【第130号】部署の枠を超えた協力の風土|石見交通(株)

=================支援事例紹介部署の枠を超えた協力の風土〈自発的な楽しい活動ができてきた!〉~石見交通(株)「そうじの力」~================= 島根県益田市に本拠をおき、県内の路線バスおよび県外への長距離バスを運行する石見交通(株)。営業拠点は七か所、四つのグループ会社を擁する、地元では大きな会社です。 ここで、三年前から弊社がお手伝いしての「そうじの力」の取り組みが始まりました。手探りで始めた活動も、すっかり定着してきた感があります。同社の特長は三つあります。ひとつは、部署の枠を超えた協力体制があるということ。 たとえば、バスの点検・整備・修理を行う整備工場。当初ここは、オバケ屋敷といってもいいくらい乱れていた所です。部品や工具などが溢れかえっていました。まずは整理、つまり、必要なものと不要なものを仕分けし、不要なものを捨てなければいけません。 この作業には人手が要ります。工場の整備員たちだけではなかなか進みません。そこで、「そうじの力」委員会の澄川委員長たちが、「自分たちも協力するよ」と声をかけ、全員がツナギを着ての作業となりました。お陰様で、足の踏み場もないような状態だった部品庫も、どこにどの部品があるのかひと目で分かるような整えられた空間に大変身しました。 こうした協力体制は、いたるところに見られます。経理、労務、総務などの事務部門では、古い書類の整理に、一緒に取り組みました。歴史のある会社だけに、昭和の時代の書類もたくさん積もっています。中身を確認し、不要な物を捨てていきます。トラックを動員して、捨てる書類を運び出していきます。 お蔭さまで、当初はデスクの上に山積みだった書類もすっかり姿を消し、今では事務所内は「机上ゼロ」の美しい環境になっています。 もうひとつの特長は、バスの乗務員たちが自発的にそうじに取り組んでいるということです。 乗務員たちはシフトで動いているため、まとまった時間が取れず、委員会にも参加していません。しかし、全社を挙げてそうじに取り組んでいる姿は、彼らの目にも入っています。すると、こちらからは何も言わないのに、彼ら乗務員が自発的にバスをキレイにし出したのです。バスの座席を取り外して隠れた部分をそうじしたり、換気扇を取り外してそうじをしたり・・・・・。 この取組を始めてから、バスの車内でお客様がころんで怪我をする事故が、めっきり減ったそうです。乗務員たちが、きちんと安全を確認し、丁寧な運転を心がけているからこそでしょう。 あとひとつの特長は、各部署が持ち回りで「そうじの力」の研修を行っていることです。研修の会場を本社に固定せず、今月はA営業所、来月はB社というふうに会場を変えます。その際、委員会メンバーが現場を巡回し、「ここはもっとこうした方がいい」とか「ここは参考になるから、ウチも取り入れよう」という意見交換が行われるのです。「見る」「見られる」というのが、一番刺激になります。 こうしたことから、同社では、それぞれの人たちが自発的に、かつ楽しく取り組むようになっています。関連会社の石見ガスセンター。ここでは今、事務所の床磨きに取り組んでいます。長年の汚れが溜まり黒ずんだ床が、まっ白に磨かれていきます。社員さんたちが楽しそうに取り組んでいるのが伝わってきます。 同社の小河英樹社長は、「私自身が非常に変わった」「そうじはメンタルトレーニング」「会社が十~十五年ちゃんとやっていける態勢ができた」とおっしゃっています。(小早)=================おそうじデモンストレーター大槻飛鳥の おそうじ匠の技机のそうじパート7~整頓③ どこの誰なのか、明らかにする~================= 書類の整頓のコツその2は、「名前をつけ、どこの誰なのかを明らかにすること」です。これをきちんと行うことで、今日入った新人でも、どこに何があるかわかるようになります。 この「名前をつける」という作業、単純なように見えますが、要所です。 特に重要なポイントは2つです。①何を表記するか決める 書類そのものの名前の他に、「いつ作ったものか」、「保管期限はいつまでか」、「誰が作ったものか」などを、ファイルに記入するようにしておきます。すると、書類を作成した本人でなくても、参照や廃棄ができるようになります。②どのように表記するか決める 例えば、日付の数字一つとっても、漢数字なのか、アラビア数字なのか。全角か、半角か。頭に記入するのか、最後に記入するのか…。これらの細かいルールを決めていく必要があります。名前が揃っていないと、見た目に美しくありません。秩序立っていないので、書類を取り出した際元の場所に戻しにくくなります。パソコンのファイルも同じ。表記を統一することで、探しやすくなります。  ただし、ここでもう一度確認をしたいのが、「不要な書類は全て捨てきってあるか」です。しつこいですが、不要なものを増えにくくするために、まずは整理しきったかを確認してから進めましょう。 すべての書類やファイルに、揃えて名前をつけることができると、置き場もおのずと分類されていきます。 