お客様の声

(株)西鶴は、「お客様にハピネス(幸せ)を提供する」をモットーに、大阪で墓石販売・家族で訪れたくなる欧風霊園開発を行っている会社です。
代表取締役の山本一郎社長にお話を伺いました。
Q.「そうじの力」の活動に取り組まれた感想をお願いします。
1年間で15回の研修を行いました。本当に取り組んで良かったと思います。
最初に思い当たるのは、就業時間が短くなったということ。
書類を探す時間が短くなりましたし、いらない買い物をしなくなりました。
お墓のデザインのファイルなども、パンパンだったものをスリムにするのに、2カ月以上かかりました(笑)。
いらない書類をどんどん捨てていったところで、捨ててしまって「しまった!」というのは無かったですね。
実際に動かしてみてそれもわかり、良かったなとすごく思います。
整頓されたファイルのキャビネ
Q.色々なモノをオープンにする、露わにする中で問題も出てきたりしましたか?
正直最初は、そんなに直す所はないかと思っていましたが、大間違いでしたね。
「モノの前にものモノを置くな」と口では言っていても、実際にはモノがあって、死角があって、そこに書類があったという事が多々ありました。
ただ社内では、抵抗勢力みたいなものがやっぱりありました。
アラを見られては嫌だという事で、生花部の中を触っていくのが、最後まで抵抗があって。
やっていたらいっぱい問題点が出てきて、それにちゃんと向き合っていった。
だから、かなり様変わりしたんです。
そうじ(環境整備)というのは、従業員さんが働きやすくなる環境づくりだと、やってみて思います。
Q.どんな感じで社内が変化したのですか?
抵抗した人は結局退職されていきました。
その後、活動を進めていく中で、「効率や準備がすごく大切」ということが、だいぶ分かってきたとように思います。
「片づけなくては」ではなくて、「仕事をしやすくしよう」になってきたんです。
みんな最初は片づけるというところにすごく注力していました、けれど今は、段々段々に仕事をしやすくなってくるという意識に変わってきた。
Q.業績に現れてきた効果はありますか?
お花の売上が前年比140%アップになりました。
そうじ(環境整備)をすることによってロスがなくなったのです。
そうしたら今度は、仕入れのこと、作りやすい環境を考えるようになりました。
「誰に見られても大丈夫」という透明感を出していくということと、明るくしていくということをやっていったら、花の値段を高くしても余計に売れるようになったのです。
明るくキレイな花売り場
きちんと在庫管理をして、仕入れが明確になるようにして、新鮮なモノ・良いモノをきちんと売れるようにした。
「商品の入れ物を透明化していく」という簡単なことから始めることで、今では商品の流れも誰が見ても分かるという状態になりました。
以前は従業員さんたちの方から「安くしないと売れない」と言われていて、私はそれに反対していたんです。
それが、花の値段を高くしても売れるという状況になりました。
Q.「その人なら分かる」「その人じゃないと分からない」という状態を脱したということでしょうか?
業務に精通してくると、人は「自分が任されたモノを、他人には触られたくない」思うようになってしまいます。
その気持ちはわからないこともありません。
自分が任されてやっている所を、「今日入った人でも分かる」と状態にするというのは、「自分が無能と思われる」という考え方の人って多いと思うのです。
そうではなく、誰が見ても分かるシステムを作った人が、本当は非常に能力が高いんですよね。
でも、隠そうとしてしまうのは、「自分が作ったものは偉大だ」「自分でないとできない仕事だ」みたいな心の在り様なんです。
技術が必要な植栽部とかもそうでしたので、僕自身が入りメスを入れて解体をしていった。
そうすることによって、社内がすごく良くなりましたね。
Q.社内の風通しが良くなった、と。
そうです。
今までは、業界のトップの人・プロの人を呼んで来て、「これはダメですよ」という指導を受けて、ただそこを改善をするということをしていました。
そうするとその後は何もしなくて良い、という風になってしまう。
ただ、そうじ(環境整備)の活動はそうではないんですね。
Q.取り組みを進める中で、面白かったことはどんなことですか?
例えば備品の食器の金額まで表示するようにしました(笑)。
備品の食器にまで値段が!
買ったモノの料金も明確にしておくということで、こうなりました。
買ったときは高いと思っても、それを大事に使い続けるというのが、一番コストがかかりそうでかからないんですよね。
一番ダメなのは、しょっちゅうモノをなんでも買い替える会社なんでしょうね。
Q.金額を表示することによる抵抗はなかったのでしょうか?
ありました。絶対に二つの意見が出てくるのです。
一つは、パンフレットに「こんなに金額がかかっているのか、大事に扱おう」というもの。
もう一つは、「値段なんか書かれたら、勿体なくてお客様にあげられないではないですか」というもの。
本当に人の思考は様々です。
ただ「値段を表示する」ことは「大切に扱っているモノを、お客様に大切に伝える」という意味だと、社長自身が信じて決断し、行動に示すことが大切だと思います。
そういう意味でも、値段を貼っていくというのは良かったですね。
Q.従業員さんひとりひとりの変化はありましたか?
