。私たちの会社以外は全員でそうじの力に取り組んでいると言っていました。そうじの力のメンバーでないのに会議に参加する人もいるそうです。弊社より何年もそうじの力を取り入れているので、当たり前の差ではあるものの少し悔しい気持ちになりました。これから、いかに周りを巻き込むのか、周りを積極的に活動させることが大切だと思いました。さらに欲を言えば、楽しく活動していくことが今後の最大の課題だと思いました。【(株)内原製作所 増田翔哉様】  特に、改善前の益田クッキングフーズは他社のこととは思えず、①会社をよくするためには、上に立つ者ほど意識を変える。上が変わらないのに、下の者が変わるはずがない。②長年の習慣で、小さい異変(ミス)を異変と感じられず、「これくらい」(乱れ)が、当たり前になっていることに気付いていない。目指すは、本気で意識を変え「すごい!ここまでするか!」という会社です。【(株)篠山自動車教習所 井本徹様】 これまでの掃除への取り組みと、今回の総会を通じて、人に言われて行うそうじでは気付きも無く、得るものも少ない事を実感しました。誰に言われなくても、誰が見ていなくても、自分の意志で地道に、継続してそうじが出来る人間を目指して過ごすことを決意しました。【(株)益田クッキングフーズ 竹重薫様】おそうじコラム愛着があるからキレイにするのではない、キレイにするから愛着が湧くのだ私事になりますが、以前は日産のエクストレイル(初代)という車に乗っていました。 とても使い勝手が良く、外観デザインも好きだったので、十万kmを超えても大事に乗っていました。 いつまでも乗り続けたいと思っていたのですが、唯一の欠点が、燃費が悪いということでした。ハイブリッド車が全盛の今の時代に、燃費が悪い車に乗っているというのは、なんとも歯がゆいものがあります。 結局、燃費の良い車を求めて、十二年間、十四万km乗ったエクストレイルを手放しました。 そして新たに手に入れたのが、ホンダのフィットシャトル・ハイブリッド。コンパクトながらキャビンも荷室も広く、使い勝手も良い車。もちろん燃費も良く、エクストレイルの二倍以上走ります。 と、良いことずくめのようですが、実は私にとっては、一つ大きな不満があるのです。それは、外観デザインが好みでないこと。私は四角ばったデザインが好きなので、フィットシャトルのようなタマゴ型のデザインは、どうも好きになれないのです。もちろんそれも織り込み済みで買ったのですが、好みというものは理屈ではありません。「もうちょっとカッコ良ければなあ」と思うことがしばしばあります。 ところが面白いことに、こまめに洗車や整備をして、常にキレイな状態を維持して乗っていると、だんだんと愛着が湧いてくるのです。すでに購入から四年が経ちますが、この車に対する愛着は、購入当初よりも今の方が強く、今ではすっかりカワイイ愛車です。 ここから分かるのは、何かのモノに対する私たち人間の愛着の不思議です。 何かのモノに対して、愛着があるからキレイにする、ということは、もちろんあるでしょう。一方で、キレイにするから愛着が湧く、ということもあるのです。その意味では、やはり「そうじ」には「力」があると言えるでしょう。 ここで一つミソだと思うのは、「自分自身でキレイにする」、ということです。もし他人に(たとえばガソリンスタンドで)キレイにしてもらうのが習慣になっているとすれば、こうした愛着はさほど湧かないものだと推測されます。 会社も、自分たちの手でキレイにそうじすることで、愛着が湧き、愛社精神が芽生えてくるのではないでしょうか。(小早)スタッフ森川剛存の ヨシノブはミタ!第四回そうじの力総会レポート今回で四回目となるそうじの力総会ですが、私は初参加でしたのでどんな感じで行われるのか、緊張しつつもワクワクして開催地である島根県益田市へと向いました。 一日目は、益田市を拠点に置く三社の見学会が行われました。とても嬉しかったのは訪問した三社いずれも、社員の皆さんが到着・出発時に一列に並んで暖かく出迎えて頂けた事です。 おもてなしの心で包まれて、とても気持ちが良かったです。そうじの基本「礼を正す」を実践されていました。 総会を通じて感じた事が三点ありました。まず一点目が、「社員全員で取り組む姿勢」に感銘を受けました。 現場のあちこちにビフォーアフターの写真が貼られていて変化の度合いが一目で判りましたが、そこまでに至るには決して一人ではできないだろうと想像が付きます。 少なくともグループで且つ継続して行なわなければ、限られた期間で大きな変化はなかなか生まれないものです                    二点目が、皆「笑顔」に溢れていた事です。