例えばファイルの背表紙に斜めのテープを貼ったり、ファイルと棚に表示・標識を施すことで、「取り出しやすく・元の場所に戻しやすい」状態になります。色々と工夫してみましょう。 置き場所が決まったら、棚の見取図を作ると、更に書類が探しやすくなります。 図書館の壁にかかっている分類表のイメージ。どの番地に、どんな書類があるのか、地図があると誰でもわかりやすく、親切です。 整頓は、1回やったら終わりではありません。意識しなくても、書類はどんどん溜まっていくもの。週に1時間など、定期的に書類やファイルを見なおす日を設けましょう。関わるメンバー全員が揃ってやると、「そもそもこの書類は必要か?」と、改めて整理できるものが見つかるかもしれません。 社内の書類整頓は、「名前をつける」ところから始まります。皆で会話をしながら、「この書類はどこの誰か」を決める。ぜひ、ワイワイ楽しく、ルール作りを進めましょう。職場内コミュニケーションもとれ、一石二鳥です。(大槻)=================おそうじコラム大地震に思う~だから、普段からの整理・整頓が大切~================= 熊本、大分でかつてないほどの大きな地震が起きました。原稿を書いている現在、まだ頻繁に余震が起きており、行方不明者の捜索も行われています。本誌が発行される頃には、どうか状況が落ち着いていて欲しいと願うばかりです。 あらためて、お亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、避難生活を送られている方々にお見舞いを申し上げます。 このような災害にあたって、特別な支援を行うノウハウも資金もない自分に歯がゆさを感じますが、まずは何よりも私たち自身が、こうした災害に対する備えをしておくことが大切だと思います。 こうした災害の報に接するたびに思うのは、「だから普段からの整理・整頓が大切だ」ということです。 例えば、工場や事務所で、通路に物を置いている会社があります。 災害が起こった時に、こうした物が邪魔で、避難が遅れてしまうかも知れません。場合によっては、それが命取りになることだって考えられます。通路をクリアにしておくのは、最低限の心得でしょう。 そして、普段からモノを少なくすること。本当に必要なものだけにして、それらは分かりやすく収納すること。 私は東日本大震災の直後に、石巻でボランティアに入ったことがあります。作業の内容は、津波で被害を受けた住宅から、家財道具を運び出すことでした。 たまたま入った住宅が、なんともモノが多い家でした。押入れには、パンパンにモノが詰まっています。家の中だけでは収納が足らず、庭にプレハブの物置があり、そこにもモノがパンパンに詰まっていました。 そして、押入れの中にしても、物置の中にしても、グチャグチャに物が詰まっているのです。 被災した方には失礼ですが、これでは、何を失い、何が無事だったのか、分からないと思うのです。 また、ここから復旧するのも大変です。海水をかぶってしまった物を再生させる以前に、まず、何が必要なもので、何が処分しても構わないものなのか、ということから始めなければいけません。 もちろん、東日本大震災や今回の熊本・大分のような激烈な地震では、復旧のしようもないほどの被害に見舞われることもあるかも知れません。 しかし、普段から、必要なものだけにして、定位置を決めてそこに収納していれば、軽微な地震ならば、物が散乱したとしても、そこからの復旧は容易だと思うのです。(小早)註:右の写真は以前の石見交通の部品庫です。今は表紙のように整いました(笑)。=================はじめまして!鬼澤文生です!新しい仲間が加わりました=================皆様、はじめまして。2016年4月より㈱そうじの力のスタッフとなりました鬼澤文生(おにざわふみお)です。 鬼という名字から怖いイメージを持たれるかも知れませんが、そんなことはありませんので安心してください。 1968年生まれの48歳(申年)。茨城県ひたちなか市に家族4人とペット5匹と共に暮らしております。(犬1匹、ハムスター2匹、トカゲ2匹) 趣味はキャンプや釣り、料理も作ります。そして一番大好きなのが飲むことかも。特に日本酒が好きなのですが、基本的にアルコールが入っていれば何でも飲むタイプです(笑)。 日本大学工学部(電気科)卒業後、日立製作所の系列会社にてハードの開発・設計業務を9年間勤めました。その後、同族企業である食品会社に転職し、18年間様々な業務に携わってきました。 今回、その会社から独立し、農業を中心としたコンサルティングや農業用機械販売をメインに事業を立ち上げることにいたしました。 自分の会社を立ち上げるにあたり、必要不可欠な要素が環境整備(そうじ)でした。以前の会社で小早さんの研修を受けていたこと、また単なる(そうじ)ではないという趣旨に賛同していたこともあり、退職と同時に小早さんに私の気持ちを伝え、スタッフの一人として学ばさせていただくことになりました。農業経営のコンサルティングに、「そうじの力」を取り入れていきたいと思っています。 