【第131号】継続は力なり|(有)ファイン
=================支援事例紹介継続は力なり〈㈲ファイン「そうじの力」〉~忙しくてもマンネリでも、続けることが大切~================= 福井県鯖江市にある有限会社ファイン。眼鏡のフレームやスマホのカバーなどにおしゃれなデザインを印刷する特殊印刷業です。 弊社のお手伝いにより「そうじの力」がスタートしたのは、五年前。最初の二年間は、毎月二回私が訪問し、講義やミーティング、現場巡回、実習などを重ねました。 まずはセオリー通り、整理、つまり、必要なものと不要なものを分別し、不要なものを捨てることから始めました。 当時、大きなスチールデスクが一人当たり二台あり、工場内はかなり手狭でした。それを、一人当たり一台に集約し、さらに藤井高大社長お手製のコンパクトな木製什器に変えることで、工場内は広々とした空間に生まれ変わりました。 また、当初は、壁といい、床といい、機械といい、どこも飛び散ったインクまみれだったのですが、それを全員参加でスクレーパーでこそげ落とし、ピカピカにしました。床面のインクをすべて落とした後、ペンキをDIYで塗りなおしました。 「卒業」レベルになった今は、年に二回、弊社の研修を受けていただいていますが、それ以外は、自分たちで課題を見つけて少しずつ進化させていっています。 整頓、つまり定位置化にも細かく取り組んでいます。単に備品や材料の置き場を決めて明記するだけでなく、補充のタイミングや仕入れ単価も明記し、ロスの削減や効率化につなげています。 地域清掃にも取り組んでいて、周辺の企業に声をかけ、一緒にゴミ拾いや落書き消しなどに取り組んでいます。 最近では、こうした物理的なそうじだけでなく、業務内容の見直しにも踏み込んでいます。メスを入れたのは、商品ラインナップの「整理」。 以前はどちらかと言えば単価(付加価値)の低い商品が多かったのですが、それを単価の高い商品にシフトしていきました。取引先との関係もあり、言葉で言うほど簡単なことではありませんが、少しずつ進めていきました。 その結果、今では高付加価値商品が多くを占めるようになり、ロスをなくしたことによるコスト削減と相まって、利益はなんと、以前の四倍になったと言います。また、時間的余裕ができて、残業削減や年間休日増にもつながっているそうです。 「楽しみながら」活動するのがファイン流。「せっかくやるなら楽しく」という合言葉の下、機械や台車にニックネームをつけたり、絵をかいたり、謎かけのウェルカムボードを設置したりして、訪れた人も思わずニコッとしてしまいます。 社員の笠原徹さんは、「以前は正直なところ、社内で陰口や悪口もあったのですが、そうじを進める中で少しずつそれが減っていきました。何より、笑い声が増えました」と言っています。 そんなファインですが、ここ最近は活動が停滞気味だと言います。以前ほどの活気が感じられず、特筆すべき改善点も少ないとか。藤井社長は、「マンネリですね」と言っています。 しかしそれでも、こうした活動を五年間、あくことなく続けてきたことに大きな価値があると考えます。 停滞はしたかも知れませんが、後退したわけでもありません。人間も企業も、ずっと一本調子で上向くことはありません。 「将来は、そうじの力の素晴らしさを地域や業界に発信していける源になりたい」と語る藤井社長の言葉通り、このまま続けていけば、そうした存在になっていくことでしょう。(小早)=================おそうじデモンストレーター大槻飛鳥の そうじの力 匠の技机のそうじパート8~整頓④ 床に直置きしない~ ================= 机のそうじ編最終回は、パソコン周辺の整頓についてです。 まず本体のハードですが、机上に置くと見晴らしが悪くなり邪魔でもあるので、机上以外に置くと良いでしょう。机の下に置く場合は、直置きせず、台の上に置くようにします。床に接地させると、埃を吸い込みやすくなるためです。ある会社では、特注で机の脇に掛けられるようホルダを作っていました。 続いて配線類。ごちゃっと絡まっている配線は、見るのも嫌なものです(汗)。整頓のポイントは、2つあります。①床に直に這わせない床に配線を直置きすると、間にホコリが溜まります。そうじをする時にいちいち持ち上げる必要があり、手間です。②複数の配線を束ねないパソコンにはいくつもの配線が繋がっています。写真のように複数の配線を束ねると、見た目にはスッキリ見えます。しかし、一つだけ動かしたい時に、全てバラバラにしなければならず面倒です。配線は下記の要領で整頓を進めていきましょう。<1.名前をつける>まずは全ての配線と配線の接続口に同じ名前をつけていきます。例えば「〇さんパソコン LANケーブル」など。2つで1セットです(「表示」と「標識」)。