そうじが全然できなかった従業員さんがいます。
そうじの力に取り組み始めたとき、彼は最初「整理整頓ができない」「後始末ができない」「営業が取れない」という三重苦みたいな所があったのです(笑)。
ただ、それでも彼なりに、そうじをやっているようでした。
そうしたら驚いたことに、営業が取れるようになってきたんです。
契約の確率でいうと、2~3割上がりましたね。
特に彼が優秀になってきたなという事があります。
売った後や契約した後に、お客様から「やっぱりやめとくわ」とキャンセルがあることがあります。
それが、前は下手したら契約後1ヶ月2ヶ月後に断られるというのが多かったのです。
商品の手配をしたりしますので、キャンセルが後になるほどダメージが残るのですね。
ところが、そうじの力に取り組んできて、彼のお客様の「キャンセルまでの期間」が短くなったんです。
例えばこんなやりとりができるようになりました。
■お客様「今日契約させてもらったけど、今回は遠慮させてもらいたいんです」
□従業員「今回は遠慮するという事でしょうか?」
■お客様「いや、お墓はやめます。田舎に帰ります」
□従業員「では、ご縁が無かったということでよろしいですね」
というところまでができるようになったのです。
お客様との間の取り決めを曖昧にせず、きっちり整備し話を詰めることができるようになりました。
当り前のことは当り前のように約束して、細かい所まできちんとお客様に言わせる。
断られるまでの期間が短いというのは、僕の中では優秀な営業マンです。
Q.そうじの効果は、見た目を良くすることだけではないと、社長自身が体感できたということですね。
はい。そうじ(環境整備)というのは、モノを直すだけではないですね。
今着手しているのは、「営業のそうじ(環境整備)」です。
やはりここにも「心」という邪魔をしているものがあって、なかなか売れない人は、環境整備が滞っています。
現状を変えられないんですね。
心が素直な人ほど、どんどんとやっていくんです。
やっぱり素直な人、すぐに改善に着手していった人が、伸びていっているように思います。
一人でも二人でもこうやって変わってきたのは大きい事です。
Q.我々の支援で「ここが良いな」とか「ここが面白いな」などがあれば教えていただけますか?
小早社長が「これは何ですか?」って言って色々と聞いてこられるではないですか。
だいたい僕たちが「今回これやっていなかったら言われるだろうな」という点を全部言われるのですよ。(笑)
だから、よく細かい所に気づく人だなと思います。
これが、遠慮されてはっきりと言ってもらえないと、ダメではないかなと思うのです。
僕が教わったことに「人生は、三人のお師匠さんを持て」というものがあります。
一つは、自分の知らないことを知っているとか、自分の就けない地位を持つお師匠さん。
二つめは、仕事や経営の原理原則を教えてくれるお師匠さん。
三つめのお師匠さんっていうのが、はっきり言ってくれる人です。
人は、はっきり言われると傷つきます。
多くの人は、優しく言って、はっきり言わない遠回しの人を良い人だと思うのですけれど、僕は中学、高校、大学と、バシッと怒られた先生の事しか覚えていないですね。
なんか中途半端に褒めてくれる先生って、今考えたら面倒くさかったんだろうなと。
やっぱり、はっきり言われることは印象に残ります。
受け止め方ひとつですよね。なので、僕にとっては良かったです。
けれど毎回、「ここは絶対言われるだろうな」というところはわかりますよ。
大体図星で、いつも当たっていました(笑)。
社員さん作成のコラージュ(笑)
そうじがすごく苦手だったN君が、あれだけ車もキレイになったし、カバンの中も財布の中もキレイになったというのは、小早社長のおかげかなと思います。
彼は入社時、車の中がゴミだらけだったんです。ゴミを捨てるのに45分かかったという…(笑)。
20Lのポリ袋が20袋位。後ろの天井までゴミだらけの「ゴミ屋敷車」でした。
彼が使う社用車も、鼻紙とかペットボトルとかコンビニのおにぎりのビニールとかが落ちていたりしました。
それが、「不要なものを載せない」クセ付けを出来るようになったら、そういうのが無くなったんです。
不要物だらけだった以前のNさんの車のトランクルーム
現在のNさんの車のトランクルーム
また彼は以前、約束忘れが多かった。
アルバイトさんを、朝にN君が迎えに行くことになっていたのですが、アルバイトさんから毎回「今日8時半に迎えですよね?今どちらですか?」と電話がかかっていたようなのです。
「あっ…!会社に着いていました。すみません」って忘れている、と。
今はアルバイトさんが、「Nさん、約束を忘れることが全く無くなって、どうしたのでしょう?」と言うのですね。
約束を忘れなくなった、営業が取れるようになってきた、というのは、後始末が出来るようになってきたのと同時期くらいのことです。
Q.今後のそうじ(環境整備)を進めて行く方向性や抱負があればお聞かせください。
僕たちは「墓石店の中では良い」とか「霊園の花屋にしてはキレイね」ではなくて、例えば花屋だったら、日比谷花壇が見ても驚く、「こんなにキレイにされているの?」という域に達したい。
「これが霊園なの?そこら辺のレストランよりキレイね」と言われるような、「フランス料理のMIKUNIさんとこよりもキレイね」と言われるみたいな、業界を越えて一流になっていきたい。
全員でそういう所を目指すために、まだまだそうじ(環境整備)のやり方を進化させていきたいと思っております。
そうじ(環境整備)に終わりなしです。
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