なぜ農業に環境整備が必要なのか、その理由ですが、今までの仕事において農家とのお付き合いが多くありました。 その中で農家さんを訪問した際、庭であったり、作業現場が綺麗な農家さんの生産品はとても綺麗なのに対し、逆の状態の農家さんの生産品は大半が綺麗ではないことに気づきました。そう、環境状態と出来上がった生産品には関連性があり、また、作った農家さんの性格まで生産品に反映されているのです。 私の活動はそのような農家さんに対し、そうじを通してより良い品を作ることを提案し、高く販売できることで喜びを感じてもらい、最終的には性格まで?変えるお手伝いをしたいと思っております。非常に難題ではありますが、地域の発展のために頑張ります。 今後は茨城県のひたちなか市を中心に活動する予定ですが、今までの経験を活かし、可能な限り全国の多くのお客様に喜びを感じてもらえる仕事をしたいと思っております。 また、「そうじの力」の信者として、そうじが売りではなく、そうじを通して得られる大きな「力」を伝え教えることができるように日々精進する所存です。そして、皆様を支援させていただくことで私の心も磨かれ、光り輝ければ幸いと存じます。(鬼澤)  =================今月の読書から『明治維新という名の洗脳』苫米地英人著~視点を変えてみることの大切さ~================= 先月に引き続き、明治維新を見直すテーマの本です。 この本は、外国勢力とお金の動きという視点から明治維新を捉えなおしている、画期的な内容です。 幕末の1863年から1866年にかけて、日本にはセントラル・バンク、マーカンタイル銀行、コマーシャルバンク、オリエンタルバンク、バンク・オブ・ヒンドスタン、香港上海銀行といったイギリス系の銀行が相次いで上陸してきました。 以下、本書からの引用です。 戦争直前あるいは戦争直後に次々とやって来た外資系銀行たち。彼らはこの時を狙っていたかのようにやって来たと、いま書いたが、事実、彼らは狙ってやって来たのだ。(中略) 第一義的には武器弾薬を売るには最も適したタイミングだからだ。(中略)しかしだ。いま言った理由も銀行がやって来た真の理由からは少し外れている。(中略) 答えは戦争が起きた瞬間、当事国の通貨が暴落するからである。(中略)では、当事国の通貨が使えなくなるとどうなるのだろうか?それは外資系銀行が貸し出す、国際流通通貨を使用する以外に道はないということだ。(中略) 幕府も反政府勢力も借金をする場合は国際流通通貨を使わなければならなくなり、戦争をするにはどうしても借金をするしかないからだ。(中略) 戦争がしたい志士たち。戦争が起きてほしい国際金融家たち。それがどのタイミングなのかはわからないが、かなり早い段階でコンタクトを取り、幕末は演出されていったのである。(中略) これまで見てきたように維新で最も利益を得たのは戦争のスペシャリストである国際金融資本家たちであった。なぜそう言い切れるのかといえば、明治後の日本はそれまでの日本とはガラッと変わってしまったからだ。江戸時代の260年間は戦争らしい戦争など起きていないのに、明治になった途端、頻繁に戦争が起きるようになってしまう。(中略) しかもこれは明治に限った話ではない。その後の大正、昭和になっても変わらない。明治維新からおよそ70年間、日本はずっと戦争し続けている。(中略) 太平洋戦争後の70年間、日本は戦争に巻き込まれていない。平和な時代を過ごしてきた。しかし、視野をほんの少し広げると、それは大きな誤解であることがわかる。戦後の日本は軍需品の工場として朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争までずっと加担してきたのである。(引用終わり) どうやら、幕末~明治維新~太平洋戦争が一本につながったようです。そして何よりも、現代の私たち自身も、その流れの中に身を置いている、ということが一番重要なことではないでしょうか。 そろそろ、我々を支配する呪縛からの「そうじ」が必要なようです(笑)  (小早)=================お知らせ◆「社内活性化」セミナー日程  ・5月23日(月)18:00~19:30 東京都  台東区民会館 講師:小早祥一郎 ・6月7日(火)15:00~16:30 群馬県  ビエント高崎 講師:小早祥一郎◆小冊子無料頒布『働くってどういうこと?』小早祥一郎が中学校で講演した講演録です。ご希望の方に無料で差し上げます。ご請求は巻末の連絡先まで。◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルジャンパー ご希望の方に差し上げます。株式会社そうじの力社内コミュニケーション活性化の支援弊社はそうじ(環境整備=5S=整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を通じた「社内コミュニケーション活性化」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。