名前付けによって初めて、「どのタイミングで抜いて良い配線なのか」が明らかになるため、配線を1本1本ではなく、まとめて一気に外してほどくことができます。<2.一つずつ丸める>配線をほどいたら、一つずつ丸めていきます。ビニタイで仮止めしておきます。<3.ワイヤーネットに吊るす>デスクにワイヤーネットを取り付けます。丸めた配線の設置位置を決めたら、ビニタイを解き、配線の長さを微調節しましょう。結束バンドやS字フックを使って、ワイヤーネットに取り付けたら完成です。 コードの整頓をしておくと、事務所のレイアウトを変えるときに誰でもサッと変えることができます。万が一コードが断線してしまったなどという時も、混乱なく対処できます。 さて、ここまでで机の「整理」「整頓」の『基本』が終了です!この後「清掃」を重ねていくと、また「これ必要なものかな?」が出てきたりします。「そうじ」に終わり無し。皆で楽しんで、どんどん工夫を重ねていってくださいね!(大槻)=================「そうじの力」コラム看板に偽りあり!~ウラ・オモテをなくす~================= 地方出張のある日、駅前のホテルに泊まり、駅からすぐ近くのビルに入っている「日本料理○○」という店で夕食をとりました。 日本料理と掲げてありますが、暖簾をくぐると、「バイキングになりますが、よろしいですか?」と言われ、いわゆるビュッフェ形式の店であることが分かりました。 ビュッフェ形式ならば、外食で不足しがちな野菜をたくさん選べるので、かえってラッキーだと思いました。 しかし、実際に並んでいる料理のラインナップを見てみると、確かに煮物や魚なども多少はあるのですが、どう見ても「日本料理」と銘打つには無理がある貧弱な内容です。 おまけに、調理から時間がたち、保温のための措置もとられていないため、料理が冷めてしまっています。 たまには、ちょっと高級な日本料理でも食べようか、と思った私の期待は、見事に裏切られました。 それでも私には、別の楽しみがありました。お酒です。酒飲みの私にとっては、実は料理は二の次だったりするのです(笑)。 店の一角に、写真のような日本酒の瓶が並べられているコーナーがあり、それを眺めながら、「どれにしようかなあ」「冷でいくか、熱燗でいくか・・・・」などと思案して、「よし、これにしよう」と決めて、店員に声をかけました。 すると店員からは、意外な答えが。「あっ、それは飾りなんです」と。 えっ、飾り? すると、酒は何があるのかな?と問うと、「これです」とのたまう。見せられたのは、よくスーパーなどで安売りしている、紙パックの日本酒です。 オーマイガッ! 「看板に偽りあり」とは、まさにこのことです。誰にでも、どんな企業にも、誇張はあります。隠していることもあります。私にも、ウラ・オモテがあります。決して偉そうなことは言えません。 しかし、根幹となる部分に偽りがあっては、周囲からの信頼を失ってしまいます。 この店は、利用客の期待を裏切り、周囲の信頼を失い、いずれ衰退していくことでしょう。 私は「そうじの力」のお手伝いをする際、「ウラもオモテもキレイにしましょう」としつこく呼びかけています。私たちの心と体の動きは連動しています。ウラもオモテも区別なく磨くことで、心のウラ・オモテをなくしていきたいと考えているのです。(小早)=================おそうじデモンストレーター飯塚輝明の目覚ましお掃除会in高崎!参加者大募集中です!================= 毎月一回、第一日曜日の朝6時から7時まで、群馬県高崎市の北三公園のトイレを会場にして目覚ましお掃除会を開催しています。 もともとは群馬県大間々町にある「郷土を美しくする会」の大間々駅トイレ清掃に感銘を受けた有志の仲間が、自己研鑽と地域貢献の目的で始めた活動です。立上げメンバーである弊社代表の小早 と、(株)草むしりの宮本社長の話では、始めてからすでに10年以上たっているそうです。昨年からは、私が先輩方からこの活動の運営を引き継ぎました。 以前、一参加者であった私は、みんなでそうじをすると気持ち良いし楽しいからという理由で参加していました。主催者側となった今では、運営する立場として、苦労することもいくつかあります。 一つは、参加人数です。最近の参加人数は、少ない時で2人、多い時で9人、平均すると5人位です。人数が多い時には、男子トイレから女子トイレまで全てそうじすることが出来ますが、人数が少ない時には、男子トイレだけという時もあります。 毎回全てをそうじ出来るだけの参加人数(8人以上)が集まる事が、運営側としての目標です。これがなかなか難しい。この記事を読んだ方で、我こそはと思う方のご参加をお待ちしております。(参加無料です。) 二つ目は、進行役としての苦労です。