現場を案内していただいた担当の方は、緊張しながらも見られる事がとても嬉しそうに説明をしていました。 現場の案内をして頂いたSさんは、「これだけきれいに変わりました、という成果を多くの人達に伝える事ができるのはとても幸せです」と満面の笑顔で語っていました。 三点目が、「トップの思い」を感じた事です。「益田で一番きれいな会社」「日本一きれいな教習所」など三社それぞれ目標を掲げていますが、それを達成するにはトップ(社長・経営者)のそうじにかける思いが不可欠なのだと改めて感じました。 二日目は、支援先企業十社の発表会が行われました。参加の企業は他社の発表を聞いて早速メモを取ったり、情報交換をするなど企業間の交流も図られていました。 様々な業種の企業が集まって一年の成果を発表する事で、各社共新たな気付きを得て、更に切磋琢磨していこうという雰囲気がヒシヒシと感じられました。 また自分自身にとっても多くの学びが得られた二日間でした。      (森川) 今月の読書から『企業の“未来開拓”を支援する』須田知身 著~経営とは自分の能力を通じて世の中の役に立つこと~著者の須田知身氏は、私の師匠とも兄貴分とも言える人で、独立した当初からずっとお世話になっています。実は私に「そうじの力」で創業するきっかけを与えてくれたのも、須田氏でした。 須田氏は学生時代から“商才”を発揮し、学生起業して結構なお金を儲けます。卒業後は、叔父の急逝により、叔父の会社の経営を引き継ぎ、事業を拡大させるものの、「お家騒動」に巻き込まれて退社。その後はご自身の経験を基に、事業再生のコンサルタントとして、負債を抱えて行き詰まった会社の経営者の右腕として、多くの企業の再生や健全化を支援しています。 また、後継者不在の会社に、須田氏の育てた社長を送り込んで継続させたり、若い起業家を育てることもしています。 須田氏の信念は、「経営とは自分が儲けるためではなく、自分の能力を世の中に役立てることだ」という一文によく表れています。そして、「存在価値の高い事業を作りたい」という想いで、全国の中小企業の支援に飛び回っています。 本書は、前半は須田氏のこれまでの道のりの紹介、そして後半は、支援した会社の事例紹介となっています。 その須田氏が、企業支援する際に大事にしているのが、「そうじ」です。〈いろいろな中小企業の再建のお手伝いをしてきて、どの会社にも共通することがありました。会社が汚いということです。表向きはきれいでも、バックヤードが汚れていたり、営業車に傷があったり、机の引き出しが物であふれていたり、パソコンのデスクトップが整理されていなかったり・・・・・。程度は違えど共通していました。 再建とそうじとどんな関係があるのか?と不思議に思う人もいるでしょう。例えば、おいしい料理を出すレストランでも、お皿が汚れていたとか、ウエイトレスの食器の置き方が雑だったら、評価は下がります。レストランに勤めている人が、バックヤードを見て「この店では食べたくない」と思うか、「私もここで食べたい」と思うかの違いです。 もちろん、汚くても儲かっている会社はあります。でも、つぶれている会社はみんな汚いのです。そこから改革しないと先に進まないというのは、体験的に知っています。 仕事をする環境がきちんと整っていなければ、いい仕事ができるはずがありません。経営改革以前の問題です。 社内が散らかっている会社は、貸付金をきちんと回収できていないとか、在庫の管理ができていない等、財産管理もできていないことが多いのです。〉 本書は、経営のテキストとしても最適な本で、起業家や厳しい状況にある経営者に読んで欲しい一冊です。書店では売っておりませんので、入手をご希望される方は、私にご連絡をください。  (小早)お知らせ◆「そうじの力」セミナー日程  ・8月19日(水)18:30~19:00 群馬県    前橋商工会議所 講師:飯塚輝明 ・9月10日(木)14:00~15:30 群馬県   ビエント高崎 講師:小早祥一郎 ◆「そうじの力」企業見学会  ・9月17日(木)13:30~17:00     (株)小河原建設 東京都中野区   ※同社の事務所と建築現場見学    および小早の講演です◆読者プレゼント!「そうじの力」オリジナルキャップ ご希望の方に差し上げます。※数に限りがあります。     株式会社そうじの力そうじ(環境整備=5S=整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を通じた経営改革の支援弊社はそうじを通じた「人づくりと組織づくり」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。