タイムスケジュールは①挨拶、手順説明、便器の割り当て②天井、床の掃き掃除③便器そうじ④壁床のそうじ、拭き取り⑤用具洗い、片付け⑥感想発表、と、ぴったりと1時間で終わります。 トイレの汚れ具合は毎回違います。季節によっても、天候によっても、状況はいつも違います。参加人数も参加者の熟練度合いも毎回違います。 それでも状況に合わせて、それぞれの役割を決めて、必要な説明をもれなくして、時間通りに終わらなければなりません。加えて、参加者全員に楽しんで頂けたら最高です。 残念ながら、リーダーとしての私は、必要な説明を忘れてしまうなど、未だ失敗が多くて、満足の出来る進行は難しいです。 ここで、周りが見えていなかったり、配慮が足りなかったりで、失敗したことは私の今の課題点です。自分の課題が浮き彫りになります。それが目覚ましお掃除会に参加する時の最大のメリットです。 トイレそうじが楽しいレクリエーションになったらいいなと思っています。そうなるように続けてまいります。(飯塚)=================今月の読書から『薄情』絲山秋子著~郷土愛について考える~================= 絲山秋子氏は、東京都出身で、住宅設備メーカーの営業職を経て作家になり、群馬県高崎市に移住して、高崎を拠点に活動をしている方です。 私とほぼ同年代で、経歴にも似通った部分があり、血縁のない高崎に移住してきたところも共通しているので、なんとなく親近感を持っています。 とてもユニークな人で、地元FM局のエフエムぐんまでもレギュラー番組を持っているのですが、聴くと独特のおしゃべりに、いつも笑わせられます。 一度、JR高崎駅のみどりの窓口で絲山氏を見かけたことがあります。私の二つ前くらいに並んでいたのですが、大柄な人なので、すぐにわかりました。 その絲山氏の作品(小説)を、今回はじめて読みました。他の作品のことは知りませんが、この作品は群馬県あるいは高崎市に対する郷土愛であふれています。 いちおう、ストーリーらしきストーリーはあり、後半に「えっ?」と思うようなどんでん返しもあるにはあるのですが、結局は「群馬」「高崎」をテーマにした、小説の形式をまとった郷土紹介といったほうがふさわしいかも知れません。 全編にわたって、高崎を中心にした群馬の風景が描かれています。 「箕郷からは高崎市街の夜景がよく見える」とか、「ここからは赤城山よりも榛名山のほうがよく見える」とか、はたまた、「小八木を通ってビバホームに行く」といった超ローカルな描写もあって、思わず笑ってしまいました。 また、登場人物の会話の多くは上州弁(群馬弁)です。「そうだいね」「帰(けえ)るか」「知ってるん?」「行ぐ」などなど。「なから~」というのは、「結構~」というほどの意味です。ここから向こうまでは距離があるので、「なから、かからいね(結構、時間がかかるだろうね)」となります。自転車は、「こぐ」のではなく、「ふんこぐる」。「踏み漕ぐ」ということでしょうか。 傑作なのは、「行ってみます」というフレーズ。どこかに行くのではなく、「そろそろ、おいとまします」という意味です。私も含めて、県外から来た人間はこのフレーズの意味を取り違え、「えっ、どこに行くの?」と一度は聞き返した経験があることでしょう。 群馬県人が読めば、かなり面白い作品のはずですが、ローカル過ぎるので、県外の人が読んでも面白いかどうかは分かりません(笑)。 絲山氏は、とても群馬県が好きなのだなあ、とよく分かります。 郷土愛、というのは、そうじを推進する重要なファクターのように思います。まず自分の家(会社)を愛し、ご近所を愛し、地域を愛する。それが、身近な環境をキレイにしようという気持ちにつながるのだと思います。(小早)=================お知らせ◆実践企業見学会・7月14日(木)13:30~17:00 東京都 (株)小河原建設にて 事務所、建築現場の見学および 小早 祥一郎の講演◆「社内活性化」セミナー日程 ・6月7日(火)15:00~16:30 群馬県 ビエント高崎 講師:小早祥一郎 ・8月4日(木)15:00~16:30 群馬県 ビエント高崎 講師:飯塚輝明◆読者プレゼント! 「そうじの力」オリジナルビブス。 ご希望の方に差し上げます。株式会社そうじの力社内コミュニケーション活性化の支援弊社はそうじ(=環境整備=5S=整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を通じた「社内コミュニケーション活性化」を支援します。講義、現場巡回、チームミーティング、体験実習、計画作りを通じて、社長と社員の意識改革を図り、健全な企業風土作りをお手伝いします。支援期間は1年から。毎月2回訪問を原則としますが、状況とご要望に応じて、プログラムをオーダーメイドします。また各種団体向けの講演のご依頼も受け付けております。(全国対応)お気軽にお問い合せください。